どんな状況になったとしても時間というものは流れていく。
波乱の1年が終わりに近づき、FEGの世界忍者国亡命政府では御歳暮の準備に追われていた。
「とりあえず、発送リストはいつもと同じでいいですか?」
「あ、今年は大統領とか宰相にも贈るのでリストに加えといてー。多分、去年の倍くらいにはなるんじゃないかなー」
年末の忙しい中を書類を纏めながら、藩王結城由羅と摂政久堂尋軌はそんな会話を繰り返している。
今年は春からの展開に目を@@させつつも、なんとか国を存続させることができた。
苦労をかけどおしの国民のみんなにもお礼をしたかったし、藩に逗留しているACEの人たちにお礼を、それからの道筋を作ってくれた他のACEの人々にも。
「とりあえず、大統領に宰相…ISSも…ふみゅ、ヤガミ連合宛だとするとヤガミ全員にまわるのかしら?」
贈り先のリストは瞬く間に増えていく。贈るものに関しては、亡命政府ということもありFEGで手に入るものに決めた。
「あ…あと、摂政sも贈りたい人いるんでしょ?もちろん、OKだから贈っちゃえば?」
そんな笑みを向ける藩王の言葉に、二人の摂政は顔を上げるとお互いを見合って
「「い、いやだなぁ…まるで公私混同じゃないですか。さすがにそういうことは…」」
ハモるように言いながらも、贈り先のリストに飛びついてそれぞれ意中の相手の名前を書いていく。
しかし、そこからが世忍国らしいといえばらしいのだが…
「とりあえず、あと森さんにも贈っておきましょう。徒理流さんがお世話になったし…」
「同感ですね」
本人の認可なしという暴走ぷりは、あっというまにリストに色んな名前が加えられていってしまった。