Re: 【文章】青の厚志 ( No.1 ) |
- 日時: 2007/07/27 02:59
- 名前: 松永@世界忍者国
- 青の厚志という男がいる。
一人の女のためならば全てを敵に回し、そしてそれに勝つ事が出来る、男の鑑と言えるような男だ。 そんな彼の武勇伝を、一つ紹介しよう。
それはある日の朝方。 某所。 夜勤だった二人の男が仕事を終え、何か腹の足しになるものはないかと隊舎の台所を訪れたのである。
「いやぁ、疲れた疲れた」 「お互い、お疲れさんってヤツだな。さて、なんか食うもんねぇかな」 「おい、何かやけにいい匂いがしねぇか?」 「ん?言われてみれば確かに。台所か」
そこで二人が目にしたものは・・・
所狭しと並べられた、見るからに美味そうな料理だった。 湯気があがっている。 そして、付近に人影はない。
「うほっ、うまそー!」 「ああ。だが見た所、料理に特別な素材は使われていない。こいつぁ、只者じゃない・・・」
「「・・・」」
がつがつむしゃむしゃぺろり。 誘惑に打ち勝てず、貪るようにつまみ食い(?)を続ける二人。
とんとん。 不意に、男の一人の肩が何者かによって叩かれた。 振り返るとそこに、一人の少年が立っていた。
恐れるものなど何もないと言うような不敵な目。 黒すぎて青く見える髪。 その姿はまさしく、青の厚志と呼ばれる少年であった。 そして、胸にかけられたエプロンとその手に握られたお玉。 二人に絶望を与えるには、それは充分すぎる事実であった。
「君達、ここで何をしているのかな?(にこっ)」
笑ってはいるが、目は笑ってなどいなかった。
「あれ?どうして料理がないんだろう?おかしいな」
「イ、イヤソノ、エット・・・」 「あ、あの、ででで、できごころという、ヤツでして・・・」
「ここにあった料理はねぇ。僕が舞のために一生懸命作ったものなんだ。最近ゆっくり出来なかったから、美味しいものを食べて欲しくてね。結構奮発したんだよ。雷電と一緒に食べたいって言うから、雷電の分まで用意してあったんだ。それまで食べちゃうって事は、君達はよっぽどお腹が空いてたんだねぇ・・・」
語りながら、ゆっくりと、二人に歩み寄る青の厚志。 至近まで近づき、手を伸ばしたところで二人は気を失ったしまった。 その後、波打ち際で気を失っていた所を二人は保護された。
「あ、舞ー!ちょっと聞いてよ、酷いんだよ。せっかく僕が作った料理を・・・」
この話は、まだまだ序の口だという・・・
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