痛み、そして決意 ( No.1 ) |
- 日時: 2007/03/31 03:44
- 名前: 結城由羅@藩王
- 『世界などどうなってもいい、ロイさえ生きていさえすれば』
叫びそうになる言葉を噛み殺した、そのことが苦しい。
なぜ言えなかったのか。ためらってしまった自分を、彼が犠牲になるかもしれないことを受け入れた自分を引き裂いてしまいたい。言えなかったその叫びが呪いの様に胸をさいなむ。
たとえ世界全てを敵に回しても、彼だけは護りたかった…その思いは嘘だったのかと。
どちらにしろ負ければ、誰かが死にそうになれば彼が犠牲になることはわかっていた。それがエースユニットだから。
だから、「逃げてくれ」という言葉も無駄だとは知っていた。風に攫われて消えてしまった言葉を、聞いてもあなたは微笑んだだけだったてしょう。知っていてもなお、言わずにはいられなかった。
ばか。
それでも、自分を藩国を共和国を捨てて逃げて欲しかった。
あなたには光太郎を護るという目的があるでしょう?
私たちにはあなたを護るという目的があるのです。私も国民もあなたのためになら喜んで犠牲になったのに。
それが無理だということもわかっていた。あなたは私も藩国も共和国も見捨てない。
ばか。ばかばかばか。ばかー
そんなことは百も承知だったのに…負けられない戦いだったのに…負けてしまった。
くやしい。チャンスが2度あるならば、今度こそは間違えない。
余計なことをしている暇はない。二度と負けない努力をしなければ。
あなたに、再び会うために。
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