アイドレス/食品加工工場
アイドレス/食品加工工場
要点他
L:食品加工工場 = {
t:名称 = 食品加工工場(施設)
t:要点 = 食糧加工工場
t:周辺環境 = 輸送される食糧,働く人々
t:評価 = なし
t:特殊 = {
*食品加工工場の施設カテゴリ = 藩国施設として扱う。
*毎ターン食料+15万tされる。
}
t:→次のアイドレス = 造船所(施設),食糧供与(イベント),重農政策(技術)
}
設定文
世界忍者国に新たに【食糧加工工場】が作られることになった。これは、そもそも無名騎士藩国で旧人狼領地の傭兵が全滅し、大量の寡婦や孤児を産んだことによる。
『母親に働く場所を、子供たちに愛情と暖かい食事を』
その言葉をスローガンに建てられた【食糧加工工場】は非常に家庭的なものであった。なにしろ、就労支援として建てられたアイドレス/保育園が隣接している。そして、食堂は敷地内で共有されており、昼ともなれば親子で食事する姿も見られる。保育園の窓からは、遠く【働く人々】の姿も見え、
「お母さんがんばって働いてるよ、応援してあげないとね」
「うん、ままがんばれ」
小さな手を振る子供の姿もまた、工場から見えるのであった。
工場としての機能も決して劣るものではない。これまでさまざまなアイドレス開発を担ってきた組織/開発局に旧人狼領地の整備技術力が加わり、人のアイデアが加えやすく、しかし力仕事や煩雑な仕事はなるべく軽減されるという柔軟な機械化がおこなわれた。また、軍での保存食作成技術を活かし、缶詰・冷凍・真空パックなどの技術も導入された。これらはあまり国内では人気がなかったが、国外への輸出には重宝された。
なお、幾度もおこった食糧安全性への危機感から、食品安全衛生に関してはNACと連携して、厳密な検査をおこなうように指導がおこなわれている。
人狼領区には移設されたアイドレス/商業港の旧施設があり、これを再生利用して世界忍者国第4層との輸送に利用することになった。もちろん、人狼領区自体にも第3食糧生産地はあるが、第4食糧生産地からの輸送をおこなうことで、多種多様な食材を揃えることができるようになった。食糧保存の一時に関しては、アイドレス/食糧倉庫も活用された。
このように船で第4層から第3層へ原材料が輸送され、第3層から第4層へ加工食品が輸送され、さらにそのうち保存食に関しては、商業港からNW各地へも輸出されるのであった(【輸送される食糧】)。(設定文:結城由羅)
イラスト
担当:可銀 |
働く母親への手助けを
人狼傭兵部隊の壊滅の影響を受けて国内に急増した寡婦・孤児対策としてまず掲げられたのが食糧の提供についてであった。
世界忍者国は温暖で、冬だけでも南方に避難すれば、住居や衣料の心配を急ぐ必要は無い。けれども、いくら農業国とはいえ、食糧はあっても食事の用意をするのは難儀である。食べ盛りの子供達に味気ない配給食をいつまでも配るのは、藩王始め旧世界忍者国側政府上層部の心が痛んだ。
最初、国内の弁当業者に大量発注して、日に三食配るという案も出たのだが、寡婦であるなしに拘わらず、多くの女性から反対を受けた。
『市販の弁当は太る』
という至極最もな意見に頭を悩ませる者もいたが、国内の医療機関から栄養の偏りや食育の重要性を指摘され、食産業について正式に委員会が発足することとなった。
「やっぱり、お母さんの作る料理が一番」
委員会でのこの一言がきっかけとなり、家庭料理を中心とした献立を各家庭から募集し、それを栄養士の指導を経た上で一ヶ月間の献立表に纏め上げる。旬の物や季節の行事に関わりあるものは優先的に組み入れるようにする。
こうしてできた弁当を配給したのだが、味の評判は良いものの、冷めている為に満足感が足りないという意見も多かった。そこで、国内の魔女達により、つい1時間ほど前に出来上がった温かい料理を配るシステムが出来上がった。
これは当初、給食としての保育園・就学児童用と弁当工場内の賄い用だったのだが、忙しい他の国民からも要請があり、国内に広まっていった。大量数の注文がある地域は直接配送している。農家はにゃんばいんシリーズで各畑に配っていたのだが、畑が広い為、コメットから落下傘を付けて弁当を降下するのが現在では一般的である(要予約)。
また、中食用に小分けにしたおかずの販売を望む声もあり、大小様々な工場で食品が作られている。最近では珍味として、世界忍者国内では評判の宜しくないシュー(以下略)缶が国外の金持ち(鍋の国など)に一部輸出されていることもあり、お菓子や土産物などの食品を加工する工場も増えてきている。(設定文:桂林怜夜)
食品加工工場ができるまで
「えー、調査の結果、人狼領区を中心とした産業復興支援には、食品加工工場の設立が有効だとわかった」
王宮ロビーでの藩王からの説明に、ふんふんと頷く国民たち。中には、戦利品として新たに飾られたくらげの水槽をぼーっと見ている者もいる。それらを見回して、藩王はこほんと咳払いをした。
「ということで、シュー以下略缶などの大量生産を実施してはどうかと思う」
一拍の間、の後に渦巻く怒号。
怜夜「ええー」
神崎「なんでよりによってそれなんですか!?」
カヲリ「や、やめてください〜」
NA
説明しよう。「シュー以下略缶」、正式名称「シュールストレミング缶」とは、ニシンを塩漬けにして、缶の中で発酵させた漬物の一種である。一説では納豆の23倍とも言われるその強烈な臭いから、「世界一臭い缶詰」などと評されることもある。
「え、いや、人狼領区の加工食品っていったらこれじゃん?」
藩王はサンプルとして取り寄せた、ぱんぱんに膨れ上がった「シュー以下略缶」を掲げて見せた。ぎゃああ、と国民たちが遠ざかる。
神崎「持ってこないでくださいよ!」
怜夜「こ、ここで開けないでくださいね!」
北国では貴重なたんぱく質とビタミン供給源として好まれる「シュー以下略缶」も、森国では評判が悪い。初期の頃、貯蔵法が分からず、積んでおいたら破裂したせいであるとかいう、まことしやかな噂も流れているが、定かではない。
「まあ、さすがにここじゃ開けないけどね」
にやにやしつつ缶をテーブルの上へ置く。そこへ、駄犬こと人狼領主大神がひょっこり顔を出した。
「えーおねぇちゃん、開けないの〜?」
ひょいと缶を手に取る駄犬、に藩王はあわてた。
「ちょ、ま」
「ごかいちーん」 ぶしゅう
くぅ「ガスマスクどこー!?」 大 ・ 惨 ・ 事
その後、掃除が済むまで、会議は頓挫したという。
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「…まあ、冗談はこれくらいにして」
苦虫を噛み潰したような顔で会議を再開する藩王。臭気を払うため、窓は大きく開け放たれ、初春の風が穏やかに吹き込んでいる。ひっかぶったシュー以下略缶の内容物を流し去るため、シャワーを浴びたりなんたりで、30分くらい過ぎていた。
怜夜「冗談だったんですか!?」
駄犬「えー、これおいしいのにー」
缶に残った内容物をぱくつく大神領主。を他の国民はみな遠巻きにしていた。大神領主は白い目にも相変わらず動じる様子もなく、鼻歌を歌っている。
「しゅ、しゅ、しゅーる♪ しゅ、しゅ、しゅーる♪」
シュールなのはお前の頭だと怒鳴りつけたいのをぐっと我慢して、会議を続ける藩王。
「まあ、半分くらい? 他にも産物はたくさんあるし、シュー以下略缶はそのうちのひとつくらいじゃね?」
怜夜「…作るのは作るんですね」
「うむ」
濃紺「…現在、人狼領地の産物で加工に適していると見られるのは、このようになります」
人狼最後の砦、または駄犬防衛最終ラインとも言われる濃紺摂政が淡々と資料を配って説明をする。
駄犬「つまんなーい。要塞作ろうよ、ようさーい。おねーちゃーん」
濃紺(殺す、こいつは絶対殺す)
「…要塞の件はまた後でな」
駄犬をなだめつつ、先を促す藩王。その瞳には濃紺摂政への同情が湛えられていた。
久堂「世界忍者領で加工に適しているのはこのあたりですね。あ、現在再開発として北国で栽培を進めているシュウサイも加えておいてください」
摂政久堂がいつもののんびりした調子で世界忍者領側の資料を提示した。
濃紺「なるほど…では、国内の輸送は商業港を利用して…」
久堂「そうですね〜備蓄には食糧倉庫がありますから、原材料にも生産物にも利用できるかとー」
濃紺「ふむ、そうすると、輸出もそのあたりを連携させて…」
熱心に話し合う摂政'sを眺めつつ、駄犬を踏みつける藩王であった。
駄犬「いたいよ、おねーちゃーん」
「はっ、つい癖で」
駄犬「えー」
怜夜「もっとやっちゃってください」
神崎「潰しといていいです」
くぅ「こう、思い切ってぶすっと」
カヲリ「(汗)」
(設定文:結城由羅)
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