トウモロコシ畑を作るにあたり、アンズ嬢の助力も得て生物資源での肥料も作ることができた。
そうなってくると肥料を混ぜてトウモロコシを作るだけなのだが、その前に行うことがあった。
五穀豊穣を祈るための地鎮祭を行うのだ。
イロモノの世界忍者国と言えど、神への感謝は行うべきものだし何よりも食物を作るために大地を借りているという考えは世界忍者国の民に根付いていた。
「さてっと…そろそろ儀式を始めますか。」
主な面子は、儀式ということで珍しく全員が礼服を着用している。その中でも神崎は神殿においての神官長ということで滅多に着ない神官としての装束を身にまとっている。チャイナやバニ―でも問題ないと周りは言っていただが、神崎自身の固い意志で神官の格好になっている。
そんな中で桂林怜夜は妙な胸騒ぎを覚えていた。地鎮祭をおこなうに際し、周りは幕で覆われていた。此処が外なのに四方に幕である。しかし、そんな彼女の胸騒ぎを他所に儀式は始まってしまった。
「では、これより五穀豊穣を祈願のための地鎮祭を行います。みなさんお静かに…では、神々にお祈りを…」
静かな時間が流れ、藩王以下参加していた全員がお祈りを行う。そんな中で神崎が祝詞を読みながら宝剣として作られた忍者刀を奉納していく。
「無事に神々への奉納は終わりました、皆さんお疲れ様です。それでは、地鎮祭第二部を行いたいと思います」
「………はい?」
神官である神崎の言葉に、おもわず怜夜は声にだしてしまった。自分の知っているスケジュールとはちがうのである。自分の知っているスケジュールでは、このあとに宴会に普通に入る予定なのだ。
「では、今回の五穀豊穣祈願の為に用意したロイ像111体のお披露目になります!」
いつの間にか司会として久堂がマイクを持つと、周りの幕が一斉に落されて景色が明らかになる。
「え、えぇぇぇぇぇぇぇ!!」
その光景を見た怜夜は絶叫した。何せ今まで見た事のない新しいロイ像があちこちに置かれているのだから。
しかも、儀式をおこなった正面には、まるでどこかの菓子会社のおじさんスタイル(#カ●ルおじさん)のロイ像が建っているのだから。
「今回の第五次ロイ像生産計画により、通算が777体になりました!このロイ像が世界忍者国を平和な国への道しるべとなってくれるでしょう!」
呆然とする怜夜のを尻目に、久堂が言ったようにこれから一面にトウモロコシ畑が広がっていくのである。