忍者機、ロールアウト
世界忍者国において忍者機というのはターンを跨ぐ程開発に難航していた。
中途半端過ぎたのである。
戦力を増強しようにも、周りとの激しい戦力差を埋められる訳もなく。
埋めるだけの国力もなく。
かといって、意味もなく作る訳もいかなかった。
開発当初は人切り単独で上回るスペックを求めたが事件が終わった後ではそれを実現するために巨大化を避けられず世界忍者の侵入能力を生かせず、ターンが移って宇宙が舞台では利用価値がなかった。
つまり、出損ねた訳だ。
しかし、ここにきてわかりやすい敵の存在がわかった。
敵は自分達らしい。
自分達に足りないものを補って自分達を倒せる様にする、目標不明だったこの計画に目標がおりてきたのである。
この計画、時間をかけただけあって様々な試行錯誤が行われていた。
膨大な試作案があり、世界忍者を活かす機体も無駄にしてしまう機体も、量産機とは思えない値段や、I=Dの値段に見えないものまで様々だった。
その中で、今回必要と思われるものは4つだった。
1つは、圧倒的に戦闘力が足りない事。
実際に、神崎は完全に不意打ちが可能な状態でですら大量生産品の黒耀子一体すら倒す事が出来ないと感じる程だった。
つまり、戦ったら負けるレベルに弱いのだ。
そんな自分達を倒すのはおそらく簡単で、正面戦闘でのスペックを上げればいい。
貧弱な肉体で戦うのではなく頑強な肉体を使う、これだけである。
2つ目は、侵入能力である。
ほぼ唯一と言っていい世界忍者の特色にして生命線。
この能力、実戦では施設破壊能力と共に使われると思われる(侵入との併用は未だなされていないが)
低物理域においては、拠点は重要であり、これの無効化が可能な力は重要であろう。
これを失う事は世界忍者をやめる事に等しい。
3つ目は、コスト。
これは世界忍者全体を強化するには資源、燃料ともに不足がちな世界忍者国では大量生産が厳しい。
この問題を敵が克服していた場合、不利になるからだ。
低コストが望ましい。
最後、4つ目は物理域の問題。
侵入能力が活かせなくなりがち且つ、根源力問題を突破するために低物理域に寄った人もおり高物理域は不得手なのだ。
戦闘で遠距離がメインになるのも悩ましい。
活動問題、戦闘距離、侵入能力の拡張これらをカバーする必要がある。
などという、真っ当な設計思想の中、結局できたものは今まで作っていたものの粋を集めるという至極まっとうなものだった。
まるで世界忍者国ではないかのように。
とはいっても、武装類は相変わらず人間手裏剣と腕部ブレードしかない。
最初期から変わったものといえば前述したものへの対策案の一つ、これらを解決しつつ値段を安くする方法として採用された追加パーツ方式である。
素体となる機体に追加装備を付け替える事で対応する。
現行技術の一つであり、これにより一体一体に余分な装備を付けない事(直接姿勢制御スラスター等を付けないため安くなり)によりコストを抑える事に成功した。
基本となるのは、侵入優先型装備と呼ばれるもので、余分な装備を外し着脱可能なワイヤーアンカー、高機動移動用の追加ローラーダッシュシステム(着脱可能)を装備する。
侵入時にはローラーダッシュの駆動音は大きすぎるため人型戦車と同様に徒歩移動を行う事で雑音を減らし、非侵入時には軽快な回転音と共に更なる加速を行いワイヤーアンカーと組み合わせる事で戦場を縦横無尽に動き回る事が出来る。
標準装備であるAS(アンチサーチ)マントにより変化の術を機体に施す事が可能になっており圧倒的な侵入能力を保有しており、侵入→破壊工作→脱出の流れを意識した装備となっている。
背部ハードポイントに専用グライダーを装着し、滑空等が可能なのもこの装備である。
4番目の問題の答えになるコストがかかりがちな対高物理域専用装備にはやはり燃料等が僅かだが必要になる。
肩部及び背部に姿勢制御用スラスターを付けたジャケットを着せ、ローラーダッシュを外し、開いた脚部にも姿勢制御スラスターの着いたブーツを履かせる。
加えて、左腕ハードポイントのワイヤーアンカーを電磁砲式に変更し、右腕には新世界忍者をモデルにした加速空間展開装置を装備する事により地上戦に近い運用が可能になっている。
当然ながら使用感はまるで違うのだが。
対高物理域専用装備追加パーツは世界忍者においても作成されたサイベリアンの製造ラインを用いており、スラスター回りはほぼサイベリアンそのままであり胸部から肩部にかけてサイベリアンを着ている様に見え、背部ハードポイントにつくバックパック相当のパーツもサイベリアンの背面をブロック化したものに過ぎない。
技術と製造ラインの転用により追加パーツのコストも大幅に抑える事に成功している。
素体となる機体部分には固定装備としてブレードとASマントが装備されており、ASマントは通常時にはマフラーの様に首に巻く事が可能であり、世界忍者らしさを出している。
それ以外は完全に何も装着されておらず、小柄な人型戦車に見える。
-----------------一時ギャグ休憩--------------
松永「機体にも変化の術を適用する方法、見当もつかないですね」
白銀「前にWDに精霊回路を描いて効果を得るものがありましたね」
尋軌「じゃあ変化の術の習熟に使ってたマントルでも書いてみますか」
くぅ「全体にかけるならマントですよね」
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マントにマントルを書き殴り中
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エド「書き終わりましたよ!」
カヲリ「一人分にしては大きかったかもしれないです」
ソーニャ「長いと躓きそうですね!」
怜夜「それじゃあ切っちゃいましょう」
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マントをばっさり裁断中
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濃紺「マントルごとばっさりいってないかこれ」
徒理流「おもいっきりいってますね」
大神「つけてから考えればいんじゃね?」
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マント装着中
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神崎「えーっと、とりあえず乗ってみましたけど」
大流「凄い適当なノリですがこれでいいんですかね?」
可銀「まぁ、いつものことだしね」
弓尾「変化の術を使ってみてくださーい」
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マント発動中
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真神「発動してるように見えるな、マントル切れてるのに」
松葉「確実に後ろに同化してますよね、マントル切れてるけど」
なかだい「星見として理論わかりますか?マントル切れてるのに」
あんぐら「開示情報が足りない」
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マント議論中
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みなお「そういえば意見書にマフラーがどうとか」
キラノ「マントをマフラー状にして首に巻けませんか?」
匪「議論内容間違ってません?」
女王様「マフラーの色は赤だな!」
---------------ASマント説明終了--------------
長いシリアスを超えて本機は開発された。
少し前にギャグだった気がするが気のせいである。
そんな、忍者機、その名は・・・・
「藩王様、忍者機で重大な問題が!」
「まだなにかあったっけ?」
「名前を一回も考えたことがありません!」
「あ」