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【ss】世界を越えて志と生死を共にした戦士へ
日時: 2007/06/03 09:43
名前: 海堂玲@芥辺境藩国 

<世界を越えて志と生死を共にした戦士へ>
海堂玲はこの日は休日だった。ちびくんを自分の家に招き、一緒に折り紙工作をし
ていた。
居間のチェストの上には幾つもの写真立てがあり、いろいろな藩国の人たちとの写
真が飾られていた。
芥辺境藩国一同や戦勝パレード、そして一番大きく飾ってあった写真がロジャーを
捜しにいったときのメンバーで撮った写真である。捜索から帰ってきてからの写真
だったため、みんなくたびれた格好をしているが何とか助けられたということでか
表情はとてもよく映っていた。玲にとっては自慢の一枚なのだ。
風もないのにその写真立てがカタリという音と共に床に落ちたのだ。
写真立てを拾い上げると、凍矢摂政のところにひび割れているのである。
不吉な予感が駆け巡る。凍矢摂政は確か広島に行かれているはず・・・。怪我とか
されてないといいけど・・・。

少ししてから、ちびくんと共にバザールへ行き、新しい写真立てを購入する。
その日の夜、写真立てを新しいのに入れ替えながら
「凍矢摂政、ダメだよ。藩王さまを悲しませたらね」
血まみれの凍矢摂政の姿を思い出した。悪い思考を追い出すかのように、数度大き
く頭を左右に振ってから床にはいった。
しかし、不安は拭えず頭の何処かで不安の芽がどんどん育っていく。
眠れぬまま夜は明ける。幾日が過ぎただろうか、あまり眠れぬままに時が過ぎてい
った。
出仕した政庁で芥藩王からの連絡が直接送られたきた。
「ナニワアームズ商藩・サターン藩王と世界忍者国の氷野凍矢摂政戦死との連絡あ
り。今いる主要メンバーはすぐに執務室まで」

何処か遠い世界で音がした。何ともいえない悲しい音かしている・・・あぁ・・・
誰かが泣いているのだ。そして誰かが叫んでいるのだ。
「死なないで!!」
「まだ死ねないのに!!生きたい!!」
「コンナトコロで・・マダカエッテナイノニ・・・」
慟哭がキコエテクル・・・

意識が切り替わる。
ここは何処だろう・・・棺がある。
棺の前には誰かが立ち尽くしている・・・。誰か見ようとしたところで目が覚め
た。

目が覚めたのだ。勢いよく起き上がると激しい眩暈がして再びベットへ逆戻り
だった。
「おぉ・・・目が覚めたか」
目を開けるとそこには芥藩王がいたのだ。
「私は・・・どうしてたのでしょうか?」
「廊下で倒れていたそうだよ。貧血だろうって」
あれは夢だったのか・・・誰かの意識と共鳴したのか・・・
「申し訳ありませんでした。」
「なぁに、お礼は小鳥遊くんと霧原くんにいうといいさ。海堂くん動けるか?」
「はい、大丈夫です。」
「世界忍者国へ行ってくれるか」
大きく深呼吸をしてから
「はい。了解しました。」

芥辺境藩国から出発するときの天気は晴天であった。
信じたくない・・・未だに助けられる術を捜している自分がいた。
                         <終わり>
拙いですが、追悼ssです。
メンテ

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