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[No.800] [固定URL] 国内イベント:ささやかな慰労会 投稿者:結城由羅  投稿日:2014/01/08(Wed) 01:04:13

今回の戦闘の慰労会用スレッドです。

経緯詳細は以下の国内イベント記事をご覧ください。

http://richmam.xtr.jp/neokingdom/?%B9%F1%C6%E2%A5%A4%A5%D9%A5%F3%A5%C8%2F%A3%B3%A3%B4


[No.801] [固定URL] 国内からの募集はこちら 投稿者:結城由羅  投稿日:2014/01/08(Wed) 01:25:06

国内の方はこちらへ投下してください。


[No.804] [固定URL] SS:あある・えすとろにゃー 投稿者:結城由羅  投稿日:2014/01/09(Thu) 04:12:06

/*/

 世界忍者国は小さな国だ。他国と伍すだけの産業がなく人口が減少したために、騎士という最小の規模([[当初標準とされた男爵10km×2km|http://blog.tendice.jp/200701/article_3.html]]のさらに下)に落ち込んでいた。その小さな国の直径10kmほどの領域が破壊されたという話だった。どう考えても丸焼けである。

「これで凹むなという方が無理だよねぇ」

 ある程度の打たれ強さを持ってるつもりの結城藩王だったが、被害の実情を把握した後はさすがに凹んで床に座り込んでいた。EX0302で建てられた仮設の政務室の床に、である。王城にも火が回って、焼け落ちこそしなかったものの、いまだ修復中であった。仮設の執務室は、修復中の王城の前にある広場に建てられていた。リノリウムの板は硬く、冷たい。しんしんと熱が奪われていく。
 にゃーん、という声に顔を上げる。と、白い猫が擦り寄ってきた。

「慰めてくれるのか、あある・えす。ありがとね」

 膝に乗ってきたので、抱き上げて喉を撫でてやる。と、王猫あある・えすはごろごろと喉を鳴らした。アイドレス1から長い付き合いの愛猫である。

「ここのところ、留守してて悪かったね」

 ふっと顔を上げると、入り口から最近になって桂林怜夜団長が名付け親という名の養母になったろにゃーが顔を覗かせていた。こちらは昔からロジャーの飄々とした姿を写し取ったような人型をしている。忍者でもある世界忍者国の猫士・犬士たちは、変化の術を使って化けることができるのだ。
 この猫士とも建国以来の付き合いだった。

「団長が心配してましたよ」

 ロジャーの顔をした猫士が柔らかい口調で告げるので、どうにも居心地が悪くなって、結城藩王は咳払いをした。

「ああうん、もう行く。他の猫士や犬士たちの様子はどうかな?」

 先日敵の手によって決起を促すようなビラが撒かれたために、猫士や犬士の間には動揺が広がっていた。世界忍者国も例外ではない。昔からPCたちと猫士・犬士は養育システムを通じて親密に付き合ってきた。それでも、やはり、国が破壊されたという事実には動揺する。国を愛していればこそ、だ。

「……若いものの中には不安を不満に変えるものもいます」
「まあ、そうだろうなぁ」

 ため息をついた。国が貧しいことも不満の原因だと聞いている。無能な為政者で申し訳ないとも思う。しかし、落ち込んでいるわけにもいかない。

「ようし!」

 結城藩王は、ぱちんと両手で自分の両頬を叩くと、立ち上がった。するり、と、あある・えすが膝から滑り降りる。

「ささやかに、慰労の会をしよう。猫士と犬士と、そして国民たちに。先日の戦闘とそしてここのところの復興への協力の礼をしよう」
「そうですね、それがよろしいかと」

 ろにゃーは鷹揚に頷いた。

「その辺、彼らにうまく伝えておいて欲しい」
「わかりました」

 足元からにゃーんと鳴き声が聞こえた。結城藩王は微笑んで足元のあある・えすを抱き上げると、その頭を撫でた。

「あある・えすも。頼んだぞ」

 あある・えすはにゃーん、と啼いた。


[No.812] [固定URL] SS被害とこれから【没可】 投稿者:久堂尋軌  投稿日:2014/01/12(Sun) 00:39:21

藩王が仮設の政務室において藩王としての職務を全うしていると、コンコンというノックの音と共に摂政である久堂が姿を現した。

「陛下、今回の被害についてのレポートをお持ちしました。とりあえず、いいニュースと悪いニュースがありますがどちらがよろしいですか?」

服あちこちが煤で汚れながらも、普段とは違い真面目な顔をしながら報告をしてきた。

「あぁ、じゃぁ悪い方から頼む。まぁ、少しくらいの希望を持ちたいなら落ちる所まで落ちた方がいいしね」

結構ネガティブなことをいいつつも、久堂の方を確認しないで新たに必要な予算などに目を通していた。

「わかりました…では、悪い方から。今回で最も被害が大きかったのはロイ像ですね。777体あったロイ像のうちに現存するものは一桁になってます」

由羅はその報告に唖然とした顔を久堂に見せた。

「ひ、一桁…って、あれだけあったのがそこまで破壊されたの?」

「はい、Bだ…いや『賊』はロイ像破壊を丹念に行ったみたいでして。その代わりと言ってなんですが、この先はいいニュースというかは判りませんが良いニュースです」

「なんじゃそら」

半分呆れた顔をみせる藩王をスル―してレポートを読みあげる。

「人的被害においてはロイ像に比べると運が良いレベルです。なんせ重傷者は多数ではありますが、今のところ死者は確認されてませんので」

「……この騒ぎで死者が出てない?変な聞き方だけどどういうこと?」

流石に海千山千の藩王も信じられないといった顔で問いただした。

「えっとですね…『賊』がロイ像を破壊し始めたのを捕縛しようとして返り討ちにあったのが重傷者のほとんどです。トドメを刺されそうになったのですが謎の世界貴族が邪魔に入ったそうで…」

「……まぁ、返り討ちにされるの当たり前か。なんせあれだものねぇ…」

「そこで更に賊を囲もうとしたところ、謎の世界貴族が『敵わないことを悟って、人命救助を最優先にしろ!賊にかまうな!』という声に従ったとか」

「正解だな」

納得しながらも、その時のことを想像しながら謎の世界貴族に心の中で感謝していると目の前にスッと紙の束を差し出された。

「ナニコレ?」

「とりあえず、これからの計画書です。陛下は慰労会を企画実行していただいて…私は内政の練り直しです。この危機を乗り切ることで更なる発展を目指していきたいので」

「相変わらずの腹黒だな…偶然もチャンスに変える生き方なのね」

「まぁ、そんな所です。とりあえず今回は、治安維持に二線級部隊を配置。何かあれば精鋭を急行させる形をとりたいと思います。あと、燃えてしまった跡地なんですが…火避け用の公園を作っていきたいと思うのです。消防団がわりの火消し集団も組織して」

火消し=消火手段として水等を用いるのではなく延焼を防ぐために、周りの建物を壊すのをメインとする組織

「なるほど…世界忍者らしいって言えばらしいか」

「はい、これからのことになると思いますが、予備役を中心に担当制でやっていけばそれなりに被害を減らすことができるかと…」

「なるほどねぇ…わかった。検討してみよう」

「はい、宜しくお願いします」


[No.825] [固定URL] 慰労会イラスト 投稿者:優羽カヲリ  投稿日:2014/01/14(Tue) 22:01:08
慰労会イラスト (画像サイズ: 450×350 63kB)

時間なくて背景とかなくてごめんなさい
よろしくお願いいたしますー

#投稿場所まちがえてたので出し直しました
(;´ `)ゞ


[No.876] [固定URL] SS投獄生活の中で 投稿者:桂林怜夜  投稿日:2014/02/08(Sat) 15:50:41

B世界の私が火災を引き起こし、やっと鎮火したと思ったら今度はPPさんが世界忍者国で暴れ出しました。
国民の被害は200万人。
第七世界人やACEが狙われているということで、国への被害を減らすために皆で宰相府へ避難することになりました。
ポレポレさんが指揮することで航空戦の後にPPさんは撤退し、世界忍者国でやっと束の間の平和が訪れたのです。

国に帰って私たちが初めて目にしたのは、荒れた国土と雨だけが凌げるテント。そしていくつか復興したロイ像でした。

思わず結城由羅藩王を睨んで、私は駆け出しました。
大火のあと、藩王は復興指揮を摂政に任せると真っ先にロイ像の修復を始めたのです。
そういえば、「私はT100を見た」と言っていきなり像の強化を始めたこともありました。
他にも・・・・・・いえ、やめましょう。ともかく、私は藩王命令だと思ったのです。
だから国民の皆さんを止めようとしたら、いきなり捕まって牢屋に入れられました。
「命懸けで我々を守ってくれた御方は今、いなくなったが、その帰還を記念し、像を立てている。これは他の全部に優先する」

些細な原因で喧嘩して、ロイさんを家出させたのも私ですし、元々の国の災禍もB世界の私が行ったこと。全てのロイ像の復興が済んで、ロイさんが無事に帰ってくるまで私は牢屋で過ごすことに決めました。

後世の歴史家から見たら下らない投獄理由と思われるかもしれませんが、時代毎の思想やルールがあるのです。



牢獄生活その1
〜朝〜

上記の理由で特に逃亡の意思もなく、人手が貴重だったので、私は昼は受刑の名目で復興支援。夜だけ牢屋での生活です。
ちなみに牢名主です。


朝は炊き出しから。
支援してもらった食料の分配です。
ついでに、朝食中に一日の計画を発表します。
藩王様による本日の復興計画「今日も筋肉の綺麗なロイ像を作りましょう」なので、細かい班分けや本日の計画、事務連絡の中枢という細かい指示は新しく来た岩本宗こと鬼軍師殿(非華族)が鮮やかに手配してくれます。その下で摂政が具体的な指示を出します。・・・・・・鬼軍師殿がいれば安心です。
こたつで師事するから、安楽椅子探偵ならぬ、こたつ軍師というあだ名が早速付いた、と受刑仲間さんが教えてくれました。
なお、ロイ像の作成に人手は多く割かれていますが、第7世界人の方はライフラインの復旧と都市の再生計画に回っています。


〜午前中〜


私の班はロイ像の胴体部分の作成。
型の作成と、完成品の整形。
第7世界人の身体能力の高さから、できれば危険なこととか肉体労働がいいのですが、時折「団長、こんな筋肉でいいですかー?」「セクシーラインってこんなのでいいんですか?」とチェック担当も兼ねるハメに。
本物を見たことがある人は意外に少ないようです。
真神さんもちょっと離れたところでお手伝い。綺麗な像を作成しました。あれはランクSになるくらい立派だから駅前に置けるかも。


〜お昼〜


カヲリさんは育児で忙しいので、家事の合間にお昼に差し入れに来てくれます。たまにお子さん連れで、これが働く人みんなの癒しになってます。


〜午後〜


午後もロイ像の作成。
ちょっと疲労が溜まる頃。あまり集中力を必要としない単純作業や手先を使う作業が中心なので、おしゃべりや軽い休憩が増えます。
ロイ像の土台を作ったり。研磨したり。
ついでに、情報集めもこの時に行っています。
「火事の為に堀とか溜池が欲しい」とか「藩王はいないと淋しいけど、ロイ像をじっと見つめられてても困る」とか「神崎零が少女漫画を買いに走ってた」とか。

〜夕方〜


許可をもらって少しだけでも農作業。本当は畑仕事は早朝がいいんですが、ロイ像優先なので仕方ありません。
でも、食料は作らないと生きていけないですし。
今は最長の早い葉野菜と、収穫が早い蕎麦を優先して植えてます。小麦畑が戻ってくるのはもう少し先かな。
用水路を確保して、お米の収穫も増やしたいところ。気温の安定や水の浄化にもつながるし。


〜夜〜


牢屋の中。周囲の人は大体火事場の窃盗か不安からくる喧嘩なので、治安が良くなれば起きない犯罪だったりします。
今はまだ、不安の方が大きいけど、少しずつ復興するたびに顔色が明るくなってきました。差し入れも大きいです。
あと、巻物でNWCは見ることができるので、別に差し障りもない生活。
国内の情報も時折瞑想通信で連絡も入ります。
松葉さんが編成を組んで、迷宮への突入を考えているそうです。
そういえば、国が復興したら、ちゃんとした復興祭をしてくれる、と上層部の言質をとりました。
また、清酒美青年を飲みたいね、と牢の中の皆さんとお話しつつ、本日は終了です。


[No.877] [固定URL] SS復興の風〜再生のダストブロー〜 投稿者:岩元宗  投稿日:2014/02/11(Tue) 03:46:29




世界忍者国は今日も平和である。
それは順調に復興しているともいえる。実に喜ばしいことだ。
もう実質的な国の象徴であるロイ像が日々あちらこちらそちらどちらに建立されていく姿は、どこか勇気付けられるもので希望が、胸のあそこら辺から泡のように湧いてくる。
その像の殆どに半裸が目立つのも、実に世界忍者国らしい。
どういう国かというと、まあそういう国である。説明不足だが、ああなるほどと、ただ察してくれるだけでいい。
別に変な国じゃない。
むしろそのまま―――あるがままの精神が、あの悲惨な出来事の数々を乗り越えられたともいえる。
しかしさすがに藩王の心は疲れてボロボロで折れかけており、二月始めの土曜日を心の支えとしている。
二人の摂政は忙しくて疲労して、ふみこさんふみこさん。今日子さん今日子さんとかブツブツ呟いている。
疲れているんだろう。そっとしておこう。
その後ろをせっせかと走る彼女の方がもっと忙しそうだ。子持ちなのに大変そうだ。ご苦労様ですと感謝をする。
目を少し外に向けると、国を守る騎士団の団長は国を守る立場の頂点なのに牢屋生活をレッツ・エンジョイ。どこかの警察長官みたいだ。
彼女なりの精一杯の逃避行動なので温かく見守ろうと思う。
外を見ればロイ像を熱心につくっている男性の姿が、うん。働く汗はうつくしい。
そういえば神官長と国のアイドルで突撃リポーターが真っ白の灰になったように沈んでいたが……触れないのが優しさというのもある。
その神官長は読んで字の如く神官の長だが、その仕事場の神殿で何を祭っているのだろう。
団長が先日、うちの国って何の神を奉っているんでしょうかと平然と言っていたので、おそらく何を奉っているのか国民の誰も知らないんじゃないだろうか。
もちろん神官長も含めて。
だから変な国じゃない。
健全で平和な国だ。
その言葉の意味に三度ほど首をかしげ、そうか分かったぞと嬉しそうに納得して、それからすぐに三度ほど首をかしげてしまうが、それでも健全で平和な国だ。
何を言っているのか分からないと思うが、何を言っているのか分からない。
黒い団長。略してBLに『なんだって!?』と一同驚愕で打ち震える国だから、まあそういうもんなんだろう。
それがどういうもんなのかはさておいて、今日の仕事をしよう。
私の仕事は団長補佐官だ。どういう仕事かというと総合的にいって団長の通訳だ。鬼軍師とかこたつ軍師とか影の摂政とか色々言われているが団長補佐官だ。心の代弁者じゃない。補佐官だ。
そして今日も補佐官の仕事かと思うほどの色々な雑務を片付けて牢に向かう。
牢屋では今日も働いた働いたと満足そうにして、カヲリさんが差し入れしてくれた。神崎零が少女漫画を買いに行った。とか今日の出来事を楽しそうに話す団長。
それらをうんうんと頷いて聞いて、今日の本題を出す。

「団長。恋の季節ですね」

「そうですか。チョコは送りましたよ」

「どんなチョコを送ったんですか」

「赤いハートのチョコです。初めて送ったんですよ」

あの団長がハートのチョコと驚くところだが。

「送る? 手渡したんじゃないんですか?」

「手渡しですか?」

「送るよりも手渡しのほうがいいのでは」

「どうしてですか? 渡すなら同じですよ」

不思議そうに言われる。バレンタインというものは意味も含めて認識しているが、それだけである。決して、きゃー彼に手渡しするのが恥ずかしいよぉーとか、会うのに緊張しちゃうぅー(全て棒読み)とかいう乙女心ではない。

「そういうものじゃないと思いますよ。好きな相手に会って直に渡してチョコで想いを伝える。それがバレンタインです」

てきとうに心を込めた風に言う。
全く何の関連も由来もなく、お菓子メーカーがチョコ売りたいという商魂と欲望にまみれた日本独自の習慣なのだが、それはさて置いといて。

「だから団長も牢から出て直接、彼にチョコを渡してください」

団長補佐官としての本心だ。

「でも、もう送ってしまいました」

だからいいのではという団長。決して愛が無いわけではない。
それが本当にあるかどうか自分でも分からないけど、でも好きという気持ちはある。そして二個目を直接渡しに行こうという考えがないわけではない。でも行かない。

「ところで話は変わりますが牢屋からもういい加減、出てはどうですか」


「えー、出るんですか」

この時点で牢屋から出るつもりは説得してもないと分かる。国民によって牢屋に入れられて戒めとか謹慎とか自重みたいなことを色々と言っているが、実際は牢屋という状況と単語が気に入っていて、それと牢名主になりたかった。そういうものである。
まあ個人的には牢屋に居ても居なくてもいいのだが団長補佐官という立場としては困る。
だが凄く困るというわけでもなく、ゴミ箱に狙ってゴミを投げたが外れて床に落ちた程度に困るぐらいなので。

「とりあえず出てください」

これくらいに留めて牢屋を後にする。
これで今日の仕事は終わりだ。
こたつに入ってみかんを食べてテレビを見よう。そしてビル群のように建っていくロイ像を眺めながら。

「高度成長時代の第七世界もこんな感じだったのだろうか」

そう社会的な言葉を呟き、この国の復興と再生の風を感じた。
力強くて好い風だ。


[No.881] [固定URL] SSおにぎりとロイ像 投稿者:久堂尋軌  投稿日:2014/02/20(Thu) 14:42:35

「みんな、ご苦労さま。差し入れねぅ」

「あ、はんおーさまだー」の声があちこちで起る中で、藩王である結城由羅は自ら作ったおにぎりを国民へと差し入れていた。
国民がロイ像を最優先で作っている理由に、涙し感謝の心を持って有志と共に作ったおにぎりである。

「みんな、本当にありがとう。国の復興も大事だけど、今はみんなの気が済むまでロイ像を建立してくれていいから。それから復興ねぅ!では、みんなで…いただきます!」

「はーい!」という元気な声と共に皆がおにぎりを食べ始めると、口の中で違和感が広がっていく。

「「…?味…薄い?」」

自分の食べ始めたおにぎりを再度見直すて更に一口食べると、やはり味が薄いと感じる国民は多かった。

「あ、言うの忘れてたねぅ。そのおにぎりは『みんな』で食べれるようにしたから、この味うになったの。なので、味気が足りない人はアソコにトッピング用意してあるから」

そう言って藩王が示した先にテーブルがあって、その上に様々な具材が置かれていた。

なぜ、こんな仕様にしたのか不思議だったのか。食べていた少女が藩王に聞いてみると、少女にとっては予想外の回答が返って来た。

「『みんな』でおにぎりを食べてロイ像を造るねぅ。もちろん、みんなもそうだけど猫士や犬士のみんなも美味しく食べれるようにしたの。私たちと国民のみんな、そして犬士や猫士たち。藩国に携わっている全員が美味しく食べれるようにね」

その説明を聞いて少女が食べている人たちを改めて見直すと、『全員』が美味しそうに食べてロイ像やこれからの復興について話している。犬士や猫士たちも美味しそうに食べているのは、あまり見た事がなかったからだ。普段食べているものの中には味が濃すぎるために、食べれないものもあると聞いたことがあるので、その配慮なのだろう。

「さーて、みんな!ロイ像を造り終わったら藩国を復興させるねぅ!みんなで一体になった復興案を期待しているからねーーー!」

藩王が大きな声で語りかけると、あちこちから「おー」とか「まかせとけー!」などと良い返事が返ってくる。国民の士気は正に高まっていった。


[No.802] [固定URL] 国外の方からのお見舞いの品やメッセージはこちらへ 投稿者:結城由羅  投稿日:2014/01/08(Wed) 01:26:13

いつもご心配いただきありがとうございます。
こちらで受付させていただきます。


[No.803] [固定URL] リワマヒ国より 投稿者:室賀兼一@リワマヒ  投稿日:2014/01/08(Wed) 02:59:35

> いつもご心配いただきありがとうございます。
> こちらで受付させていただきます。

ではささやかな慰労を兼ねてSSとプレゼントなど。

「ささやかな慰労」

焼け野原は熱い。日差し遮るものなく、未だくすぶる木々や草は輻射熱を放つ。
焦げ臭さに顔をしかめながらも、室賀兼一は水を巻いた。畑作の手伝いに来たのである。

もちろん繁茂技術で一瞬で直すこともわずかに考えたが、すぐに取り消した。
ここは世界忍者国。ごく一般的な森国人の地である(はずだ、ロイ像以外は)。

(時間をかけて復興させるほうが、森国の人には喜ばれるでしょうし)
人の心は未だ科学の及ばないところである、いわんや郷土心をや。であった。


室賀兼一はひとしきり汲んだ水をかけ回して大地から熱を奪うと、
日傘を何本も地面に刺して行った。広げる。刺す。広げる。
小一時間も繰り返すと、あたりは朱色の傘で花が咲いたようだ。
一仕事終えた様子でこう、つぶやいた。

「日陰です。これで土の水分蒸発と直射日光を遮ります。
あとは、こいつで……」

べマーラの種、そしてトウモロコシの種。

昔々のその昔、リワマヒがかつての栄華の余暇として行っていた、
全国の植物種子を保管する遺伝子事業があった。
諸々の厄災で大半の貯蔵物は吹き飛んだが、
たまたま、復活した室賀は個人的趣味として
採取を一からやり直していたのだった。
(具体的にはLeiさんのリワマヒ国チャット来訪時に室賀がくすねた種である)

パラパラパラ。パラパラ、パラ。
全ての傘の下に種蒔きを終えた室賀は「大健康祈願の踊り」を蛇神に捧げ、
種の発芽と豊年満作とを祈った。

最後に朱傘で傘の花の周りを塞ぐと、
朱色の傘で覆われたテントハウスが完成した。

「ふみこさんの魔法ほどはうまかないですが、
とりあえず、復興祈念、ということで」

調整されたテントハウス内でもえぎを待つ種子たち。
今年も例年に引けを取らぬ豊作を約束してくれるに違いない。

そうひとりごちる、兼一であったとさ。

⚫︎プレゼント
SS
移動式ビニールハウス(設定上)
大健康の踊り奉納(豊年満作を祈願し・設定上)

以上になります。どうぞよろしくお願いします。