偵察SS:結城由羅のケース ( No.2 ) |
- 日時: 2007/04/11 04:09
- 名前: 結城由羅@世界忍者国
- 「機器オールグリーン」
「センサーチェック、感度良好」 「感覚接合、開始します」 「ラジャー」
暗いコックピットの中マイクとヘッドフォンを通してパイロットとのやりとりが行われる。視覚を始めとする感覚器の神経端末を機械へ繋ぎこみジャックインする。眩暈と没入感。人と機械が一体化する瞬間。
結城由羅はうすく笑った。今回の任務では感覚を担当するためにやってきた。使用アイドレスは森国人+猫士+忍者+世界忍者、感覚強化型のうえにさらに天領での食事で感覚を引き上げてある。
(腹からイカナが溢れそうだがな)
食事の内容を思い出して、ちょっと顔をしかめる。
(ペイロペイロとか言い出したりしてな)
遠いどこかの世界で会ったことのある、何でも取り込む宇宙人を思い出して、肩をすくめた。しゃれになってない。
そんな泡のように浮かんだくだらない思考を振り捨て、強化された感覚をさらに機械に乗せる。ここは戦場、油断すれば仲間の命も危ない。
広げた知覚に何かが触れた。かすかな赤い感触。さっそくか。
「前方2時の方向に熱源反応」
由羅の唇から淡々とした報告がつげられる。指が無意識にパネルを走り、対象へのズームアップを図る。敵か味方か。
偵察はまた、はじまったばかりなのだった。
|
Re: 広島偵察ss@偵察 作戦前 ( No.3 ) |
- 日時: 2007/04/12 16:14
- 名前: 龍鍋 ユウ@鍋の国
- 作戦行動前
「偵察なんてやったことないです」 そんな人もいれば……。 「前に国で偵察ブームがあったんでそれを参考にしましょう」 「あ、確か忍者の人がいるんで、教えてもらいましょう」
今回の作戦は食事、またはTVで同じ卓だったということで編成されていたので、偵察に関して詳しくない人間も多かった。
ただ、広島が心配……なのか、とあるキャラが心配、または根源力を稼ぐ為に出撃しているのかはさだかではないが、今までの戦争により、大抵の人間は戦争に参加しており、今回の作戦の重要性を認識しているもの。また、広島にいるであろう人への思いなど各員は心ざしはさまざまでも今回への作戦への準備に追われていた。
|
広島偵察ss@夜間行軍 ( No.4 ) |
- 日時: 2007/04/12 18:44
- 名前: アルバート・ヴィンセント・ログマン@紅葉
- 「ポイントA−3右90度」
「ポイントA−3右90度、了解」
夜間。なるべく物音を立てないように行軍する広島偵察ご一行。 頼りは暗視ゴーグル、ではなく、聴覚である。 赤外線または乏しい光を増幅して暗闇での視認を可能とする暗視ゴーグル。しかし暗闇でも見えるとはいえ昼間のような視認性はとても望めない。 夜間たよりになるのは聴覚である。 広島偵察ご一行は、他の者が立てる足音以外の不振な物音がないか、耳をそばだてつつ慎重に歩いていた。
また、レシーバーから聞こえる先導者の進路指示は、常に45度か90度。これは夜間に道に迷った場合でも合流を容易にするための工夫であった。 常に針路変更が45度もしくは90度であれば、道筋の把握は容易である。
「ポイントA−4まで100m前進」 「ポイントA−4まで100m前進、了解」
しかし耳学問をぶっつけ本番で試しただけの方法であり、その有効性にはやや疑問が持たれた。しかし、参加者は偵察経験のほとんどない吏族ばかりである。藁にもすがる思いで真面目に新しい試みを試していた。
「きゃ!」
不意に誰かの悲鳴があがる。
「ど、どうした?」 「いえ、すいません。小動物に驚きました。おそらくあれは、リスかな?」 「なんだ、そうか。では行軍をつづけ――」 「まさかネコリス?」 「まさか! でも……」 「確認だ。確認を!」 「2から3は左45度でしたっけ? 右でしたっけ?」 「ネコリスかわいいよネコリス」 「こ、こらみんな落ち着け!」 「探せ!探すんだ!」
混乱する広島偵察ご一行。いわば付け焼刃の偵察部隊であり無理も無かった。 しかし、次ぎの呟きが部隊を救う。
「青、芝村、金城……」
ただのこれだけで、皆は本来の落ち着きを取り戻した。
「行軍列再編。各自前後者を確認」 「各員列に戻りました。落伍者無し。行軍再開可能です」 「では夜間行軍を再開する。各員、気持ちを分かるが落ち着くように」
広島偵察ご一行は、道中やや混乱があったものの、それを教訓として気持ちを新たに夜間行軍を行うのであった。
|
Re: 広島偵察ss@偵察 ( No.5 ) |
- 日時: 2007/04/13 09:55
- 名前: 経@詩歌藩国
- 【18020 寅山 日時期 感覚】
寅山 日時期は短く蓄えたひげをさぐりながら、空気がうまいなぁと呟いた。 ここは広島・・・・の奥地。自然豊かなところである。踏みしめた大地が軟らかく、あまりなじみのない感覚であった。
といっても、彼の出身が工業国で街中スモッグだらけ、コンクリートに覆われているということはまったくない。 むしろ自然豊かで美しい国だ。
ただ、かの藩国は気候が厳しく冬が長い。山々は一年を通して雪で彩られており、蒼く澄んだ湖のほとりと手入れが行き届いた果樹園、あとは人気のない神殿周辺ぐらいにしか植物はない。 それでここまで見事な緑をみるのは久しぶりだった。
だからといって今回の偵察任務の支障が出るかというと、そうでもない。 普段見慣れていないからこそ、新鮮な驚きをもち、違和感を一つ一つ潰していく。 ここまで歩いてきて動物用の罠や、知能を持つ何者かに使ったと思われるトラップの形跡を発見している。いずれもまだ新しい。 のどかな観光地ではないことを寅山は確信した。 そういえばここには以前、バトルメード隊が送られたのではなかったか。
この地におとずれる新しい危機を見逃すまいと、神経を研ぎ澄ませた。 寅山の耳に鳥とも獣ともつかない鳴き声がきこえた。
|
Re: 広島偵察ss@偵察 ( No.6 ) |
- 日時: 2007/04/13 19:13
- 名前: ハロルド・ロット@ながみ藩国
- 「英吏・・・英吏・・・」
「金城・・・金城・・・」 「火焔・・・火焔・・・」 「・・・そちらはどうだ?何かあったか?」
この名前を呼び続ける一団はストーカーご一行ではない。己の好きな人の名前を呼んで緊張を紛らわせ、集中しているのである。
「いや、未だ敵影、その他の反応無し。偵察続行!」 「タッキー・・・タッキー・・・」 「萌りん・・・萌りん・・・」
・・・やはり、事情を知らない人が見たらアブナイ集団のように見えると思う。 しかし、その人への愛が高じてこんなところに来ているのだ。愛のためなら彼らは何でもやる。偵察でも戦闘でも。
「・・・あのさ、ちゃんと偵察と索敵やってる?」 無線からずっと人の名前を呼ぶ声を聞き続けると、ちゃんとやってるのか心配になる。心配になったひとりが聞いてしまった。 「・・・・・・失礼だな!やるべきことぐらいわかってるって!!」 「おいこら、最初の間は何だ?」 「気にするな。こっちは今のところ何も無い。」 「・・・本当にちゃんとやってるんだろうな?」 「くどい。問題はない。」 「・・・ならいいよ。通信終わり。」 「了解。偵察再開。」
「・・・もう文句いわれるのもいやだしなぁ。みんな、もっと集中して索敵してくれ。」 「「了解!」」
偵察兵たちは神経を更にとがらせはじめた。愛が彼らを支える。愛が彼らの神経を砥いでいく。全ては愛の力。わざわざ広島まで行くほどの愛。無敵の愛だ。 「よし、行くぞ。」 「「おう!」」
偵察を始めてまだ時間はさほどたっていない。 まだまだ作戦は続いていく・・・
|
Re: 広島偵察ss@偵察 ( No.7 ) |
- 日時: 2007/04/13 22:29
- 名前: 鍋村 藤崎@鍋の国
- 「まさか吏族の自分にこんな任務が来るとはね」
茂みに身を隠し双眼鏡であちこち監視しながら九重が言う。 「偵察なんてやったことないよ〜」と言いながらわたどりも熱心に双眼鏡を覗いている。 「いつも後方支援で戦力計算ばかりですのにね」 そう言いながら阪明日見は長い髪に木の葉が絡まるのを気にしている。 「あと燃料計算とか」 左木は自分の発言にちょっと苦笑いを浮かべ、阪明日見の髪から木の葉を取るのを手伝う。 山間は木々を利用すれば隠れ場所には困らないので身を潜めるにはもってこいだ。それを思えば木の葉くらいなんて事はない。
吏族として別の修羅場は幾つもくぐって来たが、吏族は吏族。偵察に出る経験などしてない者ばかりだった。自分がこんな最前線にいることが不思議でどきどきして、ちょっと怖くて。 「でもこのチームには藩王さまもいらっしゃるし」 世界忍者国と聯合を結んでいる紅葉国の九夜が自国の王を心配するかのように言う。 「それに摂政も結構いますよね」 幻痛が参加メンバーを指折り数えながら小さくつぶやく。 二人は顔を合わせると力強くうなづく。 その後ろで2級モノたちが腹ばいになりながら額を寄せ合ってノンキな口調で恐ろしい事をささやき合っている。 「ここでふっ飛ぶと、吏族会議もふっ飛びますかね」 「有級者も増えたし大丈夫ですよきっと」 「きっと栄達で新たな2級が!」 「試験もあるし」 『ですよね〜〜』 「え〜と、一応ツッコんだ方がいいですか?」 む〜む〜が右耳につけた鈴に軽く触れ、音が鳴らない事を確認しつつクールに言い放つ。 彼女はビンゴで冒険の権利を見事引き当てた、いわばこの広島行の全責任者だ。 「ダイジョーブ。チルやらアラダやらの偵察はやったことないが、別の標的(と書いて女子と読む)の偵察なら百戦錬・・・ゴガッ」 最後まで言わせずむ〜む〜は、素早い動きで一人の男を黙らせる。 「作戦成功の為、大人しくしててくださいね」 ニコリと口の端をあげて微笑んでいたがその目は笑っていなかった・・・
戦闘は不慣れでも、別の修羅場を幾つもくぐってきた吏族たちは、初めての偵察任務に不安を抱えつつも真面目に、余計な力を抜いて?いつものように全力で任務に当たっていた。
「相手が書類でもチルでもそれとも別の何かでも、やることをやるだけで」 「そうですね」 「ええ。頑張りましょう」 「有益な情報を持ち帰りたいですね」 「みんな、我々が無事に帰って来るのを待ってくれてますしね」
「帰ったら早々、また吏族作業があったりして・・・」 誰とはなしにつぶやいた一言に、全員見事に揃って、うへぇという顔をした。
「それも、帰ってからの話だ」
※参加者のお名前とキャラを使わせて頂きました。参加者全員の国民紹介に合わせて配役しましたが、PCイメージと違ってたらすみません。書いてて楽しかったです。
|
Re: 広島偵察ss@偵察 ( No.8 ) |
- 日時: 2007/04/14 17:50
- 名前: 寅山 日時期@詩歌藩国
- 耳を澄ます。
鳥たちのさえずりと、僅かな足音、 この森にすむ、獣たちが立てた音だろうか。
兵たちが感覚を研ぎ澄まし周囲を見回している。 僅かな変化も、少しも兆候も見逃さない、そんな表情で。
いつ敵と戦闘に入っても良い様に、持っている銃器は下ろさずに、仲間と二人背中合わせのツーマンセルで各個偵察をする。
その時、今までは違う足音が、兵たちの耳に聞こえてきた……。
|
Re: 広島偵察ss@偵察 ( No.9 ) |
- 日時: 2007/04/14 19:48
- 名前: 榊遊@え〜藩国
- 『しっぽ〜しっぽ〜しっぽ〜アンテナ♪』
電波な歌を口ずさみながら榊遊(20歳)は周囲を偵察、ソレと平行して携帯端末に情報を入力して 滝川防衛戦に出た者から提供してもらった地形データを更新して行く。 流石に情報処理は得意分野である。
『しっぽ〜アンテナ♪ラ〜ブリ〜ニンジャ♪』
歌の終わりと同時にデータ入力終了したのか端末をしまう。
「え〜・・・色々ツッコミたいところはあるんですが・・・ 偵察中ですし取り敢えずこれだけ・・・犬の貴女が何故その歌を?」
歌が終わったのを見計らって思い切って猫の吏族が尋ねる。
「あ、それはですね。以前猫の藩国のチェックを行なった時にたまたま耳にしまして、 ずっと気になっていたものですから今回、世界忍者国の藩王様と同席させて頂いたので お願いして譲って頂いたんですの。 とっても素敵な歌ですわ(微笑)」
そう答えると再び偵察を再開する。
しかし・・・
『・・・萌様にお耳としっぽが付いてたらとても愛らしいですわね。 ハッ、でも萌様は猫好きですから付けるとしたら猫耳ですわ。 あぁ、犬の私はどうすれば・・・』
等と独り言を洩らしている。 まぁ、動きを見る限りは偵察もしっかりしている様だが・・・。
「まぁ、良いか・・・」
声を掛けてしまった事を少し後悔しつつ彼も偵察を再開するのだった。
*****************
犬だけど『しっぽアンテナ』が歌いたくて書いた! 反省はしていない! (使い道なければ破棄って下さい(笑) )
|
Re: 広島偵察ss@偵察 ( No.10 ) |
- 日時: 2007/04/14 20:40
- 名前: 周船寺竜郎@FEG
- /*/
「ふぅ。」 先ほど搭乗確認の時にハッチを開いたからか、コックピット内にかすかに残った野山特有の緑の匂いが鼻を突く。
いつか見た広島の山々に彼らはたどり着いた。
/*/ 緑に囲まれえた広島の地で木の葉にまみれたような色のI=Dが佇んでいる。数名の歩兵が先行しているようだ。I=Dは歩兵の仕草同様に、カメラのある頭部をゆっくり左右に振っていた。
木漏れ日に照らされたI=Dの装甲は通常の金属光と違い、調光塗料を使用しており木の葉の輝きにすら程遠い薄く鈍い光を写す。
周囲の確認し、中継機に偵察報告。一面を囲む木々を倒さぬよう慎重に掻い潜りながら、先行する歩兵とともにI=Dが野道を進む。 そして、先ほどの偵察限界に立ち止まり、再び首を振り、偵察を開始する。
/*/ 恐らく偵察に向かったものの大半が緑の章で見覚えがある山村付近へと続く。 ここまで来れば、広島組の様子の一端を知ることが出来るだろう。 そして同時に根源種族に目的があるとすれば、それは「彼ら」だろうという周知。 最悪の場合はすでに廃墟と化しているかもしれない・・・。 湧き上がる不安を押さえつけながら、黙々と進み続ける。
いや、そのために我らはここにいる。広島で戦う未だ見ぬ友のために。
/*/ 幾度目の移動か、歩兵の覗くレンズが何かを映す。 「ん・・・?」 画像をズームし、映し出されたそれから目線を外さず、おそるおそる無線のスイッチを入れる。
「───目標、発見しました。」
|
Re: 広島偵察ss@偵察 ( No.11 ) |
- 日時: 2007/04/14 20:45
- 名前: ゆうみ@るしにゃん王国
- http 「こちらにFEGの方と鍋の国の方はいらっしゃいますかー?」
「あ、はい、ここに!」 「私、鍋です!」 「るしにゃん王国からお届けものです。」 「え?」 「なんだろう?」 二人が箱を開けてみると、付箋が貼られた本が何冊かと、竹製の望遠鏡がいくつか。 星見バカの国るしにゃん王国から、聯合を組んでいる2ヶ国に贈られたのだ。 そして手紙が一通。 「王が病床に倒れており、代筆であることをお許しください。 私達は広島にいくことは叶いませんが、少しでもお役に立てればと思っています。 望遠鏡は当国の風を追う者が持つ、高性能のものです。 是非お使いください。 本には役に立ちそうな部分に付箋を貼っておきましたのでご確認ください。 何卒、ご無事で。 るしにゃん王国藩王代理 幽」
確かにこの望遠鏡はすばらしい。遠くまではっきりと見える。
「あれは・・・もしかしてあのとき読んだ本に書いてあった・・・あれか?」
|