Re: 【イベント09】物語で見る各国の戦争準備状況 ( No.1 ) |
- 日時: 2007/01/09 04:13
- 名前: みなお
- 星がひとつ、ゆらりと輝きを変える。
川流鐘音は、夜空を見つめていた目を手許の記録へと落とし、大きくひとつ息をついた。 藩国内最大の観測施設である、第十五夜間専用天文台。 夜ごとに星見の民が観測に従事するその場所はこの日、平常とは異なるざわめきをたたえていた。 戦が、始まる。 共和国各藩国の動向は、この国の優秀なる猫忍たちによってもたらされていたし、また、その兆しは星見司たちの読むところでもあった。 そして、共和国尚書省による戦時動員の発令。 はじまってしまうのだな。 先般の戦にも出陣した鐘音にそれは、新たな決意を試されるような緊張をもたらしていた。
「…はじまるのですね」 いつの間にか隣に立った環月怜夜が、その心を読むように呟く。 忙しく駆けまわる観測員たちに指示を出しながら、彼女もまた、遠い星空を見上げる。 藩国の守り手たる騎士団を束ねる任の合間を縫って、星見司としての責を果たすため、彼女もまた足繁くここを訪れている。 「みはえる情報局長は、どちらに?」 「藩王と氷野凍矢摂政と共に、会議をされて…いや、猫忍の合議だったか」 今日の報告は後回しだな、と手許の資料を繰りながら考える。観測部門からの情報は収束し、予測を結びつつあった。 この国の中枢を司る人物は、大概が併せて任を持ち、そのすべてを滞りなく進めるために皆、奔走している。 情報収集と医学・工学を国の技として持つが故に、こと戦の準備となれば、その想定するべき範囲はこの国の森のように広い。 しかし、さすがは忍びの国と言うべきか、その慌ただしさは国を統べる者たちの胸の裡にだけ存在し、民の無用な混乱を避けることに成功している。 「新型I=Dの設計は、進展しているかな」 「技手の方々が工房に詰めていましたよ」 そういえば先刻通りかかった王立整備工場からは、可銀の悲鳴とも笑い声ともつかぬ声が漏れ聞こえていた。 カヲリと榊首利が恐る恐る、といった様子でのぞき込んでいたが、やがて観念したように入っていった。技手たちもまた、夜を徹して働くのだろう。
見慣れた窓に切り取られた、夜が告げるもの。 それは勝利か、それとも… 「戦うだけだ」 決意を込めたその言葉の続きを、微かに聞こえる響きがさらっていく。 ふと、耳を、澄ます。
「…燃料が8万t、資源が合わせて10万t、と…」 どこからか流れる声に、片耳だけわずかに傾けながら、赤の騎士団副長・白金優士は備蓄のチェックに励んでいた。 先日の国民たちの活躍で、一時は潤ったかに見えた国庫も、戦時動員への供出でふたたび大規模に減ってしまった。 「分相応、というものだろう。少なくとも我が国の民を養うには充分だよ」 傍らで数値をのぞき込むみはえる摂政が、呑気にも感じられる口調で淡々と言った。 「無論。この程度では何を諦めるにもあたらないでしょう」 口元に不敵な笑みを浮かべ、応える。 「そうだ、昼の炊き出しの様子はどうでしたか」 幸いにも食糧に恵まれた状況にあったため、戦争の準備に尽力する国民の意気高揚と労いの意を込めて、この日の日中には炊き出しが行われていた。 「ああ、それはもう…」 心なしか遠い目をする、みはえる。
「あったかいご飯ですよ〜」 「何はなくとも腹ごしらえだ。健康第一!」 「…いや、忍者って保存食で食いつなぐんじゃなかったでしたっけ?」 「細かいこと言うな。食え」 「あーっ、猫士様が私のご飯とった!」 「そこ、本気で爪を使うんじゃないっ。ああほら、口にくわえたまま木に登るな。少しは礼儀というものを心得ろ。そっちは…」 藩王が振り向くと、大木の木陰でおにぎりをむさぼり食い、あるいは満腹になってごろんと丸くなる騎士団の面々が… 「食ってないで、手伝え〜っ!!」
「それはもう美味しかっ…いや、抜群の効果だったよ。士気は確実に向上しただろう」 そして恐らくは同じくらい、藩王の血圧も。 「何よりです。ああそうだ、中央病院から資材の請求がありましたが、あれは」 「さっき使いを出した。ここはもう、一段落だな」 扉を締めて見上げれば、鬱蒼と茂る暗い緑の彼方に夜空。緑も闇も、この国の民にとっては親しい友であり、心強い味方でもある。 その合間を流れるように、ひとすじの…歌が。 「誰の声でしょう、これは」 「彼女ですよ。…ああ、ずいぶん上手くなった」 次の任務へと走りだす束の間、2人と森は、ただ穏やかに耳を傾けた。
「…で。なんですか、これは」 「もちろん食糧です」 緋乃江戌人は、にっこりと微笑んだ。 「えー、確認させていただきたいのですが。戦時準備のためこの中央病院にも医療資材や食糧の備蓄を行う必要があり、そのための物資をお願いしていたと思うのですが…」 「ですから、食糧です。これが」 運搬を手伝った久堂尋軌は、まだ肩でぜいぜいと息をしている。 確かにそれはひどく大量で、戦によって患者が増えたにしても、まかなって余りある量ではある。ある、が。 「…ケーキ、に見えるんですけど、これ」 戌人のあまりに堂々とした態度に気圧され、なんとはなしに小声になる逢瀬みなお。 途端、戌人の気配が一変する。微笑みは消え、真顔になる。 「いえ、あの私、この地に来て日が浅いもので…」 ここではこれが一般的な保存食の形態なのかもしれないと、言い訳をはじめるみなおに、戌人が真顔のまま一歩迫る。 「これがケーキに見えますか」 「いえ、はい、すみません…」 「その通りです」 「…は?」 「大丈夫、意外とおいしいんですよ。その点は保証します。では」 しゅたっと挨拶の手を挙げると、隣接する整備工場へと去っていく戌人。慌てて見渡すと、既に尋軌の姿はない。さすがは猫忍である。 「ケーキ、ねぇ…」 端の方をひとかけ、口にしてみる。確かに美味しい。よく焼きしめてあり、保存にも耐えそうだ。 ま、いっかと納得し、保管庫に運んでもらうよう通りかかった者に頼む。 何にせよ今は、迷っている場合ではない。いかにこの国の民の多くが、おしなべて優秀なマルチフィクサーであるとはいえ、使える手は多ければ多いほどいいのだ。
「急患です、お願いします!」 その喧噪のリズムに乗って、正面玄関から駆け込んできた影がひとつ。いや、まるくもうひとつ。 「はい、いま受付を…って、鐘音騎士?!」 床にへたりこんで丸まった背中が、小刻みに震えている。汗ばんだ額に触れるまでもなく、熱が伝わってきた。 すぐにベッドを、そして腕利きの医師をと、焦る素振りもなく迅速に手配の進む様を見て、ここまで担ぎこんだ怜夜団長はふと、安堵を覚える。 がんばってるじゃないか、皆。民の準備は万端だ。 ただ…廊下の奥へと運ばれていく鐘音騎士のことだけが気がかりだった。あんなに突然、高熱を出すなんて。 「慣れないシリアスなんか、するからですよ、もう」
森は、眠りの静けさに包まれている。 あらゆる事態を想定して、物資を集め、技術者たちはカンファレンスと作業をくり返し、来るべき時に備えた。 それでもどこか、その静けさから沸き立つように、焦れるような不安が夜に混じる。そんな頃に。
働く者は、はじめはそれを幻のように聞いた。知らず、耳を傾ける。 眠る者はそれを、あるいは夢の中に聞いたかもしれない。 静かに夜を縫う、響き。
「♪しっぽ しっぽ しっぽアンテナ…」 月代由利は、遙か空を指す藩国の象徴・ロイ像の隣に腰かけて、歌っていた。 この国の民にとってもっともメジャーで、親しみのある歌。 それはやがて来る戦の日々の中で、民の頬に笑顔を取り戻し、どこまでも諦めずに向かう勇気を育てるだろう。
ひとつの命と、それを包む世界を、共に守るために。 一心不乱の、友情のために。
長い雌伏の夜をこえ、持てるすべての力をたたえて、世界忍者国は戦に向かおうとしていた。
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その頃の吏族 ( No.2 ) |
- 日時: 2007/01/09 12:18
- 名前: 十五夜@文族モード
- お、吏族書いちゃいました?作業時刻がすごいなぁ。
無理はなさらず。 別バージョン、というか、こっちは全然戦闘準備じゃないね(笑)。
---- 国中が戦闘準備で慌しくしているその頃、しっか吏族、こと川流鐘音騎士は寝込んでいた。度重なる心労にダウンした、というのが大方の見方である。長い長い旅から帰ってきたと思えば、星見司の試験にチャレンジしてこれを見事(仮免とは言え)通過、吏族としてその腕を大いに振るった。責務を果たして、幾分気の緩んだところに、風邪が忍び込んだ。
「げほっ、げほっ、戦闘、準備、をしだ、けでば…げほごほげほ…」
高熱を発してもなお、国に貢献しようとするその意気やよし、ではあるが、さすがに無理というものである。
「休まないとダメですよ…」
うっか吏族、こと環月怜夜騎士団長が、仲間を見舞いに来ていた。
心配げに見下ろしているが、むしろ失敗される側なのが情けない。つい昨日も、某国で作成された「走って逃げるケーキ」が欲しくなって出かけたあげく、道に迷って白金優士副団長に保護されていた。めそめそ泣いていたその姿を見られたわけではないが、話は国中に伝わっている。藩王が面白がって今日の藩国ニュースに載せたからだ。ドアを開けた途端、「大丈夫でしたか?」と聞かれてめげた。
そして、見下ろして途方に暮れている。寝床も整い、おかゆも、医師からの薬も完璧に準備されている。さすがはしっか吏族、といったところだが、怜夜のやるところがない。ないものといえば…氷くらい?
自然との調和を重んじるこの国では冷凍庫は一般的ではない。高熱を発している鐘音騎士を冷やす、氷嚢がなかった。
(あ、そうだ、氷を取ってこよう)
ここで、王宮の冷凍庫を思い出さないのが、彼女の興味深いところである。
(山の頂上の洞窟に確か氷が)
そして、わーい、山登りーと喜んだ。
「ちょっと待っててくださいね?」
怜夜は、持ってきた果物と花を、鐘音騎士の枕元のサイドボードに飾ると、にっこりと笑ってそう言った。そして、意識の朦朧とした鐘音騎士が、何を?と問おうとしたときには、もう居なかった。
/ * /
今度は大丈夫。もう道に迷わない。コンパスがあるから、と怜夜はかばんにつけたコンパスを見た。
「一人前になってやるんだ! 副団長はもう要らないもん。」
ぐっと握りこぶしを作る。怜夜は自分が泣いてたことを副団長が藩王に報告したと思い込んで、根に持っていた。
「泣いてたことは黙っててね、って口止めしたのに」
唇を噛む。濡れ衣である。実際のところは、涙の跡を目ざとく見つけた藩王が、副団長を誘導尋問したのである。しかし、そんなことは知らない怜夜はむくれて、ついてこようとする副団長を振り払って一人で来ていた。
「…おかしいなぁ、もうそろそろ、洞窟についてもいいはずなんだけど」
副団長と二人で探索に来たときはとっくに着いていたはず、の時間になって、さすがに怜夜は焦った。
「もしかして…道に迷った?」
もう日も暮れようとしている。森の夜は早い。とっぷりと暗くなっていく森の中で、怜夜はコンパスを握り締めて途方に暮れた。
/ * /
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その頃のI=D工房 ( No.3 ) |
- 日時: 2007/01/09 12:52
- 名前: みはえる
- 深夜にも関わらず全藩国に超光速通信で発布されたテクニカルリードアウトを隅から隅まで熟読しながら可銀は、ようやく技族の出番が回ってきたと心を躍らせていた。書類から目を離して周りを見渡す。工房は忙しそうに人が流れていた。この夜遅くに起きているのは可銀だけではない。工房中のスタッフが今日という日を待ち望んでいたのだ。
工房は地下から屋上まで煌々と明かりが灯っていた。これから可銀が不眠不休で図面を引き、それと同時並行で数十人のスタッフが構造計算、プロトタイプ試作、物理的衝撃耐性仮想シミュレーション、コストと強度の折衝など、ありとあらゆる作業を進めるのだ。国の技術力をニューワールドに知らしめる絶好のチャンスなのだ。一分一秒が惜しかった。
ゆらり、と可銀が立ち上がる。そばにいた数人のスタッフが立ち止まって、彼の次の一言を待った。皆、あらゆる準備が整っていた。さあ可銀さん、我々に指示を!
「……そういえば、この蜘蛛、名前決めてなかったや」
全員がズッこける。蜘蛛というのは藩王から頂いた子蜘蛛の事である。年初に賜って以来、頭の上に乗せて可愛がっている。その為か、蜘蛛嫌いの月代や凍矢は工房に近づかなくなった。スタッフの一人がよろめきながら進言する。
「可銀さん、他にも重要な事があるでしょう」 「名前は重要だよ?」 「いやそうではなくてですね、I=Dの設計の方でなにか……」 「ん? あ、そうだ! あったあった!」
スタッフの顔が輝く。さあ、今度こそ指示を!
「あのさ、頭のデザインなんだけど、やっぱ猫顔がいいかなあ?」
皆、更に盛大にズッこける。
スタッフは可銀の優秀さと性格をよく知っている。本人が真剣だと分かっているから、こちらも真剣に対応しなければならない。深夜に行われる誰も見てないコント、これはそういう連帯感であった。
「いやあの、だからですね。他にも重要な……」 「顔は重要だよ?」
同じ問答が繰り返されそうになった時、可銀の猫士、ろい=ばうにゃんが猫状態で可銀に抱きついた。ばうにゃんを抱き寄せてぎゅーする可銀。すると子蜘蛛が嫉妬したのかばうにゃんに攻撃を仕掛ける。可銀の頭上で主人の恩寵を賭けた(?)決闘が始まる。サイズ的には子蜘蛛の方がちょっと不利である。
「二人とも、やめ」
2匹を頭からおろそうとした所、タイミング悪く、猫と蜘蛛のストレートパンチが両方とも可銀の頬を直撃した。ぶっ倒れる可銀。情景をスケッチするよう命を受けたカヲリ宮廷絵師はその光景に腰を抜かした。しかし、同時に一つの事象を見逃さなかった。顔から地面に激突しながらも、可銀は猫も蜘蛛も手から離さなかったのだ。
「可銀さん! 大丈夫ですか!」
スタッフが駆け寄る。
「だ、大丈夫だよ……」 「思考は! インスピレーションは飛んでいませんか! 新I=Dのコンセプトは失われていないでしょうね!」
ちょっと薄情な奴らだなと可銀は思った。
「頭より下の部分は、もう出来てるよ。僕の部屋の机に資料一式用意してある」 『早く言えよ!!』
スタッフが合唱すると同時に大急ぎで階段を駆け上がって行く。可銀は起き上がり、一人腰を抜かしたままのカヲリを助け起こすと、目下の重要課題に戻った。猫頭のデザインと、小蜘蛛の名前であった。蜘蛛を頭に乗せ、猫は足元に下ろして首筋をなでてやる。ばうにゃんはにゃうーんと鳴いた。
「そういえば、お前に初めて会ったのは夜中だったなぁー」
小蜘蛛に話しかける。聞いているのかいないのか、小蜘蛛は微動だにしない。可銀は窓を空け、夜の風景を見渡した。不思議と、寒さは感じかなかった。
「夜… 月? 星空?? んー」
なんかピンと来ない。もっと大きくて、深い色を持っていて……。
「……夜空。夜空さん?」
一日の半分、国を覆う漆黒こそ、この小さな生き物に相応しい名前ではないだろうか。
「夜空さーん」
小声で小蜘蛛に呼びかける。ぴくぴくっと脚を振った。悪くないっぽい。可銀は上機嫌でくるくる回った。と、その途端。
「思いついた! 頭のデザイン! 早く書かないと!」
可銀は目を輝かせて図面台に飛びつき、猛烈な勢いで線を引き始めた。こうなるともう何も聞えない。
カヲリは、ゆっくりと立ち上がり、音を立てないように入り口に向かった。扉を閉める時に振り返り、主人の足元でぴんと背筋を立てて座っている猫にじゃあねと手を振った。
「にゃうん」と猫は答えた。
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他にも登場させたいPCがいたら出しますので言ってくださいー
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Re: 【イベント09】物語で見る各国の戦争準備状況 ( No.4 ) |
- 日時: 2007/01/09 18:51
- 名前: 凍矢
- 他の国民が一生懸命出撃準備している一方そのころ・・・・・
〜女王の執務室〜
ここでは女王様としっかり摂政ことみはえる、うっかり摂政こと凍矢がしかめっ面で珍しく真面目に会議をしていた 「共和国への支払いは完了したようです」 「わかったありがとう、しかし・・・・・・・また貧乏国に戻るなんて、お金ー!」 この国は一時期借金国になるという歴史があるためにお金が減るのは堪えるらしい 「当面は売れるもの作って売るしかないですよねー」 「皆がんばっているようですし大丈夫でしょう」 緊張感の無い声がある気もするがキニシナイ
がちゃ 扉が開く、そこから戌人騎士が入ってくる その手には・・・・・・・ケーキ 「あ・・・・・無事成功したんだ!」 「ケーキは嫌けーきは嫌、ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃいいいい!!」 「あの、これを戦時に食料の一部にしたいんですが・・・・・・」 その後ろでがくがく震える凍矢に気付き苦笑いする女王と戌人を尻目にとりあえずみはえるは毒見をしている 「ふむ、悪くは無いな、これは十分食料足りえるな」 「・・・・あ、ありがとうございます」 「私も食べるーって何で下げちゃうのー!」 目の前で撤退していくケーキを前に少し涙目になっているがみはえるの指示のもと戌人は執務室を去っていく 「酷い!私も食べたかったのに!」 「今は仕事中です、終わってからにしてください、それに・・・・・・凍矢摂政があまりに哀れなので」 「ケーキは行った?ケーキは消えた?」 (注:この反応の理由はステージ05-3のSSをごらんしていただきたいです) 「ええ、もう大丈夫です、では次の議題ですが」 ピピピピピピピ 何かの電子音が聞こえる 「はっ、国営のロジャーのアニメが始まる時間だ!」 「ねー摂政見に行っちゃ駄目?(うるうる」 「行きましょう!」「駄目です」 あっさりみはえるに却下される二人 「だ・・・・だってこの国の国営ですよ?俺たちもチェックする必要がありますよ!」 「仕事があるしあとで見ればいいでしょ、国営なので元があるですし」 「で、でもやっぱ」 「いいから仕事!」 「「うー、はい」」 結局頭の上がらない二人はあきらめかけたその時 ドン! 勢いよく扉が開く、そこには真っ青になった白銀副団長が方で息をしながら入ってきた 「た・・・・・・大変です!団長が・・・・・玲夜団長がまた迷子に!」 瞬間、目が輝く女王と凍矢 「探しに行きましょう!」 「我が国の団長のピンチだしね!」 ドアから飛び出そうとした瞬間二人して思いっきり後ろに引っ張られる 「ああ、では副団長すまないが一部の騎士を率いて捜索に出てくれないかな?」 さわやかに笑いながら言うみはえる、苦笑いしながら、でも少しうれしそうに白銀副隊長は走り始めた 「さて、二人とも仕事の続きですよ?」 またもや笑顔だが・・・・・・・怖い 「「は・・・・・ハイ(しょぼ〜ん」」 そして首根っこつかまれながら引きずられていく二人 バターンと扉は閉められる、まだ仕事は続いている
こんなんでどうでしょう? やっぱ文章能力が・・・・・・
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その頃の首脳部 ( No.5 ) |
- 日時: 2007/01/09 19:28
- 名前: 十五夜@文族モード
- 凍矢さんのをベースに、書いてたのをマージして加筆してみました。いじっちゃってごめんね。
その頃の首脳部
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女王の執務室。ここでは女王様こと結城由羅藩王、しっかり摂政ことみはえる、うっかり摂政こと凍矢、の三名が珍しくしかめっ面で、真面目に会議をしていた。
「戦時動員よ」
藩王はつまらなさそうに、本国からの電信を二人の摂政に見せた。
「資金10億にゃんにゃんに、燃料10万トン、ですか…」 「うわあ、取られますねぇ」
浮かない顔をする二人に頷きかけて、言葉を継ぐ藩王。
「すでに提出はしておいたわ」 「おお、我が国は資金も燃料も出せるのですな。中小国家なのに運営体制が素晴らしい」
満足げの声を上げるみはえる摂政に、藩王はちらりと微笑んだ。
「そうね、よその藩国では払えないところも多いと聞くわ。こまめに稼いでいておいて良かったってことね」 「まあ、女王様がわざわざ出撃されましたからね」
それぐらいはないと、と凍矢摂政が渋い顔をする。国が潰れる、と反対したことは後悔してはいない。
「しかし、この動員で再び資産状況が悪くなりました」
電卓でぱちぽ、と押して、むう、と更に渋い顔になる。
「資金は残り4億、燃料は残り8万トン、娯楽は残り6万トンです。何かで稼がないと心細いですねぇ」 「また貧乏国に戻るなんて…しくしく。お金ー!」
三人でいっせいに盛大なため息をつく。この国は一時期借金国になって苦しんだことがあるため、お金が減るのが特に堪えるらしい。
「当面は売れるもの作って売るしかないですよねー」 「皆がんばっているようですし、大丈夫でしょう」
空元気を出してみはえる摂政が言った。
「ええ、特別プロジェクトとして、月代広報担当による娯楽作品作成も動いているしね。あれが完成して売れれば…」
藩王が頷き、三人は取らぬ狸の皮算用を始めた。
/ * /
がちゃ
そんなところに、扉が開き、戌人騎士が入ってきた。その手には、ケーキ、を持っている。 ほほう、と藩王がそれに目を留めて微笑んだ。
「あ、……無事成功したのね」
しかし、同時にその物体を認識した凍矢摂政は、ものすごい悲鳴をあげた。
「ケーキは嫌けーきは嫌、ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃいいいい!!」
壁に張り付き、がくがく震える凍矢摂政。戌人騎士は目を白黒させつつ、用件を述べた。
「あの、これを戦時に食料の一部にしたいんですが………」
苦笑いする女王。そんな周りの情景を尻目に、みはえる摂政はとりあえず毒見をする。
「ふむ、悪くは無いな。うん、これは十分食料足りえる」
みはえる摂政が頷くと、戌人騎士はぱぁっと顔を明るくした。
「……あ、ありがとうございます!」
そして、藩王が手を出そうとしてるその下から、さっとケーキを救い出す。
「私も食べるーっ!…て、何で下げちゃうのー?」
目の前で撤退していくケーキを前に、少し涙目になる藩王。みはえるは無言で戌人騎士にそのまま去るよう指示する。執務室をそそくさと去っていく戌人騎士を恨めしげに見ながら、藩王は口を尖らせた。
「酷い! 私も食べたかったのに!」 「今は仕事中です。終わってからにしてください。それに……凍矢摂政があまりに不憫で…」
と、顔を壁へ向けた。
「ケーキは行った?ケーキは消えた?」
そこで涙目でがくがくぶるぶると震えている凍矢摂政を見て、藩王はなるほど、と頷いた。 (注:ケーキ恐怖症の理由については[[イベント/05/その3]]をご覧ください)
/ * /
ケーキが去ったことを確認し、よろよろと立ち上がる凍夜摂政。こほん、と咳払いすると、書類をめくって、取り繕った。
「ええ、もう大丈夫です、では次の議題ですが」
ピピピピピピピ
そこへ今度は、何かの電子音が聞こえてきた。凍矢摂政が目の色を変える。
「はっ、国営のロジャーのアニメが始まる時間だ!」
藩王が、ぽむ、と手を叩き、みはえる摂政に上目遣いをしかける。
「ねー、摂政ー見に行っちゃ、駄目?(うるうる」 「行きましょう!」
凍矢摂政が今にも駆け出さんばかりの様子で叫ぶ。
「駄目に決まってるでしょう!!!!」
あっさりみはえるに却下される二人。しゅん、としつつ、なんとか説得しようとする凍矢摂政。
「だ…だってこの国の国営ですよ? 俺たちにはチェックする義務がありますよ!」 「仕事があるのですから、あとで見ればいいでしょ。国営なので、元を取り寄せることもできます」 「「で、でもやっぱり、早く見たいじゃない/よ」」
異口同音にかき口説く、藩王とうっかり摂政。それをぎろり、と睨みつけてしっかり摂政は一喝した。
「いいから仕事!」 「「うー、はい」」
結局、頭の上がらない二人である。しぶしぶとあきらめかけた、丁度その時、
ドン!
勢いよく扉が開いた。 何事かと三人がそちらをみると、真っ青になった白銀副団長が、肩で息をしながら入ってきた。
「た……大変です!団長が……玲夜団長がまた迷子に!」
瞬間、目が輝く女王と凍矢。
「探しに行きましょう!」 「我が国の団長のピンチだしね!」
ドアから飛び出そうとした瞬間、二人して思いっきり後ろに引っ張られた。
「ああ、では副団長すまないが一部の騎士を率いて捜索に出てくれないかな?」
二人の首根っこを両手で掴みながら、さわやかな笑顔で言うみはえる。 苦笑いしながら、でも少しうれしそうに頷くと、白銀副隊長は走り始めた。
「さて、二人とも仕事の続きですよ?」
その笑顔が……怖い。
「「は・・・・・ハイ(しょぼ〜ん」」
そして、首根っこつかまれたまま、引きずられていく二人。バターン、と扉が閉められた。 会議は、まだ続くのだった。
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その頃のマルチフィクサー達 ( No.6 ) |
- 日時: 2007/01/09 21:11
- 名前: イヌヒト
- 戦場とは、何もパイロットやアイドレス達が血とオイルを流しながら敵と戦う場所だけではない。
例えば病院。其処は無数のマルチフィクサー達が心に血とオイルの涙を流しながら、日夜死と戦う戦場である。 世界忍者国において医療の要となるのは、中央病院。 一度戦争が起これば、其処は容易に激戦区となり得た。 如何にして、全ての民に不幸をもたらす事なく乗り切るか。 マルチフィクサーにして民を守る騎士たる者達は、病院勤めの他のマルチフィクサー達と協力し、その為の事前準備に水面下で奔走していた
準備としてやる事は山程ある。 その出来る限りをリストアップし、優先順位をつけて次々に処理していく。
例えば、先ず行われたのは食料や医療資材の備蓄である。 患者の体力を整える為の食糧や、治療の為の物資、そして整備に必要なパーツやオイルが無ければ病院は機能しない。 何故か大量のケーキが持ち込まれるという珍事も発生したが、その程度のユーモアをも受け入れる心のゆとりを誰しも持つ必要があった。
そして国内で行われた炊き出しにも協力して、病院内では通常よりも工夫を凝らした病院食がふるまわれ、より病院と地域社会との緊密な関係を築くことも試みた。 それと同時に応急手当や、病気予防の為の生活改善法の公演会、伝染病への注意の呼びかけ等を行い、病院にかかる負担を減らす努力も行う。地域のマルチフィクサーとも連携を取り、中央と地域での医療分業も推し進める。
それらは今すぐに効果があらわれる事ではないが、誰かがやらなければ、そして今からやらなければ決して芽の出る事のない作業達である。 それが誰かの笑顔の為になると信じて、影ながらの努力が続く。 世界忍者国は忍ぶ国。彼等にとって、誰かの幸せのために頑張れるのならば、それは彼等の幸せなのだ。
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Re: 【イベント09】物語で見る各国の戦争準備状況 ( No.7 ) |
- 日時: 2007/01/11 00:46
- 名前: 鐘音
- 完成版は下記になります。
http://richmam.xtr.jp/kingdom/?%A5%A4%A5%D9%A5%F3%A5%C8%2F%A3%B0%A3%B9
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