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[No.220] [固定URL] お中元大作戦・募集スレッド 投稿者:結城由羅  投稿日:2009/07/16(Thu) 02:48:17

「お中元大作戦」
http://richmam.xtr.jp/neokingdom/?%B9%F1%C6%E2%A5%A4%A5%D9%A5%F3%A5%C8%2F%A3%B2%A3%B7
逗留ACE他、お世話になった人たちにお中元を贈ろう、イベント。

※物語の経緯※

 お中元の季節が来た。日ごろお世話になっている人たちに、感謝の気持ちを贈る、そんな季節。世界忍者国は逗留ACEが最も働いている国とまで言われた国。まず、彼らには日ごろの尽きせぬ感謝を示さずばなるまい。さらに、猫士に犬士。常に文句も言わずにPCらと共に出撃、戦ってくれ、更に施設で働いてまでくれている彼らにも感謝を伝えたい。最後に、色々トラブル続きの政府で働き続けてくれている職員の皆さんにも、ねぎらいと感謝を伝えたい。

 ――そんなこんなで、あんまりたくさん感謝したい相手がいるものだから、藩王と摂政は相談した末に、「お中元大作戦」を決行することにした。

※イベント内容※

* 逗留ACE(個人ACE含む)
* 猫士・犬士
* 政府職員(国有施設職員含む)

 上記の国内の人々に感謝の意を伝えるための国内イベントをおこないます。つきましては、以下のものを募集しますので、本スレッドにご投稿ください。

* SS
* イラスト
* 寄せ書き

 まとめて政策なりで提出したいと思います。


[No.229] [固定URL] お中元? 投稿者:久堂尋軌@世界忍者国  投稿日:2009/08/16(Sun) 01:19:25

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「で、何作るの?」
「お中元なので、それらしく麺類なんかどうかなと…ちゃんと一から粉から轢いて」

青竹の芯を抜いて、中に重りをしこみながら久堂は答えると由羅は少し考えて

「そうねぇ、冷麦とか蕎麦とか定番よね。うどんでもいいけど。で、ナニソレ?」
「麺類を伸ばす棒ですけど?金属だと味気ないかなーとか思って」

珍しく中華服にエプロンという明らかに摂政とは思えない外見をさせながら軽く振ってみて、重さを確認しつつ

「なんか麺点師だよねぇ…そうだ!点心も作ろう!大体の材料もあるし、それにみんなで作ればスピードアップまちがいなし!」
「あーいいですねぇ。餃子にシューマイとか。」

そんなこんなで始まった点心&生うどん作り。合ってないと思うが、そこは世界忍者国なので問題はない。

/*/

「よーし、こんなもんでいいですかね?一気に伸ばしますよ!!」
「松永さん、お願いしまーす」

松永が青竹を思いきり小さな丸い生地の上から一気に転がしていくと、それはたちまち丸い円となって作業台の上に並んでいく

「もう少しで中身の餡が練りあがりますからねー」
「これで餃子の方は包むだけですー」

弓尾透と逢瀬みなおの二人は餃子の中身を素手で練り上げながら、声をあげて報告してきた

今回の点心は、生のままでも保存は効きにくいし焼いてしまうわけにもいかないので出来上がり次第冷凍でパッケージングすることになった
できれば、もらったら直ぐに焼いて食してほしいというお中元のお礼文&説明も既に濃紺摂政の手によって作成、大量印刷されている

「あ、だめですよー。これはあんまん用の餡子なんですからー!」
「あんこーあまーいーもっとー」

餃子作成班の隣では、練り餡子を鍋で照りを出している徒理流とその餡子をつまみ食いしようとする大神重信との激闘が繰り返されている

「予想通りとはいえ、騒がしいな…」

呆れた表情をうかべながらも、「うちらしいな」と小さく笑った藩王は、食物班をまとめている濃紺摂政に進め具合を聞きに作業部屋にやってきた

「とりあえず、うどんは既にみはえるさんと神崎くんによって出来上がっていて梱包しています。あとはこの作成中のものだけです」
「そっか、これとアロマキャンドルでなんとか形になりそうだな…まぁ、種類が滅茶苦茶なのはウチらしいということで理解してもらおう」
「えぇ、それと一応贈るリストはこれでよろしいですね?」
「あぁ、それで頼む…(ぼそっ)署長は喜んでくれるかしら…」
「…………」


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[No.230] [固定URL] 団長と 投稿者:結城由羅@世界忍者国  投稿日:2009/08/16(Sun) 02:46:20

「お中元ー!」

 世界忍者国藩王こと結城由羅が、謎の単語とともに部屋――世界忍者大学学長室に入ってきても、桂林怜夜は動じなかった。

「はーい」

 書類から目を上げ、にっこりとほほ笑む。要はこういう乱入に慣れてしまっているのであった。

「何を送れば宜しいでしょう?野菜ジュース?」

 小首をかしげて尋ねる怜夜に、由羅も小首を傾げた。

「健康のため?」
「女性用のふんどしとか・・・健康に良さそうです。締め付けないし、腹部を優しく包むし」

 由羅の首の傾きがさらに角度を深めた。

「誰にじゃ。ミチコさん?」
「・・・・女王様へのお中元じゃなくて?」

 話がかみ合っていなかった。当たり前と言えば当たり前である。

「いやいや。ほら、前から募集してる『お中元大作戦』、ぼちぼち贈ろうかと思ってさ」

 と、ようやく藩国ロビーに掲示していた募集広告のコピーを広げて見せる由羅。遅い。

「とりあえず、エドしゃんがみんなと作ってくれたアロマキャンドルはある。あとひろきしゃんがうどんも用意はしてくれたんだよね」

 それだけでもいいような気はするが、一応他にもないかと相談しに来た、という話であった。まあ、そういうのを口実に、大学で執務している団長をいじりに来てるだけという話もなくはない。

「社長さんにはお酒。須田さんに食べ物。くろじゃーには筆と墨。くらいでしょうか。」
「ふむふむ」
「エミリオには・・・うーん。
 エミリオは気持ちの篭ったもの、ですね。温泉一泊しても仕方ないし・・・・・」
「うーん」

 由羅は腕を組んで悩み始めた。それを見つつ席を立ち、隣の控室の給湯設備でお茶を入れ始める怜夜。

「結構、単純なものがよさそうです」

 言いながら出されたお茶を見て、由羅はうなずいた。

「ありがとう…そうだ、紅茶とかどうかねぇ」
「紅茶+勲章、とか」
「勲章、はお中元としてはどうかな。紅茶とお茶菓子くらいがいいんじゃね?」
「無難ですね」
「うん」

 お茶を飲みながらまったりとした時間が流れる。ふっと怜夜が思いついたように言った。

「あ、花火とかはどうでしょう?外国に無いですし」
「ほむ」
「単純に遊べそうです」
「いいかもねぎ」

 由羅はメモに花火、と書きとめた。そして、次の発言に吹く。

「くろじゃーは、できれば脱がせられそうなものを・・・・」
「いやいやいや」
「じょーおーさまの大好きな水着ー」
「君はいったい私を何だと思っているのかね」
「えーだってー」
「却下だ。却下」

 怜夜はしばらくぶつぶつ言っていたが、お茶を一口飲んで話題を切り替えた。

「墨とか硯とか、好きな人は好きですけどね。セミの形をしていた墨とか、カエルの形の硯とか」
「ああ」
「中国だと縁起物なのですよ。いい硯って」
「へー」
「なんとなく、黒なのに知的なイメージのくろじゃー。囲碁セットとかもいいような気がします」
「まあ、こないだ欲しがってたのも書物だったし、バルクとチェスとかしてたもんねぇ」
「渋いですよねぇ」

 そう、以前クリスマスプレゼントには欲しがっているという「」をプレゼントしたのだった。バルクとチェスをしていたのは、黒のもとに突撃したときだったか。

「写本もしてましたしねぇ」
「写本するかどうかは知らないよ!…あ、してたか。どっかで見た記憶あるな」
「六経か何かを写本してました。小笠原で。凍矢くんと苛められた時に」
「ああ」

 由羅はぽむ、と手を打った。

「書物のプレゼントでもいいですけど・・・・・黒っぽくないなぁ」
「書物はいっぱい種類がありすぎてわからないよねー」
「古いの好きですよね。それも戦法の様なものがかかれたものが。普通に論語でもいい気がしますが。孫子とか」
「五輪書(ごりんのしょ)とか」

 うーんうーんと悩んで、あっと怜夜は指を立てた。

「・・・図書カードをプレゼント」
「www<図書カード」
「既に黒じゃない(笑)」

 由羅は苦笑いした。

「黒イコール脳筋というわけでもないと思うの!…多分」
「でも、それ以外の黒って・・・・・・」

 二人は黙りこんでしばらく同じものを想像したあと、首をふるふると振った。いやなものを想像してしまったらしい。

 こほん、と咳払いして由羅が話を続ける。

「世界忍者大学に寄贈して、そっちにたくさんありますからどうぞ、とかはどうかな」
「世界忍者大学来訪は、私が悲しいのですが・・・・・」
「なんで?」
「像が乱立してるからですー」
「wwwwww。慣れすぎて忘れてた」
「慣れないで下さい・・・・・で、旦那には罰として、お中元なし。日向さんには何がいいかなー」

 それを聞いて由羅が「きゅっきゅ」と笑う。本人いわく「きゃっきゃ、が詰まった感じの笑い声」らしい。笑われた怜夜が口をとがらせた。

「なんでー」
「罰ってのが面白かった」
「えー。像たくさんつくったのは旦那が悪いのです、きっと」
「いや、一応あれは私からの贈り物だお」
「どっちでも酷いです・・・・・・」
「えー」
「地味にひっそり暮らしたいのに・・・・」
「む・り」
「・・・・・離婚すればあるいは・・・・」
「おおーい」
「だってー…まだ指輪貰っていないからチャンスです」
「こらこら」

 例によって例のごとく暴走する怜夜をたしなめつつ、由羅は話題を転換した。

「カマキリさんたちって生肉主食?」
「動いてるものを食べちゃうって書いてましたね。リアルカマキリと同じでは」
「虫?」
「牛は食べてましたよ。カマキリさん。動いているもので、生きてるものなら一通り、では」
「お中元には贈りにくい…」
「難しすぎませんか?」
「うーん…それこそ勲章かしらね。メダルみたいなの」
「食べられないですよ?」
「食べられないけど、別に食べ物である必要はなんじゃね…?」
「あ、そういえば」
「食べ物が無難と言うだけ」
「食べ物以外に興味があるのかどうかが不思議なカマキリさんです」
「経済活動もしないらしいからね…そうすると、感謝の意を直接表したものかなぁ、と」
「メダルチョコが浮かびました・・・・」
「チョコ食うの?」
「さあ?齧ってみて『食べられない』ってがっかりされるのも悪いので、保険です」
「うーん、『食べられません』とは書いておくかな…チョコは溶けたら困るし」
「氷砂糖で作っておくとかw見た目も綺麗」
「水に溶けるお」
「水がありましたか・・・・」
「ということで、悩むねぇ」
「ですねぇ」
「うーん」

 腕を組み唸る二人。まあ、それはそれとして、と怜夜が話題を変えた。

「日向さんのところには、首輪ならぬロケットをー。そして、カヲリさんの写真を入れておくのです。カヲリさんが里帰りから戻る前に!」
「www」

 恥ずかしがるカヲリさんを想像してによによする二人であった。