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イベント/31/答案:結城由羅

イベント/31/答案:結城由羅

法官試験、答案。 イベント番号が入れ違っていたので修正しました(2007-02-15)。 星見司の答案はこちら→イベント/30/答案:結城由羅

設問1 なぜ法をもて人を管理する必要があるかを答えなさい。

人は自分の利益を最大化しようとする生き物である。 中には高潔な志をもって自己統制をし、公共の便益を考えて動く者もいるが、そういう者ばかりではない。 公共の便益を無視して、自己の利益のみを図ろうとする者を抑制するためには、それを規制するなんらかのルールすなわち法が必要である。 法によって人を管理することが必要なのは、それにより、公共の便益を保ち、全体の幸福を維持できるからである。

設問2 未必の故意とはなにか、答えなさい。

「未必の故意」とは、ある行為が必ずしも犯罪になると確信しているわけではないが、もしかしたら犯罪になるかもしれないと思い、かつそうなってもかまわないと思ってその行為を行うことを言う。

設問3 殺人を犯したのに死刑ではなく懲役刑になることが多いのはなぜか、答えなさい。

近代の法においては、罪に対して罰を課すのは、見せしめのためではなく更生のためである。どんな犯罪者にも更生の機会があり、罪に対して償いをすれば、社会へ復帰することが許される、という思想が基本となっている。 このため、よほどの凶悪なもので社会的な影響が大きすぎる、あるいは更生の可能性がみられないというケースでない限りにおいては、殺人においてもこの考えが適用され、懲役刑とされることが多いのである。

設問4 アイドレス世界での標準的な罰則金の額を答え、増減の仕組みを説明しなさい。

アイドレス世界においては、ミスや要求されたサービスを提供できなかったことに対する標準的な罰則は10億とされている。これは、公共の便益への貢献義務を妨害または果たせなかったことに対する罰則と考えられる。なお、ゲームアイドレスにおける公共の便益とは、プレイヤーの自主性を育て、自主性を発揮するに当たっての手間を削減することを意味する。この例以外でも、これに反するような行為は罰則にあたると考えられる。

この罰則は、ミスが判明し次第届け出ることや、事情を説明することによって半分から3分の1程度まで減額される。これは、公共への便益に寄与する意思があったにも関わらず、過誤や事情により果たせなかったということを考慮することによる。減額の程度は事情により異なるが、ミスの判明時点での届出で通常半分、吏族2名のうち1名が供出できなかったケースで同じく半分である。

また一方、明らかに公共の便益を無視し、義務を怠ったものに対してはその額は増額される。故意と判断されたものについて、罰則−10億から増額され、−15億とされた例がある。なお、未必の故意と判断されたものに関して制裁金−50億という5倍近い額が加算された例があるが、これはその内容的に問題が大きいと判断されたとみられる。

設問5 法を厳しく適用する場合のデメリットと、法の適用を機械ではなく人間が行う意義を答えなさい。

法を厳しく適用した場合、人は罰則を避ける行動をとるようになる。 つまり、ミスを極度に恐れるようになり、ミスにつながりかねない行動を極度に恐れるようになる。 また、責任の所在を常に気にするようになり、責任のある立場に立つのを避けるようになる。 責任を逃れるための密告が横行し、そのためのお互いへの猜疑心が生まれるようになる。 このような形で、社会全体の活性が失われることがそのデメリットである。

法の適用を機械ではなく人間がおこなう意義は、情状の酌量による救済である。 故意ではない過ちや、止むを得ない事情を刑に対して酌量することによって、人を許し更生の機会を与えることができる。 これにより、ミスにつながりかねない行動や、責任ある職務についていて、ミスを犯した場合においても救済があることが信じられ、これらに挑戦することができるようになる。 かくして、密告ではなく忠告や支援が行われるようになり、社会全体の活性が維持されるようになる。


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Last modified:2007/02/15 18:50:38
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