Re: 広島偵察ss@隠蔽 ( No.1 ) |
- 日時: 2007/04/11 20:55
- 名前: 兄猫
- >【隠蔽(幸運)】
『え〜っと、広島って森が多いんだよね?』 『じゃぁ、迷彩服とか必要じゃね?じゃね?』 偵察作戦決行前に交わされた会話。
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偵察作戦…情報を仕入れるためにここ広島にやって来た。 もちろん、生きて情報をもって帰らないと意味がない。 少しでも生存能力をあげる為、準備はしっかりした。 木々にカムフラージュできる迷彩柄の衣服。 借り受けたI=Dゴールデン・プリンセスガード仕様にも迷彩塗装が施されている。 宰相が見たら怒るかも知れないが、まぁ、背に腹は変えられない。 木々を盾に、草むらに藪にワザと入り、移動を続ける。 少数の、また本来後衛部隊である吏族が行う偵察である。 見つかるわけにはいかない。 慎重に、慎重に。生きて情報をもって帰るために。
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広島偵察ss@隠蔽 ( No.2 ) |
- 日時: 2007/04/12 18:40
- 名前: アルバート・ヴィンセント・ログマン@紅葉
- 広島偵察に集った参加者は、そのすべてが吏族である。
本来はデスクワークが主な仕事であり、戦闘事務のための従軍経験は有っても、前線に出て戦闘を行った経験者は少なかった。
偵察といってもどうすればいいのかさっぱりわからない。「偵察といえばナニワ」のナニワアームズ商藩国の参加も今回はなく(バーミーズ供与の申し出はあったが、今回は残念ながら間に合わなかった)、経験と知識と、そしておそらく体力も不足していた。
しかしそれも出発前までである。
吏族である参加者はそれぞれ持ち前の勤勉さを発揮し、自らの出来る事を開始した。
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「”まずは形から!”は当家の家訓」と言って準備を開始したのは、紅葉国吏族(当時。現在は文族)のアルバート・ヴィンセント・ログマンである。
参加当初こそビンゴ大会商品の旅行権ということで観光気分だった彼だが、周りの様子から今や背後に死の気配すら感じるに至り、慌てて準備を開始した。
経験と体力はこの期に及んでどうしようもない。しかし、知識と形はまだ間に合う。そして経験者に教えを請えばより有効にちがいない。 そう信じて自国の戦術教官に講義を受けるログマン。 「直線をぼかし、服装や肌の色を周囲の環境に合わせ、光を避けて物陰に潜み、装備が金属音や物音を立てないようにしなければいけない」と知る。
「ふむふむ、相手に人型であると認識させないことも重要なのですな」
人は、人型の認識能力が高い。そこで枝葉等で体の輪郭を隠せば視認性が低下する。 相手が人以外のものであった場合は有効性が疑わしかったが、しかしログマンは気にしないことにした。時間がない。使えそうなものは何でも使うのである。 ログマンは迷彩服の調達を決め、技族に発注を行った。
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広島の地には、迷彩服に身を固めた怪しい集団があった。
「ははは、もはや誰が誰だかわかりませんな」
といったのは、草木のお化けといった風体のログマンである。 かろうじて外にのぞく低反射マット仕様のメガネだけが、そのお化けが彼であるということを示していた。
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Re: 広島偵察ss@隠蔽 ( No.3 ) |
- 日時: 2007/04/14 03:06
- 名前: 鍋村 藤崎@鍋の国
- 「全員隠れて!!」
唐突に指示が飛んだ。 慌ててカモフラージュ用の布を広げる。 この布、一人用にしては大きめに作られていて、2〜3名ならなんとか一度に隠れることが出来た。 出遅れた数名が慌てて隠れようとするのを見かね、 「早く!こっちに一緒に入って」 「こっちに来い、急げ!」 とあちこちから声がかかる。 手近な仲間の所に飛び込み、服の先やしっぽが外に出ないように必死に押さえ込む。 じっと、静かに静かに。息をも潜めて危機が去るのを待つ。 「私、ちゃんと隠れてる?見えてないよね」 「3人だとちょっと狭いから動かない方がいいですよ」 不安げに小声で話す女性たちに紛れて男子が一人。 少々、いやかなり居心地が悪く(いや本当は嬉しいんだけれど)感じながら、なるべく端っこの方にいようと精一杯の努力をしていた。
これもある意味幸運なのかもしれない。
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Re: 広島偵察ss@隠蔽 ( No.4 ) |
- 日時: 2007/04/14 17:57
- 名前: 寅山 日時期@詩歌藩国
- 兵たちは息を潜めていた。
敵から姿を隠蔽するために。
広島という森が多いこの地方にあわせ、 各員森林用の迷彩は装備していた。 そして、木々の中に身を溶かす。
僅かな鼓動でも敵に感ずかれる気がした。 ある者は呼吸を整え、 ある者は神に祈り、 また別の者は自分に言い聞かせていた、見つかるはずが無い、と。
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広島偵察ss@隠蔽 ( No.5 ) |
- 日時: 2007/04/14 19:00
- 名前: 龍鍋 ユウ@鍋の国
- 隠蔽……それはずっとガマンの子になることである。どんなに気になっても敵に気付かれないように気付かれないように……とお祈りするような気持ちでその時間を過ごす。それは何もしてはいけない。できることなら息もしないで身動きもしない。何もしないという行動である。息をしなければ生きていけないので息はするとしてもできるだけひそかに息をする。この時ばかりはワンワンかけまわりたいワンワンも飽き性なネコもじっとがまんする。それは次の行動のために、また勝利のための行動である。
じっと我慢の子である。その時、皆の考えは共通である。つまり……見つかりませんように……。
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Re: 広島偵察ss@隠蔽 ( No.6 ) |
- 日時: 2007/04/14 20:47
- 名前: 雑賀有@ゴロネコ藩国
- 隠蔽の指示が届く。
つまりは皆様お隠れなさいと言う事ですね。 周囲は右を見ても左を見ても、前を向いても後ろを向いても木、木、木。 まさに文句無く森の中。 言うなればここは森に飲まれている我が故郷も同じ。 勝機は我に有りと言うものですね。
ふ。 ふふふ。 にゃーっはっはっはっは。
と、胸を張って眼鏡をキラリと光らせながら心の中で三段笑いをかましていたら早く隠れろと窘められてしまいました。
御尤も。
さて、敵さんをやり過ごせます様に…。
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広島偵察ss@隠蔽 ( No.7 ) |
- 日時: 2007/04/14 20:54
- 名前: 鍋山雨花子@鍋の国
- 広島という土地はACEと呼ばれる人物たちの情報の提供を受けた上でなお、にゃんにゃん共和国わんわん帝国ともどもいまだ知られざる部分が多い地である。
だが実際にそこに降り立ってみるとちらほらと既視感を感じる者もおり、少しは知っているかもしれないと安心したようで、予想以上に部隊は落ち着いていた。
彼らの今回の任務は地形情報の収集をはじめとして、敵性存在の有無やその現状把握の確認など多岐にわたる。 それらの任務を遂行するにあたり、大前提が存在する。
敵の目を可能な限り避けること。 戦闘を可能な限り避けること。
もし敵性存在を見つけた場合に、確認だけしたら見つからないで戻ってくる。 もちろん交戦は避ける。 それが今回の作戦の目標であり、無事に帰ることもまた任務でもあるのだ。 この部隊には避けることに関しては随一の国からの参加者もおり、広島に移動する前にはあちこちから「避けるぞー!」「おー!」などと気合を入れている様子も見られた。 I=Dに乗る者は起動チェックを、医師たちは動きやすいよう荷物の最終チェックをし、整備の技能を持っている者はI=Dの動作音のチェックをしたり、手が空いていればいつでも動けるよう準備体操を行ったりしている。
落ち着きつつも、気合は十分。 彼らは互いに森に合わせた緑色に迷彩を施し、森の緑に溶け込むかのように行動を開始した。
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