- 日時: 2007/02/18 18:36
- 名前: 松永
- 我が国には「マルチフィクサー」と呼ばれる者達がいる。
人と物の区別無く、何でも治す者達である。
そしてそこから一歩踏み出し、新たな命が立派に歩いていけるように貢献する者達がいた。 彼等こそが、通常のマルチフィクサー業務と共にテストパイロット業務もこなす「アドヴァンスド・フィクサー」である。 開発局技術開発部で次々と生み出される技術を試験運用・評価し、より安全で信頼のおける技術への発展を促す事からこう呼ばれている。
彼等は開発局技術評価部の技術試験隊所属となり、日々より確かな技術開発に貢献すべく時には設計図を見て語り合い、時には試作機のテストを繰り返して欠陥 や実用性などの詳細なデータを収集し、製造工程が複雑過ぎはしないか、予定された稼働率を満たしているかなど、様々な評価を行っている。
あらゆる状況、あらゆるマニューバーを再現してテストを行う必要のある彼等の操縦技量は大変高く、併せ持つ知識も相まって人型兵器であろうと通常兵器であ ろうと平然と乗りこなす。 また、より確かな実動データを得るために、戦場にて実戦テストを行うことも多々あるが、人の治療と機械の整備の両方が行える事と高い操縦技量により、実戦 テストにおける彼らの生存率は高く、どんなに被弾しようとも必ず機体を持ち帰る事でも知られている。
『技術開発が未来への扉なら、評価はそれを開く鍵だ』
これはいつかのアドヴァンスド・フィクサーの遺した言葉である。 技術開発部の技術者が、実戦に出て試験・評価を行っている友人のアドヴァンスド・フィクサーを心配し、開発部なら危険な目に遭うことは無いと言った時に出 た言葉だ。
新たな技術の開発には、その技術とそれを扱う人の命が掛かっている。 故に正しくその技術を評価し、確実な技術へと昇華させなければならない。 確実な技術でない限り、進歩はあり得ないと彼は語った。
普段試作機のテストを行っている彼等は、治療専門であるマルチフィクサーとは一見全く違う存在のように見えるが、この言葉から彼等もまた祖先の誇りを受け 継ぎ、事故や欠陥を出さない「予防」に勤めているのだいうことが伺える。
彼等の妥協を許さぬ精神と、医学と機械工学に精通した知識・技術による評価により、特に人型機械の開発において圧倒的に信頼のおける技術を保持している。
|