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光太郎SS
日時: 2008/06/20 23:23
名前: 久堂尋軌 

光太郎用SS
メンテ

Page: 1 |

第2稿(追加版) ( No.1 )
日時: 2008/07/04 23:16:33
名前: 久堂尋軌 

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『今から会いたい人がいるので会ってきます。あとはよろしくね♪  由羅』

「なんじゃー!こりゃぁ!!」

王宮に大きな叫び声が響き渡り、ドタバタと周りの部署から詰めていた騎士が集まってきた。

「大きな声あげて…どうかしたんですか、摂政?」

イケメンの病院長が転藩して、暫定的に二代目病院長を継いでいるカヲリが藩王の執務室に顔を覗かせてきて中にいる人物に尋ねて
みた。

「や、やられた…これ見てくださいよ。」

そう言いながら両膝を床についてうなだれている久堂は、机の上に置かれていた紙をカヲリに突き出すように見せてみた。

「あら…もしかして…藩王様自ら脱走ですか?こんな時に…まぁ、大丈夫でしょう?多分、一人じゃないとは思いますし」

カヲリは紙を受け取りながらも、柔らかな笑みを浮かべつつ心配してなさそうにしてみせた。

「い、いや…まぁ…藩王さまの身については私も心配してないんですけどね。大臣が病院送りにされているから財務の管理が滞ってる
んですよ、みてください!!」

そう言いながら、藩王の執務机の上には未決済の紙の山がドンという表現が似合うくらいまでに積まれていた。

「……まぁ、大丈夫ですよ。人に会いに行っただけみたいですし…すぐに帰ってきますよ。」

その量に一瞬呆れながらも、信頼の証なのか朗らかな笑みで答えた。

「…だと良いんですけどねぇ…ウチの国はトラブル抱えるのが好きだからなぁ…」

そう呆れるような口調で言いながら、窓の外に映っている青い空を見上げて行方不明の藩王のことを考えた。

/*/

天を突かんとばかりに高いビルがいくつも建っている摩天楼の中を、フードを被った細身の人物がキョロキョロとビルを眺めるように歩いている。

「いやぁ…やっぱり凄いねぅ、ウチの国とは違った迫力があるねぅ…これなら観光目的で皆で来たらよかったかも…。」

摂政たちの目を盗んでやってきた摩天楼で、無理矢理お供で着いてきてもらった海堂・神崎両名とは逸れて数時間。
結城由羅は迷子になりながらも、新鮮な光景に目を輝かせていた。

「しかし、情報ではこの摩天楼にいるはずなんだけどなぁ…せっかく驚かそうと思ってロイには情報回さなかったのに。って…あれ?」

藩王とは思えない事を呟きつつも、更に物珍しそうに辺りを眺めていくとビルの隙間に黒い物体があることに気がついた。
もぞもぞと動いている物体が、小さくなっている人と気づくまでに数秒。更にそれが長い髪の少女と気づくと、世界忍者らしく瞬間的に少女の傍へと近づいて顔を覗き込むように聞いてみて。

「えっと…貴方、大丈夫…な訳ないか。とりあえず、どっか休めるところまで行く?」

「い、いえ…大丈夫…大丈夫ですから…。気になさらないでください…うっ。」

フードを被った由羅が顔を覗き込むと、長い髪の少女は青い顔をしながらも由羅の姿をチラッと見て明らかに苦しそうな声で答えていく。

「何言ってるの、そんな状態で気にしないなんてこと…人としてできるはずじゃない。えっと…あ、ちょっと待ってて」

そう言いながら由羅は自分のベルトに引っかかっているポーチの中から、小さな箱を取り出すと更に其処から黒い粒状の物体と水筒を少女へと見せると無理矢理手渡した。

「とりあえず国の薬なんだけど飲んでみて、鎮静効果とかあるはずだから…遠慮は無しで飲んで頂戴ね?薬が駄目なら飲まなくてもいいけど…」

少女は躊躇いがちにも無理矢理渡された薬を食い入るように見つめてから、一気に飲んで水を口に含んで飲み干してみせて。

「う…ん…に、苦い。はぁ…はぁ…すいません、身も知らない貴方に薬まで貰ってしまって…。でも、私と一緒にいると危険なんです。なので…もう…」

少女が飲み干したのを見つつ病院に連れて行こうかと考えている途中で、少女の危険という言葉に現実に引き戻されてしまい。

「ん…いや、危険だからって美少女を放っておくなんて王…いや、人としての義にそむくものなんだから気にしないで。これでも私、結構強いんだから…ね?」

そう言いつつフードを被った怪しい格好のままで、力強いポーズを決めてみた時に二人の前に怪しい影が二つ現れた。

「お…なんだ。一人じゃなくて二人に増えてやがる。こりゃぁ良い…一緒に連れて行こうぜ、兄貴」

「あ?まぁ、そんなに焦るなよ。まだ、試食もしてないんだからな…それが終わってからでもいいだろ?」
メンテ
SS(2) ( No.2 )
日時: 2008/07/04 23:17:39
名前: 久堂尋軌 

「あんた達…見たままの外道な人たちなのね。じゃぁ、遠慮はいらないかな…Just bring it!!(かかってきなさい)」

男たちのワザとらしい下衆な会話を耳にすると、少女と男たちの間に立ちふさがるようにして由羅は立ちはだかって指で挑発した時だった。

「ちょっとまったぁーーーー!!」

大きな叫び声と共に、通りから黒い塊が飛び込んでくると学生服を肌蹴させ、中にパーフェクトウェイのTシャツを着た少年が現れた。

「俺の名前は、玖珂光太郎。悪をぶっ飛ばす少年探偵!この街での悪は俺がぶっ潰す!」

いきなりテンション高い光太郎の登場で一瞬、その場の時は停止してしまう。その中で一番心がぶっ飛んだのは由羅であった。

「…あ…こ、光太郎だ…(でも青年じゃない…ソーニャさんの守備範囲だったらどうしよう…)」

「ん?俺のこと知ってるの?まぁ…いいや、今、こいつらぶっ飛ばすから。話はそれからね!」

構えながらフードを被った由羅にチラッと見ながら話すと、光太郎は悪漢どもに目を向けて瞬く間に突っ込んでいった。

/*/
メンテ
SS(3) ( No.3 )
日時: 2008/07/04 23:18:53
名前: 久堂尋軌 

数分後、景色は一変していた。悪漢どもは地面にキスをして気絶しており、突っ込んでった光太郎は特に気にするような様子もなく持っていたハンカチで手の汚れを拭いていた。

「とりあえず、こんなものかな…二人とも怪我とかはしてない?最近はここら辺も馬鹿が多くてさ…」

そう言いながら二人の方に振り向くと、幾許か子供っぽい面影を見せながら笑ってみせた。

「助けてくれてありがとうございます。私もそれなりに自信があったものですが、光太郎さんの強さを見せられると流石に『井の中の蛙、大海を知らず』という言葉を思い知らされました。この子も守らなきゃいけませんでしたし…」

そう言いながら由羅は青い顔をしていた少女が薬の効能だろうか徐々に普通の顔色への変わっていていくのを確認すると、一言ゴメンと言って首筋に手刀を打ち込んだ。

「え?ぁ…」

少女が由羅の腕の中で気絶してもたれ掛かると、ゆっくりと少女を寝かしてフードを外し光太郎に向き直った。

「玖珂光太郎さまでございますね。私は世界忍者国にて藩王をやらさせております結城由羅と申します。本日は貴方様をお迎えに参りました。是非、わが国へと来て頂きたいのですが・・・」

光太郎は由羅のフードを外した姿をみると、一瞬迷いながらも言葉を選ぶように

「えっと…俺は悪をぶっとばすことに生きがいもってるけど、さすがにアキバ系は…えっと、秋葉原だったら其処の駅で電車に乗って…」

「いや、猫耳ですけど違います!晋太郎さんの結婚式の時にいた人たちと同じって、ひゃぁっ!!」

光太郎の言葉を遮るようにツッコミを入れながら説明しようとした瞬間に、驚きの声をあげてしまった。由羅の足首を先ほど光太郎が倒したチンピラが掴んだのである。

「こ…この…てめらぁ…揺光会を舐めるんじゃねぇぞ…もう直ぐ仲間が…ぐへっ!!」

光太郎の一撃によって、地面を舐めながらも由羅の足首をもつと反対の手には何やら機械のスイッチを入れていた。しかし、チンピラの言葉もそこまでであった。

「アンタ…誰の足を掴んでるのよ!このどチンピラ!!水でも被って反省しなさいぃぃ!」

叫び声と共に由羅は掴まれていない脚を振り上げると、ボールは友達とは名ばかりの漫画のキャラクターのごとく雷獣が如きの蹴りをおみまいしたのだ。さすがに世界忍者の蹴りを浴びたチンピラは哀れにも再び壁に激突して地面に沈み、完全に伸びてしまった。

「ふぅ〜まったく…油断も隙もあったもんじゃない。しかし…揺光会って…どっかで聞いたようなぁ…ぼへ」

先ほどの蹴りのことなど、まるで無かった事のように振舞っている由羅に少々呆れながら光太郎は路地から出ようとしていて。

「とりあえず、こいつらの仲間が来るみたいだけど…由羅たんはどうする?俺は、悪をふっとばすつもりだけど?さすがに由羅たん一人で揺光会だっけ?相手にするのは無理じゃないか?」

「え…まぁ、私の他にも数人連れてきているので少しくらいの喧嘩でしたら…って、しかたない。摂政に聞いてみるか…ひろきしゃ〜ん。揺光会ってなんだっけ?」

メンテ
SS(4) ( No.4 )
日時: 2008/07/04 23:20:02
名前: 久堂尋軌 

光太郎の問いに答えながらも、まるで独り言のように呟くと目を閉じて呟くように瞑想通信のチャンネルを開いた。

『ん…あ、陛下何処にいるんですか今!みんな大騒ぎなんですよ!!いくら会いたいからって自身でいくことないでしょう!何のための私たちなんですか!!』

『いや、まぁ…それは謝るけど。とりあえず光太郎さんと逢った上で本題。揺光会ってなんかの資料にあったと思ったんだけど覚えてない?』

『…揺光会ですか…えっと…確か、バレンタインの時のセプの企業リストの中にあったと思いますよ。まぁ、用は表向きな行動をするヤク●みたいなものだと思いましたが…って、光太郎さんと会ってるんですか!!ちょッ!』

『あ、そうだったそうだった…ありがとう。さすが表より裏の方が詳しい摂政だにゃ〜。それじゃ連れて帰るから、では〜』

摂政のお説教にもなるような瞑想通信を一方的に切ると、ある程度の説明を光太郎にも説明してみた。すると光太郎はニヤリと悪ガキのような笑みを見せてみて

「へぇ…なんか凄いやつらみたいじゃん。ちょうどいい、アレの出番もありそうだから呼んでおくか。ありがとう、とりあえず後は俺がやっておくから」

そう呟くようにして自分の腕時計についているスイッチを入れてみて、由羅に笑ってみせると大通りの方から大きな声で驚くような別の声が上がった。由羅の猫耳がピクッと動くと、その声の主が自分のことを探している二人ということに気がついた。

「「え、えぇぇぇーーーーーーー!!なんでぇーーー!」」

その声に呼ばれるように大通りに出ると由羅には信じられないものを見た顔になった。もちろん、その場にいた誰もが予想できなかったであろう。読んだ本人である光太郎以外は。

「あ…RB?それも見たことが無い…私たちが知らないRBだなんて…」
メンテ
SS(5) ( No.5 )
日時: 2008/07/04 23:40:55
名前: 久堂尋軌 


そこにはRBに詳しいはずの由羅やお供で来ていた神崎にも名前がわからないRBが天空より降り立っていた。
摩天楼を形成するビル群の窓が、その光太郎のRBを写しだしてRBの全身像を映し出そうとしていく。
そのRBの手からコックピットへと入ろうとしている光太郎に由羅は大きな声で問いかけた。

「光太郎さん!こ、このRBはなんなんですか!!それと、うちの国には来てくれるんですか!」

光太郎は乗り込もうとするのとピタリと止めて振り向くと由羅に負けないような大きな声で宣言した。

「おもしろそうだからお世話になるよ!ただし!!3時間ばかりまっててくれ!こいつ使ってこの辺を平和にしてくるからさ!ちなみにこいつの名前は・・・・・・・・・だから!!あと、さっきの少女は保護しておいてくれな!」

RBが起動モードに入ったためか、大きな音で肝心なRBの名前が聞こえないのなどお構いなしに光太郎はRBに乗り込んで上空へと登って行ってしまった。

「ここで待っていますから…ちゃんと帰ってきてくださいね。あの人の為にも…」

そう光太郎のことを見送りながら由羅は呟き、再びフードを被って腰を抜かしていた二人の前にくるとほらほらと立ち上がらせて先ほど気絶させた少女を迎えに路地裏へと戻っていったのだった。

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メンテ

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