猫士ろにゃー登場の巻 ( No.1 ) |
- 日時: 2006/12/12 10:19
- 名前: 十五夜@藩王
- その猫士「ろにゃー」が、世界忍者国にやってきたのは、国民達が建国に励んでいた、春もうららかなある日、であった。
「なかなかいい国になりそうでござるな」
その声に顔を上げた結城由羅藩王は、手に持っていた設計図を取り落とした。
「☆▲□◎△○★!!!」 「どうかしたのですか?」
声も無い悲鳴に何事かと顔を出した赤の騎士団団長環月怜夜騎士が、そのままの形で固まった。
「ちょ、急に止まると危ないじゃないですか!」
その怜夜の背中にぶつかって、鼻を押さえながら文句を言った氷野凍矢騎士が、顔を上げて目を剥いた。
「ろ、ロジャー?」
猫士ろにゃーはその尖った爪で頬をかりかりと掻きながら首をかしげた。
「いかにも、拙者はろにゃー(微妙に違う)でござるが、はてどこかでお会いしたでござるか?」
3人が3様で彼を取り巻き、上から下まで眺め回す。
「…照れるでござる。恥ずかしいでござる」
顔を下げて恥らうのに、鼻血を吹きそうになって悶絶する藩王。
「それで、こちらにはどうした御用でいらっしゃったのですか?」
うっすら頬を染めて怜夜が尋ねる。隣でこくこくと首を振る凍矢。
「拙者を雇ってくれる国を探しているでござるよ。ここで猫士をひとり募集していると聞いたので、来てみたでござる」 「雇います」「雇いましょう!藩王!」「雇ってください!藩王!」
即答。
こうして猫士「ろにゃー」くんはめでたく世界忍者国の猫さまとなりました。
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凍矢騎士と猫士ろにゃーの巻 ( No.2 ) |
- 日時: 2006/12/12 10:21
- 名前: 十五夜@藩王
- 「芥辺境藩国が攻められようとしている。わが国も出兵せねばなるまい。誰か、行くものは?」
立ち上がった藩王が、居並ぶ赤の騎士団を見回すと、ちらほらと手があがった。高々と手を上げた騎士に目をやって微笑む。
「萌えと酔狂の騎士、みはえるが参ります!」 「みはえる騎士、ありがとう。貴君の勇気に感謝する。搭乗機として我が愛機「謎の怪人号 第1号機」を貸し出そう。王猫あある・えすが補佐をするだろう。わが国の代表として武勲を挙げよ」
大神軍師に頷きかける。大神軍師はしずしずと前に出てみはえる騎士に、赤い布に乗った搭乗キーを渡した。ぴんと尻尾を上げたあある・えすがみはえる騎士の腕に乗ってごろにゃんとするのを見守る。そして、次の騎士に目を向けると微笑んだ。
「凍矢騎士、貴君の勇気に感謝する。搭乗機として「No.151流星号 第1号機」を使うが良い。そして、その補佐として…」
ちょっと言葉を切り、にやりと笑う。
「猫士ろにゃーをつけよう。わが国の代表として武勲を挙げよ」
大神軍師もにやにやと笑いながら、赤い布に乗った搭乗キーを手渡す。それを睨み付ける凍矢騎士。しかし、その頬はうっすらと上気している。
「よろしくお願いするでござるよ」
ウィンクしながら、猫士ろにゃーが凍矢騎士の肩に腕を回した。
「………!!!」 「?どうしたでござるか?」
そう、人のように見えても猫は猫。ごろごろにゃーとなついてくるのに凍矢騎士が固まるのを、全藩国民がくすくすと笑いながら見ていた。
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