新・世界忍者国 作業掲示板
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  •   [No.112] [固定URL] 大神さんとのやりとり(2) 投稿者:結城由羅@はんおー  投稿日:2008/08/19(Tue) 03:55:04  

    大神 の発言:
    よーするにー
    大神 の発言:
    あまりの出番のなさにふてくされ軍隊ー
    十五夜 の発言:
    そだねぇ<あまりの出番のなさ
    十五夜 の発言:
    なんかいい仕事考えてあげてー
    大神 の発言:
    自衛隊と一緒でいいんじゃー
    大神 の発言:
    自衛隊も出番なし軍隊ー
    十五夜 の発言:
    運動会とかやる予定なんだけどその設営とかに借り出していいんかいな
    十五夜 の発言:
    まー災害救助活動とかに再編しようとは思ってたんだけどねぇ
    十五夜 の発言:
    あんま知識がないからねぇ
    十五夜 の発言:
    しんどい
    大神 の発言:
    みゃー
    大神 の発言:
    祭りとか
    大神 の発言:
    ゴミ拾いとか
    十五夜 の発言:
    うん
    大神 の発言:
    国際派遣とか
    十五夜 の発言:
    うい
    大神 の発言:
    国際派遣は治安維持とか停戦監視とか
    十五夜 の発言:
    ういうい
    十五夜 の発言:
    今だとクーリンガンかなぁ
    大神 の発言:
    道路舗装とか、農業支援とか
    十五夜 の発言:
    暗躍中らしい
    大神 の発言:
    普通に警備とか
    十五夜 の発言:
    色々やってるんじゃねぇ
    十五夜 の発言:
    そのへん施策としてまとめて、函ゲームとかかなぁ
    十五夜 の発言:
    まあ、傭兵国家設定をうまく生かしてあげないとそら不満も溜まるわなぁ
    大神 の発言:
    にゃー
    十五夜 の発言:
    にゃー
    大神 の発言:
    ためにためたじぇー
    十五夜 の発言:
    ためんなー


      [No.111] [固定URL] 大神さんとのやりとり 投稿者:結城由羅@はんおー  投稿日:2008/08/19(Tue) 03:45:21  

    大神 の発言:
    んあー
    十五夜 の発言:
    あー?
    大神 の発言:
    人狼国民がはっちゃけてるー
    十五夜 の発言:
    ああ、そだねぇ
    大神 の発言:
    まいっか
    十五夜 の発言:
    www
    大神 の発言:
    なんかやるー?
    十五夜 の発言:
    濃紺さんが対策考えるとは言ってたー
    十五夜 の発言:
    けどその書置きだけ置いてどこかに
    大神 の発言:
    にゃー
    十五夜 の発言:
    まー長期政策修正版とか出そうとは思ってるにゃー
    大神 の発言:
    濃紺で軍人の民心把握はきつかろー
    十五夜 の発言:
    君はこないだのEV127で成果出してるからそのへん利用するといいかもねぇ
    十五夜 の発言:
    いざというときは役に立つ世界忍者国人狼領地、みたいな感じで
    十五夜 の発言:
    われわれがいなければ全滅の憂き目だったのだーみたいな
    大神 の発言:
    んーとねー
    十五夜 の発言:
    うん
    大神 の発言:
    設定国民だからねー
    十五夜 の発言:
    うん
    大神 の発言:
    設定国民の戦争参加の機会ないとつらいねー
    十五夜 の発言:
    そういうのないもんねぇ
    十五夜 の発言:
    イベントには
    大神 の発言:
    能書きにはもう飽きたー、みたいなー
    大神 の発言:
    この前のはだって、自分単機だもんー
    十五夜 の発言:
    そうは言われてもなぁ
    十五夜 の発言:
    だってエントリーできるのPCと猫士だけだもん そもそも
    十五夜 の発言:
    システム的にどうもできんー
    十五夜 の発言:
    傭兵派遣でもやる?
    大神 の発言:
    イベントじゃなくてもいいよー
    十五夜 の発言:
    白馬がやってたっぽいけど
    大神 の発言:
    生活ゲームで作戦振ればいいんだよー
    十五夜 の発言:
    戦う相手はー?
    十五夜 の発言:
    洞窟とかのモンスター狩りとかかしら
    大神 の発言:
    んー
    十五夜 の発言:
    国境警備?
    大神 の発言:
    長期派遣ならいいからー
    大神 の発言:
    監視でもいいし
    大神 の発言:
    前なら難民支援とか
    十五夜 の発言:
    どこへ?<長期派遣
    大神 の発言:
    今ならなんだろー
    大神 の発言:
    聨合国派遣とか?
    十五夜 の発言:
    北海島がきな臭いらしい
    大神 の発言:
    他の国と協調したら出しやすいー
    十五夜 の発言:
    今聯合はしてないけどねぇ
    大神 の発言:
    他の国で治安維持とか警備ほしいとこに派遣すればー
    大神 の発言:
    他の国の治安もうちの治安も一石二鳥ー
    十五夜 の発言:
    アイドレスのルール的に可能かどうかじゃねー
    大神 の発言:
    可能だろー
    十五夜 の発言:
    聞いてみないとー
    大神 の発言:
    設定国民が勝手に動くからー
    大神 の発言:
    ワールドシュミレータでカバーしてるっしょ
    十五夜 の発言:
    後は相手があるから勝手に派遣するわけにもいかんじゃろうしねぇ
    十五夜 の発言:
    事前に打診が必要
    大神 の発言:
    そこはそれー
    大神 の発言:
    摂政ガンバー
    十五夜 の発言:
    www


      [No.110] [固定URL] 治安回復 投稿者:結城由羅@はんおー  投稿日:2008/08/19(Tue) 03:44:39  

    http://blog.tendice.jp/200808/article_26.html

    10-00207-01:結城由羅:-5:8/12
    #手持ちがないので藩国マイルからの支払いでお願いします

    合併(立国)後の設定国民の様子をお教えください。

    ”人狼領地の民の乱暴狼藉がひどく、激しい内戦が勃発しそうな勢いだ。さらに罰金の観測で国が支出をとめている関係で治安関係が麻痺している。”
    ”風野とペンギンが治安面のサポートをしているが、どうなるかは判らない。”


      [No.109] [固定URL] ありがとー 投稿者:結城由羅@はんおー  投稿日:2008/08/19(Tue) 03:43:08  

    > しばらく何もできなくてすみません。
    > 復帰ついでに掲示板に名前をかりてスレッドたてておきました。

    メッセでも言ったけどありがとー
    助かりましたー

    > あと他にやることあったらメッセ飛ばすなりTODOに載せて下さい。
    > ではー

    らじゃー


      [No.108] [固定URL] 新・書き下ろしSS(6)・エンディング 投稿者:結城由羅@はんおー  投稿日:2008/08/19(Tue) 03:40:09  

     ともあれ、観光地すべてのロイ像はめぐった。どこでどう願うのかわからないけど、願いを聞くのが神様なら、神殿がいいかもしれない。観光地にある一番大きな神殿−−教会みたいな建物だったが−−へ行くと、玄関先で掃き掃除をしていた神官が軽く会釈をした。会釈を返し中へ入ると、ミサ用のベンチが並んでおり、ちらほらと礼拝客がいた。

     前の方へ行き、膝をついて祈る。

    (ソーニャさんの元へエミリオが早く帰ってきますように)

     強く強く、集めたスタンプラリーのカードを握り締めて祈る。神が聞き届けたかどうかはわからなかったが、今できることはこれくらいしかないから、とただひたすら祈った。

     外が暗くなる頃、神官がやってきて肩をそっと叩いた。大丈夫ですか?と優しい笑顔でお茶を差し出す。それをありがたく戴くとちょっと涙がこぼれた。きっと願い事は叶いますよ、と神官は微笑んだ。はい、とエドは頷くしかなかった。

    /*/

    「心配をかけてごめんなさいねう」

     エドが王宮に帰ってみると、ソーニャが照れ笑いをして待っていた。エドがソーニャのためにスタンプ集めをしていたという噂がどこからともなく伝わり、心を打たれたソーニャががんばって出てきたのであった。

    「ソーニャさん!」

     感極まって抱きつくエドと、それをうんうんと抱きしめるソーニャ。それを見る周囲は皆感動の涙を流していた。

    「いつまでも落ち込んでいても仕方ないのねう。頑張ってエミリオを連れ戻しに行くのねう」

    「はい!」

     神がいるかどうかはわからないが、人の努力を他の人は見ているものだ。ただの人の努力こそが結局一番大事なのかもしれなかった…。


    Fin.


      [No.107] [固定URL] Re: 新・書き下ろしSS(5)・もうちょっとで終わり 投稿者:結城由羅@はんおー  投稿日:2008/08/19(Tue) 02:32:20  

     その後の探索はしかし、力が抜けるほどあっけなかった。何度か迷ったので時間はかかったが、残り3つのロイ像を見つけ出すことが出来た。

     ただ、不思議なことに、真新しい血痕や戦闘の痕がところどころにあった。また、まれにそう遠くないところで、激しい音と悲鳴がすることもあった。そのたびに身をすくめ、近くの岩陰に隠れて音が止むのを待ったりもした。しかし、エド自身はそうした音の原因に出くわすことはなかった。

    (お守りのおかげかしら)

     エドは首からかけたお守りをそっとまた握り締めた。土産物屋のおじさんにはまたお礼を言っておかなくちゃ…、そう思いながらエドは洞窟を後にした。出る瞬間、また悲鳴を聞いた気がしたが、外の木々をわたる風の音かも知れなかった。

    /*/

     エドが洞窟の前の道を下り姿を消した後、ひょっこりと洞窟から姿を現したのは、真知子巻きの少年であった。手には不釣合いな大きさの刀を下げ、その刃には先ほどエドを背後から襲おうとしたゴブリンの血糊がべっとりとついていた。手にした受信機を眺め、発信源−−お守りが徐々に遠ざかっていっているのを確認する。

     ふん、と小ばかにしたように鼻を鳴らすと、布を半ズボンのポケットから取り出して刀を拭った。鞘に収め、背中にからう。

     ぱちぱちぱち、とその背に拍手が投げかけられ、はっと少年は振り返った。

    「やあ、案外やるじゃないか。女の子のナイトかい?」

     背の高い、ちょっと砕けた感じの青年が気にもたれかかってにやにやしていた。垂れ目で端正な顔立ちをしている。

    「あんたには関係ない」

     むっと顔をしかめる少年の様子に、青年の笑みが深まる。

    「つれないねぇ。観光に来てみればいつの間にかいなくなるから、心配してたんだぞ?」

    「単独行動については謝る。用事は終わったから帰る。心配するようなことはなかった」

    「それで、キスくらいはした?」

     パンチが飛ぶ。おーこわこわと青年はひらひらと避けた。

    「そんなんじゃない! ただ…ただ、ちょっと気まぐれで手伝っただけだ」

    「姿も現さずに、ね。青春だねぇ」

    「…!」

     はっはっはと笑う青年と、それを殴ろうと追い掛け回す少年。ひとしきりじゃれた後、青年はふっと優しい目をした。

    「名前くらい言っておいたらよかったんじゃないか?」

    「…いいんだ。多分二度と会うこともないだろうから」

     遠い目をする少年に、そうか、と青年は呟くとそれ以上は何も言わなかった。

     最後、洞窟の前を去ろうと言う時に、少年はもう一度だけ振り返った。少女が下っていった道を遠く見やり、そっと手を振る。そして、後は振り返らずに仲間たちの所へ戻っていった。

    /*/

     エドが土産物屋のところまで戻っておやじにお守りの礼を言うと、実は…とおやじが話し出した。

    「いや、実はあのお守りは、とあるお客さんが渡してくれと頼んだものだったんですよ」

    「え、え?」

     明かされる事実に戸惑うエド。

    「えっと、そのお客さんと言うのは?」

    「初めて見るお客さんで、名前も知らないんですけどね。こう、ショールを頭から肩にこう、巻いた、一瞬女性かと見まがう美少年でしたねぇ。あ、目はサングラスで見えなかったんですけどね」

     あの人だ…あの、忍者屋敷の前であった、どこか懐かしい少年。エドは改めて、お守りを見てみた。黄色と青の布地に黒猫の刺繍…そして数字が縫い取ってある。

    「5121…」

     エドは呆然としながらその数字を読み上げるのだった。

    /*/

    (つづく)


      [No.106] [固定URL] 新・書き下ろしSS(4)・つづきのつづき 投稿者:結城由羅@はんおー  投稿日:2008/08/19(Tue) 01:59:49  

     洞窟内部は案外静かだった。ただやはり暗い。20mも進むと真っ暗になった。

    (暗いです。怖いです!)

     慌てて土産物屋で勧められて買ったランタンに灯をともす。ぼうっと揺らめく炎に洞窟内部が照らし出された。壁の凹凸にゆらゆらと影が躍って、何か出てきそうな気がしてびくびくする。

    (なんだかもっと怖い気もするのは気のせいでしょうか!?)

     ううう、と涙目になりながらそろそろと進んでいく。十字路が現れた。

    (どっちでしょう…)

     覗き込んでもわからない…とりあえず直進することにした。今度はT字路、右へ…突き当たり、左へ…うろうろするうちに案の定道に迷ってしまった。

    (はううううう)

     すでに出口の方向もわからない。ぐるぐるしながら歩くエドの目の前に、ぽつんとロイ像が現れた。

    「あった!」

     大喜びで駆け寄ると。例によってスタンプ台と、おめでとう!と書かれた冊子が数冊積まれていた。1冊持って行って良いと書かれている。とりあえずスタンプを押してから、その冊子を手に取ってみた。

    「えーっと…、最初のロイ像発見おめでとう。ご褒美に洞窟の地図をあげよう。4Pを見てね。この洞窟にあるロイ像は残り3つ。全部発見できたら、天文台政庁へごー。特別プレゼントがあるからお楽しみにね☆」

     地図は助かるかも…とエドはその地図を眺めてみた。ただし、ロイ像の位置は書いてない。しらみつぶしにするしかなさそうだ。持ってきたバックパックから水と食料を取り出して、補給をすると、また探索の旅に出ることにしよう。ロイ像の周りには小規模な結界が張ってあって化け物が近づかないので安心していい、とも書かれていた。

    (そっか、だからセーブポイント…)

     安心すると疲れが出たのか、すっとまぶたが落ちた。ロイ像の足元のベンチにもたれ、エドはうとうとと眠りに落ちた。

     ひぎあああああ、と遠くもなくさりとてそう近くもないどこかで悲鳴が上がり、エドは飛び起きた。なになに!?ときょろきょろし、慌てて荷物を担ぐ。耳を澄まして、音を聞くが、それ以上何も聞こえない。どくどくと高鳴る胸を押さえてじっと身構えていたが、数分後力を緩めた。

     じっとしていても仕方ない、怖いけど行かなくちゃ。立ち上がるとエドは奥へと進んでいった。

    /*/

    (つづく)


      [No.105] [固定URL] 新・書き下ろしSS(3)・さらにつづき 投稿者:結城由羅@はんおー  投稿日:2008/08/19(Tue) 01:33:47  

     何度も道に迷いながら、それでもエドはあきらめなかった。

    「今日で三日目…ランクBまでなんとか終わりました!」

     しかし、残りはランクS。ランクSって一体どんなものなんですか?と聞いたエドに、桂林怜夜団長は遠い目をした。

    「悪いことは言わないから、ランクSにはひとりで行かないでね?」
    「え、なぜですか?」
    「ランクSロイ像は、避難経路というよりは、迷宮のセーブポイントだから…」
    「迷宮!?」

    「中級者コースがB〜A、上級者コースがA〜Sになってるねう」

    ロビーでお茶を飲んでいた藩王が何故か楽しそうにコメントしていた。

    「Aコースすごかったなぁ…」

    会話を聞いた久堂尋軌摂政が遠い目をして呟く。

    「当時私は新米でねぇ〜ギアナ高地も真っ青の壁を登り…「ぶっちゃけ、ありえなーい!!」って叫んだものです(ぇ」

    「ああ、Aだと崖の途中とかにあったりするよねー」

    と藩王。エドは目を白黒させた。

    「だ…誰がそんなところに設置…(設置したひとも怖かっただろうなぁ…)」

    「最悪落ち延びた場合の避難経路だからねぇ…崖の途中の高台とかに横穴掘って設置してある」

    お茶を飲み干す藩王、に摂政が甲斐甲斐しくお茶を注ぐ。

    「全部クリアすると自然と忍者の能力が身に着くのですよ」

    「たまに迷子になって遭難するやつがいるけどな」

    「うう…」

     苦虫を噛み潰したような顔をする桂林怜夜団長をひゃひゃひゃとからかう藩王。

    「設置には猫忍者を総動員してね…まあ、それよりあの迷宮の方が(遠い目)」

    「まぁ、迷宮なんてよほどでないと行きませんけどねぇ…」

     黙り込むエドの周りで、話は他の方向へ流れて言った。

     そんな会話を思い返し、目の前の洞窟を覗き込み、くらくらと貧血を起こしそうになる。

    「ずいぶん前に羅幻王国の方から地下迷宮をくぐって敵が攻めてくるという話があってね。そいつの出口が困ったことに観光地にあるっていうから、警報機能やら結界機能やらのついたロイ像をいくつか洞窟内部に設置したらしいよ。ランクSロイ像ってのはそいつらのことだね」

     ランクSのある場所を尋ねるエドに、土産物屋のおじさんがそう説明してくれた。

    「悪いことは言わないから行かないほうがいいよ。外までは出てこないけど中では化け物も出てくると言うよ」

    「うう、でも行かないといけないんです…」

    「なにか事情があるんだね…でも無理はしないで、危なそうだったら逃げたほうがいいよ。ほら、これをあげるよ」

     おじさんが心配そうにお守りを渡してくれた。

    「あ、ありがとうございます!」

     そのお守りを大事に胸に抱くと、エドは深々と頭を下げた。人の情けが身に染みる。

    「あまりご利益はないかもしれないけどね…本当に気をつけてね」

    「はい!」

     そのまま立ち去ったエドは、彼女を追うように立ち上がった真知子巻きの少年と、それに頷きかける土産物屋のおやじの様子には気がつかなかった。

     そして、再び回想から戻って、もらったお守りを握り締める。

    (行かなくちゃ。ソーニャさんのために!)

     ひとつ武者震いをして洞窟へと足を踏み入れたのだった。

    /*/

    (つづく)


      [No.104] [固定URL] 新・書き下ろしSS(2)・つづき 投稿者:結城由羅@はんおー  投稿日:2008/08/19(Tue) 01:02:58  

    「ひ、非常口ってどこですか?」

     エドは、マップを握り締め、観光地のど真ん中で涙目になっていた。次のロイ像は、忍者屋敷裏手非常口そばにあるらしい。忍者屋敷と言っても実は複数個ある。裏口を覗いたりしてもロイ像を発見できなかったエドは頭を抱えた。前に回って看板を確認してみる。

    「えっとえっと、忍者屋敷・ホラーコース…あれ、ここ違う!?」

    2つ目の忍者屋敷で途方に暮れたエドは、仕方ないので人に道を聞くことにした。ちょうど一人の小柄な女性が、忍者屋敷・ホラーコースの出口から出てくるところであった。

    「あ、あの、すみません!」

     真知子巻き(※注1)でサングラス、下はボーイッシュな半袖シャツに短パンといういでたちのその女性は、エドの呼びかけに怪訝そうに首をかしげた。

    「その、ロイ像を探していて…この忍者屋敷というのがここだと思ったのですが、違ったみたいで…えとえと」

     女性はおたおたしているエドの手元のマップを覗き込むと、ああと呟いた。

    「それなら、あそこだね」

     木々の隙間から覗く瓦屋根を指差し、答えたその声は女性としては幾分低かった。野太くはないが、そう声変わりが始まったか始まらないくらいの少年の声…少年? あっとエドはその女性が少年であることに気がついた。サングラスをかけたその顔があまりに整いすぎていて女性に見誤ってしまっていたのだった。

    「あ、う…ありがとうございます!」

     誤解していたことにうろたえて、思わず上ずった声をあげてしまったエドに、その女性−−少年はふん、と冷笑を投げかけた。

    「こんなとこでどうやったら迷えるんだろうね」

     え、え、と目が点になるエド。とほほと情けないのは確かだが、そういう口調にはちょっと懐かしいものを感じる。

    「しかたないな。天才のこの僕が一緒に探してやろう」

     えっへん、と胸を張る少年。よくよく見ると女性にしては確かに胸がなさすぎる…というのは置いておいて、エドはわたわたと慌てた。

    「あ、その。お申し出はとても嬉しいんですが…あの、実は願掛けの途中でして。ひとりで回らないといけないんです」

    「ふうん? こんなところで迷ってるのに?」

    「う。うう…」

     エドが凹んでいるのを見て、少年は口をへの字にした。

    「まあ、それじゃ仕方ないな。せいぜい頑張ってくれたまえ」

     少年は肩をすくめるとあっさりとそう言って立ち去った。残されたエドはしばらく呆然としたが、ぱちんと頬を打って気合を入れた。

    「ソーニャさんのために頑張らないと!」

     えいえいおー、握りこぶしを上げる。心機一転教えられた忍者屋敷を目指すエドを、見送る影があった。

    注1:真知子巻きとは、首から頭にかけてショールを巻くスタイルの一種のこと。「真知子」はラジオドラマ『君の名は』のヒロイン名に由来している。

    /*/

    (つづく)


      [No.103] [固定URL] 新・書き下ろしSS(1) 投稿者:結城由羅@はんおー  投稿日:2008/08/19(Tue) 00:21:23  

    SS:エドさん、スタンプラリーをする〜観光地編〜

     エド・戒−−彼女は世界忍者国に最近入国した新人さんである。さすらいの美少年ハンター(だった)ソーニャの書いた物語に惹かれ、政情不安な世界忍者国へ単身飛び込んできた奇特な少女であった。

     その憧れるソーニャはしかし、ここしばらく体調を崩しふさぎこみがちであった。

     理由はその愛する少年、エミリオの不在である。

     皇帝へ謁見するため帝國に向かい、ソーニャの交渉案を握りつぶした後、責任を感じたか姿を消してしまった。そして、詩歌藩国で発見されたものの、ソーニャの姿を見て逃げ出してしまった。

     元々体調のよくなかったソーニャは、ショックを受け、それ以来自分の家に篭ってしまっている。

    (せめて何かできれば)

     こまめに家に通ったりして励ましてはいるものの、ソーニャは儚げに笑うばかりでやはりエミリオの不在は埋めがたいものがあった。しかし、自分ではエミリオを探しに行くこともできない。胸を痛めるエドだったが、城下町の喫茶店でパフェを食べているときに、ふと噂を小耳に挟んだ。

    「観光地のロイ像をひとりだけで全部回ると願い事がひとつ叶うらしい」

     嘘じゃないのという突っ込みに、笑いながらほんとだって、と会話が続く。が、藁にもすがりたい気分のエドは、その話が妙に気になった。

     スタンプラリー自体は騎士の義務だからということで、無理のないスケジュールで回りましょう、とかで定期的にツアーが出て数個ずつクリアしていっている。観光地もいくつかすでに回ってみた。

    「観光地は一応一般客の避難経路も兼ねてますから、ほとんどはマップに載ってるんですよ」

     初回連れて行かれたとき、騎士団長こと桂林怜夜が、観光地ガイド付属の地図を見せながら説明してくれていた。

    「ただし、特別に隠しロイ像がいくつか設置されてるんだけどね。まー最近はあらかた発見されて情報も流れてるらしいけど。君たちは見つけきれるかなー?」

     結城由羅藩王がにやにやとそんなコメントを追加していた。観光地だけで36個のロイ像があるらしい。

    「ランクCが20個、ランクBが12個、ランクAがなくてランクSが4個ってところだね」

     そのランクが何を意味してるのかちんぷんかんぷんだったが、Sが4つですかーという団長の嫌そうな顔を見ると楽しくないことのようだった。その日はランクCを半分くらい回ったところで終わって、次はまたということになった。

     嘘か本当かわからないけど、ソーニャさんのために観光地のロイ像をひとりでクリアしてみよう。パフェのスプーンを握り締めてひとり決意するエドであった。

    /*/

    (つづく)


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