前回のつづき
問題は居住ブロックにも関わらず、エンジンブロックの真隣にあり中央部に固まっているのだ。
しかも、形がどう見ても人が前に倒れ込む姿勢というか光国人の飛行体勢にそっくりだった。
流石に怒られた、どう見ても変形機でありマクロの宇宙で生き残りたい俺の歌を聞けー!な感じだった。
濃紺は冷静にこの計画書の現実的な部分だけを説明し始めた。
まず、全ての外敵を追い払うべき戦闘力と残すべき環境を分ける事。
これによって生まれるのは大神の望む撹乱効果である。
戦闘ユニットを多めに造る事で本命である居住ユニットの守り手がどれかわからなくなる。
次に、居住ユニットの拡張性と整備性の確保である。
これらは当たり前で武器の整備・拡張の為に居住ユニットに不具合が出る事が無くなり逆もしかりである。
また、分割しなかった場合武器を多数装備する戦艦である以上物理域の問題がネックになってしまう、こちらはマシな程度ではあるのだが。
そして、資材及び建造の問題である。
はっきり言って世界忍者国単体では巨大戦艦を、しかも生活空間を孕んだ物など到底造る事など出来ない。
想定生産力で巨大ドックを要求する一体型に比べ分割型ならば各国がもつI=D生産工場でも片方ならば余裕をもって作れるであろう換算である(実際には組み上げ等に別に場所を取られるだろうが)
これならば世界忍者国でも生産が可能であろうと考えられた。
濃紺は一息つくと、次にこれは神崎の戯言だがと付けてから自信なさそうに現実離れした夢物語を語った。
この世界が滅びを迎える時、TLOとして生き残る話である。
まず、情報の空白地帯に移動する必要がある、これは地中や外宇宙、加えて魔境の類も含まれるらしい。
これは世界がループした時に、情報の空白地帯には前ループの遺産が存在した事からの逆説である。
NWなら海を渡って漂流も可能性があるらしいが自信がないそうだ。
ネタとしてはムー大陸なら行ける気がするとか。
上手く海上で残った場合、経年劣化による船の沈没は避けられないであろう、そして、きっとロイ像は積んでるであろうと言われた。
説明を聞いていたものは呆気に取られた。
つまりは、突如として海に消えたと言われるムー大陸は人工的なもので経年劣化で沈んだと言っているのだ、確かに不可能ではない言い分だ。
ちなみに、これが成功した場合、イースター島にはモアイ像の代わりにロイ像が立つ訳だが。
ただ、あくまでもネタの一種で本命は外宇宙であるらしい、理由は簡単で根源種族である。
つまり状況をループさせれば残る確率が高いという考えだ。
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それらの説明を受けて、なんと7号計画書は通ってしまったのである。
1番の決め手は生産と女王と大神の願いが両方通る為であったが。
問題は山積みであったが(技術力や他国への協力願いや技術流布等)大枠は決まったのである。
これに合わせて世界忍者国では戦力の強化がはかられる事となった。
忍者刀の生産、I=Dの完成等、要塞艦を主にした国家計画が動き出したのである。