アイドレス/中央銀行
アイドレス/中央銀行
「藩王さま〜、幸せって何なんでしょうねぇ」
「何だろうね。まあ貧すれば鈍するところはあるから、あんまり貧しいのはあれなんだけど、お金があり過ぎても使い方を誤れば不幸だからね。お金の魔力に惑わされないようにって言ってもなかなか難しいかもね。」
(なぜか摂政がポン酢のビンを持って踊っているのは全力でスルーした)
要点他
#以下は帝国版なので修正が入る予定です。
L:中央銀行 = {
t:名称 = 中央銀行(施設)
t:要点 = 立派な,象徴的建物,銀行
t:周辺環境 = 藩国
t:評価 = 住みやすさ0
t:特殊 = {
*中央銀行の施設カテゴリ = ,,国家施設。
*中央銀行の位置づけ = ,,{建築物,経済施設,金融機関,一般施設}。
*中央銀行の設置 = ,,設置された国。
*中央銀行の面積 = ,,1000m2。
*中央銀行の構造 = ,,3階建て。
*中央銀行の資金収入 = ,,(生産フェイズごとに)資金+40億。
*中央銀行の景気対策効果 = ,,景気を+2段階引き上げる。
}
t:→次のアイドレス = 金融ブーム(イベント),帝國銀行(施設)
}
参考:IDWIKI:中央銀行
イラスト
作:優羽カヲリ |
設定文
世界忍者国では、ここのところの経済混乱をどうにかするため【銀行】制度の整備を進めていた(アイドレス/銀行)が、それからさらにてこ入れとして、自【藩国】の中央銀行の強化を図ることにした。これまで、存在はしていたもののFEGの経済圏にもあり、なかなか陽の目を見ることのなかった、地域通貨「にんにん」を経済安定のために信用強化を図ろうというものだった。実は建国以来ひっそりと存在していたこの世界忍者国中央銀行が、ついにT17も末になって、表舞台に立つこととなったのであった。
SS:とある中央銀行トップのある日の情景
世界忍者国中央銀行は、建国時に建てられたままの姿でそこにあった。「やはり、国の中央銀行は立派じゃないとね」という藩王の相変わらずの趣味の一言で、【立派な】造りになっていた。
国のシンボルでもあるロイ像に、マフラーとトウモロコシの色、という牧歌的なその配色は、国民にとってもひとつの【象徴的建物】として親しまれていた。
その建物の奥、廊下の突き当たりにある重厚な扉で仕切られた部屋に、2人の男が立っていた。
「苦節17ターン、長かった…」
頭のとっぺんが微妙に寂しくなった小太りの高位森国人が、目元に右手の甲をあててよよよ、と泣く。のを、痩せぎすのひょろっとした高位森国人が生暖かい目で見つつ、慰めるように言った。
「頭取、よかったですねぇ」
頭取と呼ばれた小太りの中年男が外回りの交渉を主に担った中央銀行の顔だとすれば、内部の事務システムを取り仕切っているのがやはり中年のこの副頭取であった。
なお、2人とも新世界忍者らしく――つまりその職業の一部である世界貴族の特性らしく、きらびやかな衣装を纏っている。当然、理不尽に美形である。たとえとっぺんが寂しくなった小太りでも、痩せぎすであっても、だ。外見14は伊達ではない。
実際は、現頭取がその地位に就任したのはつい2Tほど前に過ぎなかったが、自国通貨「にんにん」が陽の目を見るということは、設立以来の悲願と言って良かった。そのことを知っている副頭取も、だから頷いたのだった。
「はぁっ!」
掛け声と共に背後から飛来したクナイを、痩せぎすの方が軽やかに振り返って、いつの間にか手にした竹の筒で受けた。どこから出てきたか、など考えてはいけない。そもそも、侵入者自体、いつの間に入り込んだのか気配すらなかったのだ。
「ちっ。外したか」
「……藩王からの書簡ですか。どれどれ」
急所を狙ったのに、とぶつぶつ言う侵入者――副頭取付筆頭秘書を華麗に無視しつつ、副頭取がクナイのお尻につけられていた筒から紙を取り出した。こんなことで動じていては、世界忍者国の組織の長などはできない。この建物にもさまざまな仕掛けが施されており、隙あらば互いに狙いあう、この国では毎日が修行なのだ。
ぱっと見ではわからないが、息をするように知覚を周りに行き渡らせたまま、副頭取はその中身を読んだ。
「今後の展開について正式な会議を開くそうです。よって、資料を揃えて出席してくれ、とのことで」
先日来、資料の準備をしておくようにという打診が、うちうちにあっており、それでここのところ彼らは浮き足立っていたのだった。
「よし!これから忙しくなるぞ!」
頭取がきらきらと輝く瞳でぐっと拳を握り締めると、そんな様子を眺めていた副頭取がにこやかに頷いた。
SS:あるダイニングバーにて
「とりあえず、非常用の資金を確保する手段を思いついたんですけど許可いただけますか?」
「ん?どんなの?」
避暑地である人狼領地のとあるダイニングバー。今回ゲストも呼んでの食事会の最中に、久堂は藩王である結城由羅に提案をもちかけていた。
「簡単ですよ、今回の中央銀行の表舞台登場と共に銀行の預金者に対して利子の利率を少しでありますがアップさせます。その折に、毎回発生する利子の小数点以下の金額(0.1〜0.9にゃんにゃん)を藩国の非常用口座に入れるということを…」
「却下」
久堂の説明が終わるまでも無く、由羅は却下した。
「えー」
「えーじゃない、えーじゃ。どんなことがあろうと国民のものは国民のもの。確かに小数点以下というと使えないから意味がないと思われるけど、それが全口座分が集まったらかなりの額になるじゃない。それは非常用とは言わないで裏金というのだよ、ウラガネ(バンバン!」
テーブルを軽く叩くと、由羅は却下の説明しながら気分を変えると言わんばかりにポトフの中のトマトと肉を取り出し美味しいと舌鼓を打ちはじめた。
「じゃぁ、わかりました。今の案は無しということで…とりあえず、今のは裏金作りの例として判例に乗せておきますね」
「そうそう、そうして頂戴。国民の手を借りる時はあるだろうけど、それは友誼のためと国民が納得したうえでの行動が望ましいねぅ」
世界忍者国において、このような知的犯罪例は定められた罰則とともに、判例集に載せられ王城および組織/法務局下部組織にて無料閲覧ができるようになっている。
無料閲覧にすることで「このような犯罪は真似をしても、国家がちゃんとチェックしているので、直ぐに判明しますよ」というのをアピールしているのだ。
「まぁ…ウチは基本的に友誼の為とならば、たとえ火の中水の中だから…。まぁ、お金に関しても何とかなるねぅ」
「そうですねぇ…そう言う所の思い切りだけは抜群にいいですからね…ウチ」
「政治的な話はこのくらいにして、せっかくゲストが来て美味しい食事もあるんだから味を楽しむねぅ」
「はい、せっかくの機会ですし楽しむといたしますか」
ゲストも交え、楽しい宴の時間が過ぎていく…が、それどころではない男が別の場所で嘆いていた
「なぜだ…なぜこうなった…orz」
神崎は職場でぼやきつつも、偶に流れてくる情報に悶えていた。俺も本当ならば、ダイニングバーでみんなと楽しくやっているはずだったのに…と。
本来、彼がホスト(案内役)としてゲストを楽しませる予定だったのが緊急の仕事で未だに仕事場で缶詰状態である。
なお、この食事会で本人不在のまま決定されたことについて知ることになるのは暫く先のことになる…
SS:貯金箱と設立イベント
作:国民/くぅ |
「わぁ、すごい可愛いじゃないですか ><b お疲れさまです」
「もう働きたくないでござる…(ばたり」
王宮のコタツでカヲリは出来上がったばかりの貯金箱を手に持つと、今回のデザイナーであるくぅに話しかけていた。
その貯金箱は中央銀行の設立を記念して、各銀行で配ってもらう為に作られたものである。
「とりあえず、七種類の上にシークレットも加えるけどシークレットは配布方法がちがうみたいー」
「へぇ、そうなんですか。でも、この通常の貯金箱だけでも喜ばれますよね。可愛いですし」
カヲリは、子供用に一個欲しいなと思っていた。まだ、赤ん坊なのではあるがそのためにも貯金はしておいた方がいいと考えているのだろう。
作:国民/くぅ |
「二人ともここにいたか。いつもお疲れ様…って、貯金箱届いたんだ。これで中央銀行記念イベントには間に合うな」
「「おつかれさまでーす」」
やってきたのは、摂政である濃紺だ。今回の記念イベントでは責任者になっている。
「くぅさんに聞いたんですけど、シークレットって配布方法違うんですよね?どんな配布の仕方するんですか?」
「あぁ、これは中央銀行の見学会に来た人には配布する予定なんだ。うちの国民からすれば中央銀行とかイキナリ言われても難しいだろうし、もう少し経済に関することも勉強しないといけないしな」
「へー、そうなんだー」
今までの世界忍者国は共和国全体においても、独自の路線をとってきた。環状線も共和国内で最後に作ったし、特産物的にも地味なものが多い。しかし、これからは中央銀行の表舞台登場によって路線変更をさせられるかもしれない。
だが、急激な変化は世界忍者国の望むところではない。投機などは極力控えて、今のままで行こうと考えている。そのためにも、理解することが必要であってそのための中央銀行の見学会開催なのであった。
「で、イベントって何かやるのー?」
くぅがだらけながら濃紺に聞いてきた。ちなみにコタツと言っているが、掘った下にはタライに氷がおいてあって涼しくしている。
「えっとだな…藩王によるテープカットに…祝辞…あとはチャイナによる歌のイベントがあるらしい」
「えっ!それって神崎君のことですよね >< 是非見に行かないと!」
「ひゃっはー!チャイナ!チャイナ!」
そしてイベント当日、「どうしてこうなったーーー!」の叫び声が控室から聞こえたとか聞こえなかったとか…
制作 技族 優羽カヲリ、くぅ 文族 結城由羅、久堂尋軌
SS:教育と法
「清貧なうちの国民が、経済的に豊かになったらどうなると思いますか?」
書類に埋もれていた藩王は、摂政の言葉に顔をあげた。酷く心配げな表情をした摂政の顔を見つめたあと、首を傾げてしばらく考える。
貧しかった人間が急に現金を手にすればどうなるか。まあ、普通は持て余すだろう。今まで買えなかった物を買い漁ったり、それに振り回されて身を持ち崩しさえする。宝くじに当たって一家離散なんて話は、都市伝説かもしれないがありそうな話ではある。
「ファナンシャル・リテラシー教育は必要だろうね」
「え、ええと、用語が専門的過ぎて…」
目を白黒させる摂政に、ああなるほど、と由羅が頷く。
「ファイナンシャル・リテラシーというのは、お金に関する知識のことだね。投資や金融、資産運用等に関する知識を指す言葉であり、また、経済関連の文章や財務諸表を理解し、表現する能力を指す言葉でもある」
「なるほどー」
「余剰資金は投資して運用することになるだろうけど、会社に投資するんだったら財務諸表とかIR情報を読めた方がいいし、株式市場のグラフの見方も知っておいた方がいい。そして、そもそももっと広く為替とか金融など経済の仕組みを知っておいた方がいい」
金というのは武器と同じだ。力があるが使い方を誤れば危険だ。逆に使いこなせれば強い味方になる。その使い方を知るのは教育だ。武器の使い方を学ぶのと同じ、金の使い方も学んでおけばよい。
だが、貧しかった今までのこの国にそういう知識は行き渡っているとは言いがたい。摂政が心配するのも無理はないだろう。
藩王はうんうんと頷いて市民講座の開設を指示した。国営放送の教育講座にもそうした金融や投資など経済の仕組みについての入門系のコマを増やすように指示を出す。
銀行と、それに続く中央銀行の強化で、この国に流れ込んで来る金の量は増えるだろう。しかし、それに振り回されて国が傾いては本末転倒だ。
「まあ、準備しておくに越したことはないね」
それから、状況を見ながら投資商品に適宜規制をかける必要はあるだろう。リスクの説明責任は当然必要だ。
「随時実施できるように法務局で素案を考えてもらっておくように。発効タイミングは任せる」
法の司を纏った久堂尋軌摂政は、その指示書を受け取ってほっとしたように微笑んだ。
(作:結城由羅)
Keyword(s):
References:[イグドラシル] [アイドレス] [アイドレス/作成作業状況] [藩国データ]