亡国某日、世界忍者国内人狼領地、領主宅
「本日の予定は、学園地区の見回り、軍港にて新造船の進水式への出席。その後軍部パーティーでの挨拶」
片手にファイルを抱え、もう片方の手でファイルをめくる女が一人。
「だりー」
机の上に突っ伏してゴロゴロと上半身を転がす男が一人。
「午後の予定ですが、軍駐屯地にて演習の視察。その後農場にて・・・」
「うだー」
「農場にて・・・」
「だーりー」
「人の話を聞けぇぇー!!」
スパーン!と、気持ちのいい音が鳴り響く。
ファイルをめくっていた女がどこからか取り出したのかいつの間にか空いていた手にハリセンを握っていた。ついでに付け加えるなら、振り下ろした後であった。
「くぅちゃん痛いー。暴力反対ー」
ハリセンで叩かれた頭をなでながらぶーぶーと文句を垂れる男。
この男、ハリセンで頭を叩かれてはいるが旧人狼領地の藩王、大神重信である。