人狼傭兵。
一部の第7世界人にとっては忌み嫌う単語である。
「傭兵」という単語がそもそも良くないのではないだろうか。
一部の第7世界人にとってこの「傭兵」という単語は…
「金のために仕事として戦争に参加し、人を殺す残酷な人間」を指すものであり、つまり同時に
「人の命」を「ある程度の金銭」と等しく見ている人間を指している。
では、はたして傭兵とはどのような存在なのだろうか。
現在「ジュネーブ条約」では以下のように定義されているらしい。
1 武力紛争において戦うために現地又は国外で特別に採用されていること。
2 実際に敵対行為に直接参加していること。
3 主として私的な利益を得たいとの願望により敵対行為に参加し、
並びに紛争当事者により又は紛争当事者の名において、
当該紛争当事者の軍隊において類似の階級に属し及び類似の任務を有する戦闘員に対して約束され
又は支払われる額を相当上回る物質的な報酬を実際に約束されていること。
4 紛争当事者の国民でなく、また、紛争当事者が支配している地域の居住者でないこと。
5 紛争当事者の軍隊の構成員でないこと。
6 紛争当事者でない国が自国の軍隊の構成員として公の任務で派遣した者でないこと。
ここで、この「傭兵の定義」を「人狼傭兵」として筆者なりに当てはめてみようと思う。
1:人狼傭兵は武力が必要とされる場面において戦うために採用されている。
2:人狼傭兵は実際に敵の矢面に立つことが多い。
ここまではわかりやすい。
だが、3はどうだろうか。
彼ら「人狼傭兵」は本当に私的な利益のために戦っているのだろうか。
筆者は覚えている。
彼ら「人狼傭兵」たちが「出世払いでいいですよ。」と言っていたときの事を。
筆者は覚えている。
彼ら「人狼傭兵」たちがろくに金銭や物資が支払われないと理解しながら戦っていた事を。
では、彼ら「人狼傭兵」の「私的な利益」とは一体なんなのだろうか。
筆者は、それは「この世界の未来」であると考えている。
そう考えれば彼らの行動に理解が及ぶのである。
つまり、3は以下のように説明できる。
3:人狼傭兵は主として「この世界の未来」をよりよくしたいとの願望により敵対行為に参加し、
ならびに紛争当事者により軍隊において類似の階級に属し
報酬として紛争当事者に「この世界のよりよい未来」を約束されている。
以上は筆者の独りよがりが妄想でしかないのかもしれない。
しかし、彼らの「この世界」に対する献身は実際に存在するものであることは確かなはずである。
筆者としては、願わくば彼らの一人でも多くが「この世界のよりよい未来」を謳歌することができる事を祈るばかりである。
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