世界忍者国大学

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  世界忍者国@アイドレス

ニュース

祝大学開校!

 200907、世界忍者大学が開校しました。

設定情報

Lデータ

L:世界忍者大学 = {
 t:名称 = 世界忍者大学(施設)
 t:要点 = 108のLei像,運動場,星型手裏剣
 t:周辺環境 = 青空
 t:評価 = なし
 t:特殊 = {
  *世界忍者大学の施設カテゴリ = 個人施設として扱う。
  *世界忍者大学の位置づけ = 教育施設として扱う。
  *世界忍者大学は所属する忍者系職業(名前に忍者とつく)の全判定に+4の修正を与える。
 }
 t:→次のアイドレス = ガマ召喚術(絶技),世界忍者戦隊(組織),手裏剣術(技術),世界忍者大学教授(職業)

設定文

 世界忍者大学は、世界忍者国に古くからある小中高一貫教育施設世界忍者学園※1のさらに上の学問・技術を修める場所として、教育局※2局長桂林怜夜が私財を投じて建設した国内最高学府である。 敷地面積が1000平米と、大学としては小ぶりなのはそのせいもあった。 近日中に建設が予定されている共和国環状線の駅の近く4C地区※3に、駅前大学として建てられた※4。

 校章としては、忍者にちなんで【星型手裏剣】が選ばれた。 そして、例によって門や玄関にロイ像が置かれたが、ちょっと違っていたのは【108のLei像】が置かれたことであった。 調子に乗った女王のいたずらであったが、これが新しい観光名所になったのは思わぬ副産物であった。

 問題は、敷地の小ささから【運動場】の設置が難しいことであった。 カリキュラム※5には忍術や手裏剣術などの演習科目があり、縦横無尽に忍者が駆け巡る必要がある。 忍者の隠れ里では山一つが大規模な訓練場であったが、駅前ではそういうわけにもいかない。 また、世界忍者学園との運動場の共用も考えられたが、4Aから4Cと場所が離れているため見送られた。 なお、相互交流の機会は別途設けられることになった。

 さまざまな検討が進められた結果、近郊の大観光地東京ニンジャーランド※6にあるアトラクション施設「世界忍者村」の従業員訓練施設を利用してはどうか、という案が採用された。 アトラクションショーに参加する忍者たちが、出し物の検討やトレーニングのために利用している施設で、裏山の自然な地形を利用しつつ、谷間の平地にはトラックもひかれている。 最大稼働時であってもそれほど利用は頻繁でないため、スケジューリング調整で利用可能であった。

 世界忍者大学の校舎は4階建て※6で、1Fに受付、宿直室、食堂カフェテラス、厨房、講堂があり、エントランス・コミュニティゾーンとなっている。 2Fには事務室、学長室、応接室、会議室があり、大学の管理運営ゾーンとなっている。 3Fは5つの講義室と大講義室がある教育ゾーン、4Fは教員研究室(個室)と研究室が複数ある研究ゾーンという構成になっている。 屋上は屋上ビオトープで緑化を図り、そこにガマ召喚術の完成を目指す学長のための実験棟を置いた。 さらに、B1には医務室、処置室、薬品室が置かれ、B2は図書室になっており出入りが管理されている。 なお、B2奥禁帯出書庫には黄金のLei像が安置されている。 さらに、南側壁面には、白熊を名乗る人物から寄贈された「某人の誕生日にらぶらぶカップルの画像が浮かび上がるレリーフが彫られた板」が全面に貼られている。

 講堂では、大学演劇部や吹奏楽部の発表会や、内外の講師を招いた一般向けの公開講座が定期的に開かれており、市民の教養向上にも貢献している。

 屋上ビオトープには誰でも出られるようになっており、昼ごろには弁当を抱えた学生たちの姿も多く見られる。 都会の中の緑に囲まれて、【青空】を見上げて食べるご飯は格別であると人気スポットなのであった。 ただ、ときどき実験棟の方からぎゃーとかばぼーんとか謎の声や音が聞こえるというのが珠に傷という噂である。

※1.学園を舞台にアニメやドラマも作られた。
※2.政府の組織のひとつで、国民の教育をつかさどる部局。
※3.アクセスマップを参照のこと。
※4.ちっこいから駅前大学にしちゃえば、という藩王の安直なひとことで決まったという…。
※5.カリキュラムを参照のこと。 ※6.さまざまなアトラクション施設と、ホテルやショッピングモールなどが複合した巨大施設。
※7.校内配置図を参照のこと。
(設定まとめ:結城由羅)

プロローグ

 ある日、世界忍者国には一つの施設が出来た。

 それはまるで一夜城のように突如現れた。

 名を世界忍者大学という。

 どれくらい突如かというと、この施設を作ろうと国に本申請が出された次の日にはもう出来あがっていた。申請出した本人も知らぬ間に、である。
 そこに何があったかというと簡単な話で、申請を出したケイリン(嫁)の行動をケイリン(夫)が完璧に読んでいたのである。つまり役所で、こんなやりとりがあったとかなかったとか。

「では、次の番号の方〜」
「はい、ええとこっちの書類です、ただまだ土地代の予算が未定なのでそちらはあとで来ます」
「はい、わかりました、それではこちらに判を押して・・・はい、受け付けました」
「ありがとうございました、お願いします」
「では、次の番号の方〜」
「はい、先ほどの土地等の書類の提出にまいりました」
「・・・?え、今さっき奥様が出されてた申請のですか?」
「ええ、妻が何かしようとしている時に手助けするのも夫の役目ですので」
「なるほど・・・(なんでさっき一緒に出さないんだろう」
「ああそれと、この事は妻には内緒で」
「はあ・・・」


 さらに言えば、夜中にケイリン(嫁)が、

「大学・・・どんなのにしようかなぁ」

とか言ってるその頃ケイリン(夫)は―――

「A班からC班までは門を他の班は”事前”に組んで置いた校舎を、地盤の方は既に仕込んである」
―――大声で指揮をしていた。暗闇にその金髪をたなびかせながら。

『ケイリンさん、女王様が来ているようですが・・・』
「ああ、もうそんな時間か」

 この夜のためにFEGから大量雇用した土木作業員――巨大な機械にしか見えない――のひとりからの報告へ、ケイリン(夫)はとてもいい笑顔で答えた。
 あの女王とて、自分ほどは妻の事を理解しているまい、と自信に満ち溢れていたからだ。

「まさか、ここまで彼女の動きを読んで準備しているとは・・・私も祝いの用意くらいしかしてなかったよ」

 案の定苦笑する女王に、ケイリン(夫)は満面の笑みで答えた。

「彼女は僕の妻ですからね」

 そして、鼻歌交じりに、夜を徹して校舎の建設を続けるのであった。

(SS作成:神崎零)

この国らしい贈り物

 そこには、世界忍者国最大の学校があった。

 名前は、―――「ロイ・ケイリンの妻への愛の結晶」。





 あー、間違った、一部で言われてる名前じゃなかった…ええと、

 名前は「世界忍者大学」。

 ここは、忍者を鍛え、世界忍者による世界忍者の活躍を願う学校。
世界忍者の心と技をより向上させるためにある。

 ついでにこの学校こそが夫が嫁を真面目に考えてる証拠であり、夫や周りの人間が嫁が言い逃れ出来ないよう外堀を埋めるのに一役買うであろう重要な存在である。
そろそろ指輪と結婚式が来ると国民は信じて疑わない、草葉の陰にいる義弟は天に感謝してるくらいには。

 これは、そんな世界忍者大学とケイリン(嫁)の初めての出会いの話である。

/*/
 …深夜

 深夜というには月が太陽とその役割を交代しようとしている時間だが、そんな時間にここには相当数の人が集まっていた。

 その中にいる金髪の青年は隣に居た苦笑している女性に満面の笑みで話をしていた。
「この学校は貴女達の国の役に立つ事でしょう、【僕の妻】のこの学校が」

 力いっぱい僕の妻を強調する隣の女性、世界忍者国女王は止まらない苦笑いをしながらも、うなづいてみせた。

「本当にありがたいと思っています。そこで、学校に祝いの品としてこの学校を建てた人…奥様の像を贈らせていただきたいのです」

 世界忍者国には大量の、それこそ何処に行っても一つはあると言われるロイ像が建っている。
正直、不気味と言われても仕方ないかもしれないがこの国における守り神、福の神、武運を祈ったりする神の類いまでもがロイ像に集約されている、たいてい祈る対象=ロイ像な国なのである、ついでに人狼地区への入口も非難所に続く道にも目印として建っている。

 が、ロイ本人としては恥ずかしさとかが無いわけではないのでここで自分の像じゃないのは安心した、というか森の中のロイ像がそこにもある訳だし。

 しかし、自分と同じように妻も恥ずかしがるのではないか? だが、正直見てみたい気持ちがない訳ではない、妻が他の人間に惚れられる心配もある、がそんな存在は葬ればいい気もする、いやいやでも…

 と、ケイリン(夫)が考えてるうちにニヤリと笑って女王は部下に指示を出す。

 部下もにやにやしつつ荷物を運び込む。

「すまないが、校舎の中には入らないでもらえるかな、妻に最初に見て貰いたいんだ」

 と、Lei像につっこみ以外の言葉が出たのを聞いた女王はとびきりいい笑顔を返し、

「ああ、申し訳ない、では敷地内にとりあえずは運び込んでおきます」

 とそそくさと話を進めるのだった、これで有無を言わさずLei像を設置するのだ。

「そうしてください」

 なんだかんだでOKしてしまったが一つくらい妻の像があるのも悪くはないだろう、少し恥ずかしいが外のロイ像と向き合って笑いあってるのは・・・悪くはない、いや、良い、この国に感化されてる気がするが。

 少し疲れたケイリン(夫)はその場を後にする事にした、寝ている妻にキスと書き置きをしなければならないのだから。


 別に一つと言った訳ではないのに気付かなかったケイリン(夫)は朝日で金色に輝く髪を揺らしながら帰っていった。


―――次の日


 ケイリン(嫁)は、枕元にあったロイからの書き置きに気付いて急いで本人を探したものの見つからず、とりあえずは考えてる段階だったはずの世界忍者大学に向かう事にした。

「何処に行ったんだろうあの人は」

 と、文句を言いながらも、

「いや、会いたいんじゃなくまた勝手に危ない目にあってたり他人に迷惑かけてないかが心配なんですよ」
と誰かに言い訳しつつ足を速めた。

 少しすると、見えてきた大学を見て嬉しそうな表情をしたのもつかの間、校舎前に広がる光景を見て悲鳴を上げた。

「なんでこんなものがあるんですか!!」

 その叫びに茂みが揺れた。

「いや、君のとこの旦那がOK出してくれたし」

と、とってもいい笑顔笑顔をした女王その他が像の後ろから現れた。反応が見たくて、帰らずに待ち構えていたのだった。

「やっぱり犯人は女王様でしたか・・・・・orz」
 がっくりと膝をつくケイリン(嫁)。
「私だけじゃこんなに作れないけどね」
「「「あははは」」」
後ろから乾いた笑いが聞こえてくる。

「尋軌さんは諦めてましたがなんでカヲリさんや他の人まで!!!」

 叫ぶケイリン(嫁)に対し、周りは互いにうなずき合った。

「創設者だから、ね…。によによ」
「世界忍者国らしい愛を感じますよねw頑張って作ったです」
「国の素晴らしい教育機関で、いい観光地が出来たと思います!!!」
「ちゃんと108体全部違うポーズで作りましたよ」

 仕事をやり切った顔の人とまだやる気満々の人しか居なかった。

「ひーどーいーーーーーー!!!!!!それにイラスト化が怖いのであります・・・・・。」

「なんという饅頭怖い(笑)」

 やっぱりなんだかんだ言って嬉しかったんだなぁと皆思うのだった。


 しかし、この時まだまだ愛(と書いて嫌がらせと読む)は終わってなかったのだと、ケイリン(嫁)は気付いていなかった。

 そう、大学の必修教科「暗号解析」の課題「Lei像の謎を解け」によって、愛(と書いて嫌がらせと読む)の深さを思い知るのだった。 (SS作成:神崎零)

ある日の課題

 …世界忍者大学が出来、悲鳴が上がった次の日

 とりあえず、授業をどんな事をやるのか?というのを確定してなかったので、一回やってみたかったという女王様直々の授業を受ける事に。
実験台役に選ばれたのはカヲリ(+旦那)、神崎、くう、濃紺、それに創始者であるところのケイリン(嫁)である。

「私思うんですけど、女王様だって私達と同レベルですよね?ただの世界忍者だし」

 普通の疑問をケイリン(嫁)が上げる、より伸ばすにはより世界忍者たりえる人物が必要になるのはわかっていた。

「そうね、ただ君を弄るために日々努力はしてるし、第一人者であると言えるねう」

「関係無いじゃないですか!!!」

「もしかして弄るために準備してるものが何かに使えるという訳か?」

 濃紺摂政が話を進めるために真面目に発言する、今回の進行役である。

「そういう事、だからこの暗号解析の授業くらいは出来るかなって考えたのよ」

「実は女王様もたまには真面目に考えてたんですね」

「君もまた毒のある事を…ま、いいや、それで今回考えたのはこれ」

 女王は赤いペンを手に取ると、ホワイトボードにでかでかと

【Lei像の謎を解け!!!】

と、書いた。

「やっぱり嫌がらせじゃないですか!!!」

「ちゃんと【108体のLei像】には暗号が仕掛けられてるんだよ」
 叫ぶのを華麗にスルーして続ける。

「えっと、それじゃあ私たちはとりあえず何すればいいんですか?」

と頭に?マークを浮かべながらカヲリが首を傾げていると

「それも含めて考えるねう、テスト用に考えたものだからちょっと難しいかもしれないけど…」

 女王はカヲリの後ろに立っているサングラスの男――優羽玄乃丈に目を向けた。

「その為にわざわざ夫婦揃って出席させた訳か・・・やれやれ」

 帽子に手をおきながら続けていう。

「確かに猫捜しよりはよっぽど探偵の仕事だ、さっさとといてしまっても構わないんだな?」

と自信に満ちた顔でいった、隣に来て裾を掴んでいたカヲリの顔が少し朱く染まる。

「じゃあ俺達は残りの四人で組んで考えればいいみたいだな」


「それじゃあ夕方が期限で、優羽夫妻は分かったらヒントだけ四人に教えてあげてください、はじめ!!!」

「やれやれ…それじゃあ行くか」
「はい!」

/*/

「とりあえず、108体のLei像全部を把握する必要があるな」

 進行役の濃紺摂政が話を進めていく、そんな隣では・・・

「うう、結局嫌がらせじゃないですかorz」

と、これから羞恥のただ中に叩き落とされるケイリン(嫁)が突っ伏していた・・・。

/*/

「朝からおやつの時間までかかるなんて・・・まぁとりあえずLei像108体の写真、場所、向きまでは資料を作成完了しました・・・」

 既に燃え尽きかけた神崎が資料の束を、1F食堂のテーブルに広げる。昼時を過ぎているので他の客――そもそも、開校前準備中なので仮操業中なのだが…の姿はない。

「最初に置いたでかいやつから手乗りサイズまで、多いな」

 頭をかく濃紺。

「神崎くんもお疲れ様〜」
「最速で逃げやがったくせに・・・」
「だってつまんないんだもん」

 とりあえず、像をぶっこわせばいいんですよね?とケイリン(嫁)が言ったので取り押さえるところから始まり結局二人で探す事になりそれから、くうが逃げた。
 くうが遊んでるのを見て濃紺が慌てて捕獲、修正して今なお破壊衝動にかられるケイリン(嫁)を止める役に任命し・・・等と苦戦してるうちに時間は過ぎて行った。

「まぁ、王道と言えば視線の先とか」

と、いいつつ向きと写真から視線の方向をマークしていくと・・・

「4ヶ所に線が集まってますね」

 やっと落ち着いたケイリン(嫁)が気付く。

「簡単だったが、各階に一つづつ何かあるのかもしれん、本命じゃなさそうだが」


 4ヶ所にあったのは以下のようなキーワードだった。どうやって入手したかまでは、長いので省略する。

・さんじをにじ
・世界忍者国が金色に輝く時に
・これは御祝の品である
・相手は1番大きな貴女が見つめる先に

「わかりました、きっと御祝と書いて嫌がらせと読むんです!!!だから、全部壊せば…!」
「それはもういいですよ!!」
「「ううーーーん」」

 世に言う手詰まり状態になって4人は頭を抱えていた。

「……あれ?優羽さん達じゃないですか?」

 考えるのに疲れて、ふと外のカフェテラスを見ると、二人でピンク色の空気を出しつつピクニック気分なのか仲良く座ってクッキーを食べてる優羽夫妻が居た。あーんとかやってる。

「うっわー、話かけづら」
「でも、あんなにのんびりしてるって事は」
「終わってるんだろうな…」

 正直、二人の世界に入っちゃってるのに話かけるのは気が引けるがそうも言ってられないのが4人の現状だった。  たとえ、照れ隠しに顔を背けながら帽子を深く被ろうとしたらこっちと目が合っちゃって顔色がピンク→白→赤→薄いピンクとか激しく変化している玄乃丈が居たとしても話かけづらくはあるのだが。
 外へ出ておずおずと会釈する。それらに気がついた玄乃丈が咳払いした。

「あー、ごほんごほん、お前達も食べるか?」
「え…、Σあ」

 カヲリの顔が朱に染まる。

「うわー、悪い事した気分」
「言うな・・・あーいや、ヒントを貰って早く退散しようかと」

 うんうん、と皆で頷く3人、カヲリの残念そうな顔を一瞬したのを見逃す人間は流石に居なかった。

「そうか、いや俺達は居て貰っても困らないんだが・・・そうだな、確かに期限が近い」

 こういう時の嘘が下手な玄乃丈だった(ぇ。
「そこまで探し終わってるなら後は暗号の意味か、そうだな」

 真面目な顔に戻ってまとめてあったLei像の配置図をカフェテラスのちょっと小さいテーブルの上に重ねて置くと、
「こんなものか」

とコップの水をかけた。それはもう、全部水浸しになるくらいに。
「ちょ!!!」

「平仮名で書いてあるキーワード、これはつまり平仮名じゃなけりきゃ答が解るか、もしくは平仮名である必要があるからだ、今回の場合なら前者、つまり平仮名じゃなけりゃ簡単なんだ」

「それとこれと・・・」

 言いかけた濃紺は気付いた、Lei像の位置が透けて見える。

 すると一階から四階までのLei像が一つの平面に現れる。

「つまり、三次元的に配置してあるものを二次元、一つの平面上に並べて描く、三次を二次にだ」

 玄乃丈は、涼しげに言った。きっと、裾をカヲリに握られてそちらをちらちら気にしながらじゃなければきまっていたに違いない。

「これを…言うんですか?」

「ああ、他のキーワードから他の情報を読み取った上で、だが」

「神崎君が言えばいいと思います」
「いや、これ絶対言う人決まってるじゃないですか!!」

 だよなぁと周り全員が思った。なぜなら、出て来た暗号は…

【ロイ大好き】

なのだから。

「1番厄介なのがわかった以上、答えは全部わかったも同然だな」

濃紺はそういうと神崎、くうを抱える。

「ちょ、流石に今回くらい空気読めみぎゃあああああ」

そして凄い勢いで大学から離脱した、変な悲鳴と共に。

「濃紺さん!?」

「あー、俺達も帰るか、臨時収入も入った事だし何か食べて行くか」
「え、あ、はい!玄乃丈さんは何が食べたいですか?」
「そうだな・・・俺は・・・」

そして、優羽夫妻にも逃げられるケイリン(嫁)。


「うんうん、うちの国は本当にいい人ばっかりだ」
「どこがですか!!!」

 いきなり現れた女王に叫ぶものの、皆がいない方がちょっとだけだけど、恥ずかしくなくなるのも本当だった。
 ただやっぱり他の人…女王が居るところで言うのも嫌だった。だって、この言葉はあの人にだけ聞いて欲し…

「なんで私の心理描写まで偽造してるんですか!!!」
「えー、まぁいいや、それで謎は解けた?」

「よくないですよ!!!」
「えー、いいじゃん、ロイ以外に、好きだなんて言えないわ!みたいな」
「本人にもいいません!!!」
「そこは言おうよ!!!!どこまでも男心クラッシャー」
「違います、凍矢くんや尋軌さんが脆過ぎるだけです!!」
「いやいや、君が…」




〜〜〜10分後〜〜〜


「それで解った?」

 長い口論の末、やっと本題に進んだ(ぇ。

「【世界忍者国が金色に輝く時に】
は夕方、麦畑が金色に輝くんです、だから夕方に

【これは御祝の品である 】
これは御祝と書いて嫌がらせと読むんです、あの像の存在がキーワードそのままの意味です

【相手は1番大きな貴女が見つめる先に】
そこにある校門前の1番大きな嫌がらせの視線の先のロイ像です」

「えー」

‐‐‐‐‐‐

「ちょwww無理矢理ロイ像にごまかしたw」

 ばっちり遠くから見ている濃紺達であった。


「もう少し正直になるべきです」
「【これは御祝の品である 】の真の答は、


【これで本人にメッセージを言うきっかけをあげるから、言っておいで】


でしょうに」

「ほう、それは誰に何をいうんだい?」

「え…?」


‐‐‐‐‐‐


「君ならそんな答な気はしてたけど・・・仕方ない」

「どういう事ですか!」

 女王は何も聞こえないかのように校舎の中に入って行き、仕方なくケイリン(嫁)はその後をついていく。

「ここは・・・講堂?」
「さてと、この幕の裏の…あったこれこれ」

 そこには、こちらに向かって笑顔の・・・

「なんでここにまでロイ像が・・・」

 講堂の舞台の上、壁側に垂らされた幕をめくると、埋め込むようにロイ像があった。

「うーんと、愛玩用?」
「いりません!!!」

「とりあえず、これにさっきのキーワードを言ってみて」
「なんでですか!」
「いや、これも謎の答えあわせだから!」
「ぐ、仕方ないです」

「ロイダイスキ」

「えー、なんで片言・・・いいけどさ」

「で、何も起きないじゃないですか!!!」
「いやいや、下下」
「・・・へ?」


 よく見ると、足元が、なかった。そして、浮遊感。暗闇を、落ちていく。ひゅー

「えー、いきなり足元がなくなるのはどうかと思います」
「意外に冷静に落ちるね」

 舞台下の奈落を落ちていく…

「でもこれどうかと思います、生徒が怪我するかも」
「そこはほら、こうやって」

 器用にムササビの術をやってみせる女王。ばさあ。

「大学3年くらいにこの授業入れれば大丈夫じゃない?これくらいできるでしょ」

「そういう問題なんですか?」

 PLACEの頑丈さで衝撃を耐えきったケイリン(嫁)がぶつぶつと文句を言う。 よい子はムササビの術か何かで下りましょう。

「それに、ここどこですか?」
「B2F、書庫の裏だね、外から見たら南側壁面の裏にあたるのかな」

「で、これは何ですか」

そこにそびえるのは・・・金色のLei像。
しかも、ロイ像とセットで。

「見てわからない?」
「違います!!なんで108体以上嫌がらせがあるんですか!!!」

「わからないかなぁ、自分で言ったじゃない。
【校門前の】

って、大学の敷地外にあるんだよ、アレ」

「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」

「つまり、このケイリン夫妻の像こそが、真の108体目のLei像なんだよ、ちなみに一番大きいLei像もこれだったり」

「え、じゃあ答が違うじゃないですか、これの目線の先もロイ像ですけど、その前の像の時にキーワードを言うんだったら変ですよね、二回同じキーワードって」

「本番だと【これは御祝の品である 】じゃなくて、
【創始者の隠し持つ夫】に変わるんだよ。

【相手は1番大きな貴女が見つめる先に】は、
【恋愛成就の神様に願いを捧げよ】

それに今回の正解は違う答えだし」

「えー、じゃあ答は何なんですか!!」
「もう一回キーワードを叫んだら教えてあげても良いよ?」
「ロイダ…」
「こう、情感をこめてね」

「えー」
「えーじゃなくて、早く!」



 やっと諦めたのか、
「ロイ大好き!!!!!!」
投げやり気味に叫んだ。
 その叫び声は上の部屋などにも聞こえていた。


「それで、答はなんだったんですか!」

「んー、御祝の品を君の旦那に上げようと思ってね、その為の前振り」

「???どこに御祝が?」
「君の旦那に聞いてみるといいよ」

 ケイリン(嫁)は首をかしげながら諦めた。もはや、恥ずかしい思いをしたから帰りたいだけでもある。
 ちょうど、世界忍者国が黄金色に染まる、そんな時間だった。




―――その日の晩

「あれ?こんなところに手紙・・・?」

 家に帰ってみると、手紙が置いてあった。家を出た時には無かったはず。

「手紙よりも口で言ったほうが早いんじゃ」

といいつつも軽い手付きで開けていく。

 内容は…
「愛する妻へ

 夕方の言葉はとても嬉しかったです。
 その言葉を聞けただけであの学校を建てた意味はありました。

 まだ少し忙しいので今日は会えませんでしたが、必ずあなたの元に戻ります。

 ロイ・ケイリン」

「え…今日の夕方って・・・まさか・・・・・」



今日も、世界忍者国は平和である。

(SS作成:神崎零)

運動場確保大作戦

「あれ、【運動場】がない…」

 Lei像の謎課題作成のために、世界忍者大学の建物見取り図を楽しげに見ていた女王が、ふっと小首を傾げた。

「ええ、それ気になってたんです」

 やはり楽しげに、新しいお土産案サンプルとして出来上がってきたミニLei像を磨いていた久堂摂政が、顔をあげてうなずいた。

「運動場どうしようかなと。ある程度課程がすすめば、藩国全土が運動場代わりになるんですけどねー」

「さすがに1000m^2で運動場までは無理だよなぁ。うーん、でも設立要件に運動場必須って書いてあるんだよなぁ」

 中央からの認可通達書を眺めて頭を掻く女王、うーんうーんと悩んで書類をひっくり返していたが、ある図面を見てぽむと手を叩いた。

「なければ、借りればいいじゃなーい」

/*/

「…で、その結果がこれですか?」

「うむ」

 怜夜に向かって、えっへんと胸を張る女王の後ろには…

「世界忍者村」

という看板がかかっていた。場所は、4A大観光地区の外れである。

「アトラクションのように見えます」
「アトラクションだねぇ」
「…ここで学生が運動したら、お客さんが迷惑じゃないですか?」
「大丈夫、今客いない!ていうか従業員いない!」
「えー」

 さらに胸を張る女王。

「というのは冗談で。併設されている従業員の訓練施設が空いてるから使うといいんじゃね、って話」
「ああ、そっちですか」
「うん。幸い、訓練施設も大観光地の近所で、大学からは走れば10分くらいだからね。シャワーとかの設備もあるし」
「それはいいですね」
「うん。設備も使って整備した方が痛まないからね。むしろ使ってくれ、みたいな」
「なるほど」

「それじゃ、そういうことで進めていいかなー」
「はーい」

 そして一転、真面目な顔をして礼を言う。

「きっと、この大学ができたら人も増えるよ。建ててくれてありがとう」
「そうなるといいと思います」
「Lei像も新しい観光名所に!」
「それはいいんです!!!!っていうか撤去してくださいー!!!!!」
「むーりー」

 女王がげらげらと笑って逃げ始め、それを怜夜が追いかける。ある意味いつもの風景であった。
(SS:結城由羅)