観光地携帯用/設定文SS1第4話
洞窟内部は案外静かだった。ただやはり暗い。20mも進むと真っ暗になった。
(暗いです。怖いです!)
慌てて土産物屋で勧められて買ったランタンに灯をともす。ぼうっと揺らめく炎に洞窟内部が照らし出された。壁の凹凸にゆらゆらと影が躍って、何か出てきそうな気がしてびくびくする。
(なんだかもっと怖い気もするのは気のせいでしょうか!?)
ううう、と涙目になりながらそろそろと進んでいく。十字路が現れた。
(どっちでしょう…)
覗き込んでもわからない…とりあえず直進することにした。今度はT字路、右へ…突き当たり、左へ…うろうろするうちに案の定道に迷ってしまった。
(はううううう)
すでに出口の方向もわからない。ぐるぐるしながら歩くエドの目の前に、ぽつんとロイ像が現れた。
「あった!」
大喜びで駆け寄ると。例によってスタンプ台と、おめでとう!と書かれた冊子が数冊積まれていた。1冊持って行って良いと書かれている。とりあえずスタンプを押してから、その冊子を手に取ってみた。
「えーっと…、最初のロイ像発見おめでとう。ご褒美に洞窟の地図をあげよう。4Pを見てね。この洞窟にあるロイ像は残り3つ。全部発見できたら、天文台政庁へごー。特別プレゼントがあるからお楽しみにね☆」
地図は助かるかも…とエドはその地図を眺めてみた。ただし、ロイ像の位置は書いてない。しらみつぶしにするしかなさそうだ。持ってきたバックパックから水と食料を取り出して、補給をすると、また探索の旅に出ることにしよう。ロイ像の周りには小規模な結界が張ってあって化け物が近づかないので安心していい、とも書かれていた。
(そっか、だからセーブポイント…)
安心すると疲れが出たのか、すっとまぶたが落ちた。ロイ像の足元のベンチにもたれ、エドはうとうとと眠りに落ちた。
ひぎあああああ、と遠くもなくさりとてそう近くもないどこかで悲鳴が上がり、エドは飛び起きた。なになに!?ときょろきょろし、慌てて荷物を担ぐ。耳を澄まして、音を聞くが、それ以上何も聞こえない。どくどくと高鳴る胸を押さえてじっと身構えていたが、数分後力を緩めた。
じっとしていても仕方ない、怖いけど行かなくちゃ。立ち上がるとエドは奥へと進んでいった。
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(つづく)
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