FrontPage  Index  Search  Changes  PageRank  RSS  Login

ハンターキラウィッチSS

ハンターキラウィッチSS

設定文3(SS1)

/*/

 世界忍者国の領土から数里離れた【海の上】で、二つの影がスレスレの高度を飛んでいた。

「こちらレッドワン、コントロール。演習は好調なり、どうぞ」

「こちらコントロール、レッドワン。それはよかった、レッドツーの様子はどうか?どうぞ」

「こちらレッドワン、コントロール。後ろで同じように綺麗に飛んでいます。二人とも優秀なハンターキラウィッチになれますよ。どうぞ」

「こちらコントロール、レッドワン。それはよかった、レッドスリーは放っておいていいから練習が終わったら帰宅されたし。どうぞ」

「こちらレッドワン、コントロール。了解、放っておいて終了しだい帰投します。以上」

 世界忍者国本土との高度な瞑想通信を終わり、レッドワンことハンターキラウィッチ専用【箒】の一つに乗っていたソーニャが同箒の前に乗って操縦しているカヲリに話しかけ始めた。

「カヲリさ〜ん。次のポジション抜けたら帰りましょう。本土では二人の運転が気になって仕方ないみたいですよ。」

「えー、せっかく飛べるようになってきたのに…わかりました〜。」

 カヲリが少し残念そうな声を上げながらも、予定のポジションを正確に通過して反転させ箒の先を本土の方向へと向けていった。  そして、それに追随するようにレッドツーこと新国民のエドが後ろに乗っている可銀が同じように本土へと先を向けていく。

「なかなか筋がいいですね、はじめて【箒】に乗るとはとても思えません。これなら直ぐにでも乗りこなして、活躍できますよ」

「え…いや、そんな…うち、恥ずかしい…」

 顔を真っ赤にしてしまいながらも箒を操作していると、可銀はその初々しい反応に微笑んでみせた。

 今回の演習においては、主に初めて【魔女】になって空を飛んだ事のない人々の箒の飛行練習が行われていた。練習方法として、実戦形式の【二人一組】での行動でのヒットアンドアウェイを想定しての練習である。  安全の為に、後ろのベテランが前の席の魔女を助けながら非常時に備える仕組みを取っている。

「そういえば…尋軌さん…いや、レッドスリーはどうしたんですかねぇ…?練習に参加するって立候補しておいて姿見えないですけど、ソーニャさんレッドスリーみました?」

 もう少しで地上にたどり着くというところでカヲリは姿が見えなくなった三号機の行方を後ろに座って見極めをしているソーニャに問い合わせた。

「あぁ…レッドスリー?あれは飛び始めたら嬉々としてあそこに向かったわ」

 そういいながらソーニャはカヲリにもわかる様に、片手をカヲリの肩越しに伸ばして現在の場所から2時の方角。さらに仰角を上げて指をさしてみた。  その先をカヲリが凝視してみると、白い薄い雲が線を描くように空中を出鱈目な線を引いて幾何学模様を描いている。

「あ、あれ…あれがレッドスリーなんですか?なんか動きが妙なんですけど…未確認飛行物体の間違いじゃないんですか?」

 カヲリがまるで信じられないものを見ているかのように目を大きくしながら驚いてしまって、それに答えるようにソーニャがぼやくように呟いた。

「空飛べなくてストレス溜まっていたからねぇ…あの摂政…」

 二人のボヤキなど聞こえるはずもない、海上よりもはるか高い場所で久堂は怪しい笑いをしながらナイフエッジからバレルロールなどという無茶苦茶な空中制御が難しい航空技術をいくつも行っていた。

「久しぶりの空だぁ〜〜ひゃっほーーーい!!やっぱり、空はいいよなぁ〜そして緑の我が国家と青い海…最高だと思わないか、G?」

「……」

 こうなる事を予想していたほかの国民が一緒に練習するのをやんわりと断ったため、練習に借り出されたのは一緒に住んでいる猫士のGだった。すでに、黒猫なのに青い顔をしながら乗り物酔いの症状をみせている。いきなりの最高速からの空中技によって先ほどから無言だ。

「よ〜し、今日は久しぶりだから最後に木の葉落としして締めるぞ〜それ!!」

 Gの声にならない悲鳴が聞こえているのかわからないままに、箒は急激なGによって落下していく。  その後の地上に降りてきた二人のあまりの好対照ぶりに、以後藩王は久堂の箒二人乗り時の全開を厳禁とした。

「あんな運転してたら、後ろがもたないのでめー。」

/*/

設定文4(SS2)

/*/

『弾丸便始めました』

 藩王である結城由羅が報告書の束にある一枚のチラシに気づいたのは、午前の執務が始まった直後だった。由羅は不思議そうに眺めつつも、その一言でいうなら『冷やし中華始めました』みたいなチラシは国の国民向けの挟み込みチラシの一枚とわかると、興味があるのか猫耳をピクピクとさせて早々に仕事を片付けていく。

「えっと・・・チラシをみるとここら辺のはずなんだけどなぁ・・・って、ここって通商局じゃない・・・って、あ、松永しゃんだ〜。どう?久しぶりの世界忍者国は?」

 建物を見上げながら国の機関のひとつである通商局の建物に入ってみると、そこには見慣れた顔をみつけると破顔した笑みをみせると近づいていった。

「あ、藩王さま。いやぁ、みんな覚えていてくれて嬉しいですよ。あちこちで挨拶攻めです・・・て、今日はここまで来てどうしたんですか?」

 松永…この人物を語るには少々この物語は短すぎるかもしれない。ジェントルラットから世界忍者国、そして人狼領地を事がある度に国を渡ってきた猛者だ。合併に伴って世界忍者国へと戻ってきたわけだが、国民の中にも彼を慕うものが多い。両方の国民から理解されている数少ない人物の一人である。

「ん…いや、午前中の仕事でこのチラシみてね・・・一体、何が起こっているのかなぁ〜って思って」

 そう言いながらチラシを松永に見せてみると、松永は笑って答えてみせた。

「あ、それですか?それは尋軌さんの依頼を可銀さんが受けましてね。私も手伝いで作ったやつなんですよ。ちょうど、神崎君が飛んでいくところなんで見学していくといいです。」

 そう言っているうちにサイレンみたいなものが建物内に流れてくると、建物外に向けてと思われる放送が流れていった。それと共にゴゴゴ…という音が響いて建物一部がまるで銃身のように伸びていく。

『え〜毎度おなじみ、魔女の弾丸便でございます。弾丸便の発射を行いますので、危ないので白線の外側にまでお下がりください。……いっきま〜す!。』

 その放送と共に銃身の伸びた先から大きな発射音と共に影が飛び出していくのが見えた。由羅が目を凝らしてそれを見ると、それが【魔女】の姿をした神崎の姿なことに気づく。普段は魔女が乗っているのは専用の【箒】なのだが、乗っているそれは世界忍者国が世界に誇るコメットであることに気づいた。

「気づきましたか?ハンターキラウィッチの箒ではなく、コメットを乗る事でより敏捷性をあげて耐久性もアップさせることができたんですよ。あれは理力フィールドで風圧とかにも耐えれますしね」

 松永の説明を受けながら、由羅が豆粒のようにあっという間に【海の上】を飛んでいく神崎の様子を眺めながら自分も乗りたいなぁ〜などと考えていると気になるのか松永に振り向いてみて。


「で、なんで神崎くんはあんな格好しているのかな?ハンターキラウィッチの魔女はわかるけど、なんか赤いリボンもつけてなかった?」
「さすが藩王さまですね。なんかよくわからないのですけど、尋軌さんが『魔女の弾丸便するなら赤いリボンで識別を!』って力説するものですから…理由は私にはわかりません」
「そ、そう…(あの摂政もなぁ…マイナーだからなぁ…)で、いつのまにこんな発射装置作ってたのだか…」
「あ、なんか使わなくなった部品とか使って組み込んだとか…おまけにこのシステムは防空システムの一環として作ってたって言ってましたよ?まずはこれで当番の【二人一組】のハンターキラウィッチと世界貴族を打ち出して体制が整うまでの時間稼ぎをするとか…」
「ほむ、なるほど…」

 建物の中で防空について話していく二人がいる一方で、建物の外でも手をつないだ二人の影が飛んでいくコメットを見上げるようにして立っていた。

「ソーニャ…今日も魔女が空を飛んでるね。」 「そうねぇ、エミリオ…って、私の出番これだけ〜?!」

 同じ魔女の名をもつソーニャの声にエミリオはくすくすと笑って魔女の描いた軌跡を見上げるのだった。

/*/


戻る→アイドレス/森国人+医師+ハンターキラウイッチ+テストパイロット