7号計画書が通った日、何も知らない神崎は突然女王に呼び出されて困惑していた。
姉さんの反省会でもあるのかと執務室に向かうと真面目な顔をした女王と大神、それに濃紺に・・・瀕死(過労)の松永が揃っていた。
女王からは質問が一つあるだけだった。
「あの君らが考えた要塞艦に続きはあるの?」
神崎は誰にも話していない為驚いた、おそらくは不可能だと考え諦めた続きがあるのだ。
答えは一言「はい」だ。
それを聞いて女王は悲痛な表情を浮かべるともし叶ったら式神世界の人間には悪い事をするなと呟いた。
過労で頭が回っていない松永が疑問符を浮かべていると神崎は説明した。
多分、前のやつの説明は聞いてると思うのでと前置きをしてから語るのは願いと昔聞いた物語である。
世界はループしている。
世界は世界の滅びと戦う運命にある。
世界にはシオネアラダが光の軍勢を率いて悪しき夢と戦う物語がある。
そして、この世界に今代のシオネが現れるらしい。
シオネと光の軍勢の為に存在する世界の滅びと戦う為の砦が存在するという。
ならば、ならばこそ今ならば世界の滅びと戦う為の、正義最後の砦たる存在を作れるのではないか。
共和国と帝国、要塞艦製作にて手に入れた技術力があれば、協力する事が出来れば。
その要塞の名は・・・
「要塞艦はあくまでも1国家のプロジェクトに過ぎません、ですがNWの力を持ってすれば作れるのではないでしょうか」
神崎は珍しく雄弁だった。
その名は・・・
女王の複雑な表情は変わらない、だが言うしかなかったのだろう。
「作るというのか・・・今代における【アーカウ】を」