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久堂尋軌 : 「よくぞ聞いていただけました。実は観光地や大観光地が血で汚れてると思って、大掃除でもしようかなと思ったんですよ。水
に魔力を通して」
ふみこ:「・・・・頭悪い案ね。いいんじゃない? やれば。さすがに誰も文句はいわないでしょう」
(久堂尋軌の生活ゲームより抜粋)
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「まさかこれが大規模になるなんて・・・」
摂政の久堂はボヤキながらも、自ら立てた企画の拡大案を練っていた。観光地や大観光地だけでなく藩国のすべてを現国民全員による大掃
除を行うことが決定したためである。
この大掃除計画は、血で汚れた藩国を清める他に狙いがあった。今は昔からの国民の他にakiharu国から臨時国民としてカマキリが多数入国している。そのカマキリたちと国民たちの仲を良くさせるための計画なのである。みんなでやれば一体感も沸くし愛着もでてくるであろうという狙いであった。
「とりあえず…雑巾に箒に…デッキブラシと…あとはバケツとチリトリか…みんな仲良くなってくれればいいんだけどなぁ…」
必要なものを書いていきながら、さらに数量を考えて加えていく。できるだけ適材適所に国民を割り振りつつも、仲を良くさせるのが目的でもあるので小グループで各人種がいるようにさせたいと考えている。
しかも、終わった後は各エリアごとにバーベキューでもできないかなとか考えている。『労働の後の食事は美味しい』これは常識である。
ちなみに、カマキリたちは強い。とにかく強い。あの鬼の息子ですら苦戦したというくらい強さなのである。壁や高い場所にも苦も無く掃除ができるというハイスペック。3行くらいで政策をまとめれば理解してくれるので知能も低くはないと思われている。しかし、スペックは関係ないと藩王結城由羅は某誌の取材で言っている。
「滅亡を回避できるだけでもありがたいし、元からの国民だって其処は理解しているでしょう。肝心なのは同じ国にいるのに喧嘩したりすることです。だからこの大掃除はやる価値があるんです」
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当日、藩王の声かけに集まった人たちによって大掃除は始められていった。藩国という広範囲を掃除するためには流石に人手は足りないし一度にやる必要もないことから、数回にわけて行われることになった。
「よってらっしゃい見えてらっしゃい!これから楽しい水芸をはじめるよー!」
ハンターキラウィッチのアイドレスに掃除用のエプロンを身に付けた久堂が大声で話しかけると、用意されていた水に魔力を通していくと汚れた壁めがけて水が吹きつけられていく。その飛沫は辺り一面へと広がっていき太陽の光との反射で大きな虹を作っていく。