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「で、何作るの?」
「お中元なので、それらしく麺類なんかどうかなと…ちゃんと一から粉から轢いて」
青竹の芯を抜いて、中に重りをしこみながら久堂は答えると由羅は少し考えて
「そうねぇ、冷麦とか蕎麦とか定番よね。うどんでもいいけど。で、ナニソレ?」
「麺類を伸ばす棒ですけど?金属だと味気ないかなーとか思って」
珍しく中華服にエプロンという明らかに摂政とは思えない外見をさせながら軽く振ってみて、重さを確認しつつ
「なんか麺点師だよねぇ…そうだ!点心も作ろう!大体の材料もあるし、それにみんなで作ればスピードアップまちがいなし!」
「あーいいですねぇ。餃子にシューマイとか。」
そんなこんなで始まった点心&生うどん作り。合ってないと思うが、そこは世界忍者国なので問題はない。
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「よーし、こんなもんでいいですかね?一気に伸ばしますよ!!」
「松永さん、お願いしまーす」
松永が青竹を思いきり小さな丸い生地の上から一気に転がしていくと、それはたちまち丸い円となって作業台の上に並んでいく
「もう少しで中身の餡が練りあがりますからねー」
「これで餃子の方は包むだけですー」
弓尾透と逢瀬みなおの二人は餃子の中身を素手で練り上げながら、声をあげて報告してきた
今回の点心は、生のままでも保存は効きにくいし焼いてしまうわけにもいかないので出来上がり次第冷凍でパッケージングすることになった
できれば、もらったら直ぐに焼いて食してほしいというお中元のお礼文&説明も既に濃紺摂政の手によって作成、大量印刷されている
「あ、だめですよー。これはあんまん用の餡子なんですからー!」
「あんこーあまーいーもっとー」
餃子作成班の隣では、練り餡子を鍋で照りを出している徒理流とその餡子をつまみ食いしようとする大神重信との激闘が繰り返されている
「予想通りとはいえ、騒がしいな…」
呆れた表情をうかべながらも、「うちらしいな」と小さく笑った藩王は、食物班をまとめている濃紺摂政に進め具合を聞きに作業部屋にやってきた
「とりあえず、うどんは既にみはえるさんと神崎くんによって出来上がっていて梱包しています。あとはこの作成中のものだけです」
「そっか、これとアロマキャンドルでなんとか形になりそうだな…まぁ、種類が滅茶苦茶なのはウチらしいということで理解してもらおう」
「えぇ、それと一応贈るリストはこれでよろしいですね?」
「あぁ、それで頼む…(ぼそっ)署長は喜んでくれるかしら…」
「…………」
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