イベント/59/回避/I=D/なし
イベント/59/回避/I=D/なし
イラスト
なし |
SS・RP
「敵、攻撃来ます!」
コパイロットの声がコクピット内に響く。しかし、それよりも早く
「判ってるよっと」
パイロットは急激な回避運動に移る。多少の回避運動では、避けきれ ずにどうしても大きくなる。それゆえ、コパイは舌を噛んだかも知れない。
しかし、当たるよりはマシである。命あっての物種だ。死んでは痛みを 感じることも出来ない。
「うん、さっすが」 回避運動によるGにも負けず、周囲を見たパイロットの目には他の味方 I=Dが遣り方に差こそあれ、確実に敵の攻撃を避ける様が映っていた。
跳躍し、砲撃で距離を稼ぐ者。
急スロットルで避ける者。
伏せて避ける者。
それぞれのお国柄、パイロットの個性が出ている。
「まさにパイロット、I=Dの見本市だな」
つい口元にこぼれる微笑は、パイロットの性分「メカが好き」を如実に 顕している。しかし、観察は各自が今後の操縦に活かすものでもあり、た だの趣味だけではない。 「だ、大丈夫?」 「うー、いひゃい」 後ろでは予想通り、先のコパイロットが舌を噛んだらしい。「ごめん」と声だ けを掛け、操縦に集中する。
ここは戦場。一瞬の隙が死に繋がる場所。
「今の回避による機体の損傷は?」
「えっと、ありません」
「いひぇ、ひゃく部バりゃンサーに軽微のりゃメーずいが」
「脚部バランサーにダメージ軽微。戦闘続行可能、だそうです」
「ひゃい」
コパイロットの二人の発言に通訳が欲しいかも、と思いつつ、前進を開始 する。敵は手を緩めてはくれない。今度は先にこちらが仕掛ける。
「うちのコパイロットをよくも虐めてくれたな!」
怒りを根源種族どもに叩きつける。後ろからは無言の冷たい視線を感じるが、 無視。だが・・・
「なすりつけ」
コクピットに舌を噛んでいない方のコパイロットの一言が響いた。
戦闘は続く。個人の舌噛んだとか、小指ぶつけたとか、お腹減ったとかを呑みこ み、お互いの敵意のみを高める。
一時の勝者と敗者が決まるまで。
製作者:刻生・F・悠也@フィーブル藩国 |
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