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世界温泉湯けむり殺人事件
鄙びた雪の温泉宿。
妖艶な女将と、美人姉妹の待つ小さな宿で起きた連続殺人事件。
「カット!いい表情だったよ、雪だるマン・・・・いや、神崎君、尋軌さん」
??「温泉に浸かる着ぐるみって、どんな罰ゲームですか・・・・」
突然の悲鳴。
「ひ、ひろ・・・き・・・さん・・・・だったのか?」
消失した死体。
神崎「俺じゃない!俺は犯人じゃない!!」
???「でも、君しか彼に近づけなかった」
言葉の通じない、不気味な従業員、狼。
カヲリ「実は・・・・・私たち、本当の親子じゃないんです・・・・」
宿に隠された血まみれの人狼伝説。
怜夜「私、分かった・・・・・・かも・・・・」
第2の殺人。
果たして、犯人に隠された悲しい過去とは・・・・。
〜世界温泉湯けむり殺人事件〜
尋軌「温泉のPRが必要だと思うのですが」
積み上げられたのは8mmフィルム。妖しいというよりはあらすじが殆どタイトルになっているドラマの名前がラベルに記載されている。
尋軌「観光名所を使ってこういうドラマを週末に放送するのが古来からの日本の伝統!なので、我が国でも人狼温泉の宣伝の為に、面白いドラマを作ってみては如何でしょうか?サタデー世界忍者スペシャルサスペンス劇場略して世スペ」
可銀「折角だから、アイドルを起用するんですか?」
尋軌「いえ、こういうのは、わざとらしいくらい現実感がない方が面白いですからね。敢えて素人が出演してチープさで勝負してみるべきです。そう、我々で」
ぼそっと、アイドルの黒歴史になったら可哀相だし、と付け加える。
尋軌「そういうわけで、僭越ながら私が第一の犠牲者を演じようと思います」
怜夜「じゃ、私が次の犠牲者でー」
由羅「どうして犠牲者ばっかり選ぶねう・・・・」
尋軌「通はこういう美味しい役を選ぶのですよ」
かくして、後に人気シリーズとなって、お茶の間の定番となる、世スペ第一作が作られたのだった。
宿の女将:結城由羅
宿の娘:カヲリさん
宿の妹娘:エドさん
従業員:狼さん
唯一の逗留客(文豪):みはえるさん
地元の青年団(雪だるマン1号):神崎さん
地元の青年団(最初の犠牲者):尋軌さん
終盤、事件の真相に近付きすぎて、意味深なセリフを遺して翌朝発見される人:桂林怜夜
宿の主(故人):未定
肝心の主人公女(探偵役)と主人公男(宿の姉娘に惚れて、事件を解決しようとするお人よし)が未定。
女主人公の推理が弱くて手詰まりになった時に現れて、こつこつ調べた物証を取り出して犯人に止めを刺す探偵さんこと姉娘の婚約者:以下略
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「SKN55(フィフティーファイブ)?何、この企画案…」
そこそこに厚い計画書の冊子が臨時執務室(in人狼領地)の藩王の目の間に置かれると、おもわず由羅はつぶやいた。
「えっへん!この計画はですね、大観光地の拡張に伴い観光地や他の藩国スポットへ人を呼び込むための企画ですー。」
自信満々にくぅが言い放つと、冊子を開いて由羅に見せて説明を始める。
「この計画は大観光地にSKN劇場を作って、アイドル活動や演劇活動をすることによってより多くの観光客を集めるための計画なんですよ。アイドルの女の子だけでもわたしはいいのですが…さすがに客層に偏りがでると怖いので、イケメンや渋めのダンディとかも参加させます。」
「…趣旨はわかったけど、人材は?」
「そこはお任せを!すでに、アイドルならびに劇場で働く人材の募集をてーべーで告知してますし!」
「事後承諾かYO!」
「けど、これには表もあれば裏もあるんですよ。人が集まるってことは商業のほかに情報も集まるってことです、ここをねらってSKN55には忍者の技を中心にチーム編成によっては国内の情報収集の強化を努めます。」
「なるほど…最近はひろきしゃんの子飼だけじゃ厳しくなったものねぇ…」
摂政がパトロンをしている劇団は国内の情報収集に努めていたが、最近は本業の劇団活動が慰安活動の一環になってしまい正しく猫の手が足りない状態へと陥っていた。
「基本的にはSとKとNの3チームに分けます。そして、第一期にはそれぞれ一人ずつ位私達からもアイドル活動をやってもらおうと思うのですよ。任務次第でチーム入れ替えて…」
「あーだから、この面子なのかー…エドちゃんに、くぅさんに…えっ…神崎くん?」
「神崎君にはチャイナを着ながら踊ってもらいます!劇場開演は土日祝日を予定して、基本的にはローテーションの形で。あ、ちなみにデビュー曲は『チャイナ服を脱がさないで』に決まってますんで」
「なんで、イキナリにゃんこなんだYO!」
そんなツッコミもありながら、大観光地の隅には小さな劇場が建てられた。SKN劇場…この劇場から多くのアイドルが誕生し、人々を楽しませていくことになるだろう。多くの観光客を呼び込みながら…
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《番外》
「陛下!、聞きましたよ!SKN55とか作るらしいじゃないですか!」
人狼領地で温泉宿を作り終わって帰ってきた久堂が、目を輝かせながら藩王詰め寄ると由羅は目を反らせつつ…
「い、いや…ひろきしゃんの子飼を信頼してないわけじゃないんだけどね…くぅさんの熱気に押されてだね…」
言葉を濁しつつも、詰め寄る摂政の顔を手を伸ばして抑えようとして
「そんなことはどうでもいいんです!SKN55の制服は決まってるんですか!?ナ●スとかスッ●ーとかウエ○トレスとか、あ…ボーカ○イド着て踊る日もあるんですよね?」
その会話を聞いていた、内政補佐のエドも顔が「あにゃ…(赤)」と赤くなって仕事の手が止まる。
「まてまてw!それじゃ、どっかのうぉ〜た〜びじねすのお店じゃないか!そんなのは却下却下!」
「え〜(超不服そうに)」
「えーじゃない、えーじゃ。とりあえず、制服は忍者服をベースにしてマイクをクナイ型にすることで決まってるから」
「わかりました…それじゃ、とりあえずですが。私からは人材の募集に関して、どんな人材でもオーディション資格は持っているようにしたいんですよ。元からうちは、多種族国家ですし…いいですよね?」
「わかったわかった…。けど、スパイとかそういうのを紛れ込ませないために審査は厳重にやって頂戴」
「はーい、わかりました。これからのミリタリーグッズの売り上げを上げるようなアイドル集団を育ててみせますよ。まぁ〜かせて!」
「ふ…不安だ…」
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お世話になります。羅幻王国です。遅くなりまして申し訳ありません。
藩国への立ち入り許可並びに、遺体の回収許可について承認致します。
以上何卒よろしくお願いします。
温泉…それは人々の疲れを癒すものであり、温泉の清潔なお湯を飲むことで健康になれると古来から言われている。
これは夏の日差しが激しく、さすがの森国においても風通しの悪いところではかなりの体力の消耗が強いられる、そんなある日の出来事を記したものであった。
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「あつーい、団長〜この暑さ何とかならないかな〜。」
藩王の結城由羅は、隣で仕事をしてる桂林怜夜に対して持っていた扇子を扇ぎながら愚痴を溢していた。
世界忍者国ではエアコンという文明の利器は存在せず、扇風機すらもあるかと聞かれれば「どうなんだろ?」と逆に聞かれるくらいの独特の藩国である。
「何言ってるんですか。はんおーさまなんですから、もう少しシャキっと仕事してください。シャキっと」
「え〜、だって暑いんだもーん。」
あまりの暑さにやる気が完全に折れたのか、由羅は藩王の椅子から立ち上がると傍に茶会用に存在している4畳半の畳にごろ寝して
「あついー。そういえば、こういうときの摂政の二人はどうしてるんだっけ?」
困ったときの摂政頼みである。藩王アイドレスを所持していればモデル間違いない位の藩王の由羅であった。
「濃紺さんは神崎さんと一緒に忍者用のI=Dの研究。尋軌さんは大神さんと一緒に人狼領地に行きましたよ。」
由羅に渡すべき書類を机の上に置きながら、怜夜の補佐をしていたエドが答えた。
「そ れ だ ! ひろきしゃんと狼の様子を見に行くついでに、向こうで仕事するんで。支度して支度!」
人狼領地。それは世界忍者国の一部であり、かつて帝國の藩国であった”北国”エリアを指す。夏の灼熱とは反対の雪国であった。
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「いやー、久しぶりにこっち来たけど雪降ってるとは思わなかったー。」
仕事をするにあたって、人狼領地の責任者である大神の執務室を勝手に占拠すると仕事を怜夜・エドの二人に(勝手に)任せて由羅は人狼領地を巡察という名目の散歩をしていた。
「こういうときに飲む日本酒は最高なんだよねー。そうだ、仕事終わったら…くろじゃーさまを誘って…(ドスン!)…って何?」
辺りを見渡しつつも、想像を膨らませていると顔が自然と赤くなる。藩王なれど乙女であった。
そんな幸せな想像に浸っていたのも束の間、大きなドスンという音によって現実へと引き戻される。
「ドスンって、やけに大きい音してたけど何かヤバい事でもあったかな?」
妄想に浸っていた顔は、藩王という責任を持った顔へと瞬時に戻って雪の中を忍者装束で走り始める。すると、音の発生源であるであろう大きなプレハブの前へとたどり着き。
「ここかぁ・・・って、なんだろ、これ・・・??」
不審に思ってプレハブの中に入ろうとした瞬間、由羅のことを引き止める声が横から聞こえてきた。
「わーい、おねーちゃーん!」
「あれ、藩王さまじゃないですか。どうしたんです?仕事はどうしたんですか?」
「へ?」
由羅は、自分を呼び止めた二人の人物の正体がわかるまで数秒かかった。なぜならば、その二人の服装は『黄色い作業用ヘルメット、ニッカポッカ、安全靴(なぜか口の回りに髭のメイク付)』と一見、どう見てもドカタの人であった。
しかし、二人は副王の大神重信と摂政の久堂尋軌の国を支えている人物であった。こんな格好をしていたとしても…
「ぷ…、二人して何その格好…いや、似合うんだけどさ・・・ぷぷ」
藩王として、仮にも部下二人に対して笑うのは失礼に当たるが、さすがに笑いを堪えるので精一杯のようだ。
「……いや、まぁいいんですけどね。何を思ったかは大体の予想はできますが…、とりあえず何でココにいるのか説明いただけます?」
「おねーちゃーん、雪国温泉できあがるよー。もうちょっとでー」
「あ…、あれかー」
二人から話しかけられて、由羅は記憶の端にあった書類のことを思い出した。
=雪国温泉計画=
森国にある世界忍者温泉は、大衆向けの温泉街となって広く伝わっている。さらに、それを発展させるための売りのひとつとして、北国にも温泉を引き自然の美しさと観光を楽しめる雪国温泉として、大観光地の宣伝ポイントを広めようとするものであった。
なお、森国の温泉宿も自然破壊が行われない程度に拡張をして、雇用とサービスの向上をもくろんでいる。
工兵用のI=Dを持ち出し、雪をかき集めたりして温泉を楽しめる場所をつくる。それが二人の役割であった。
ちなみに、二人そろって今回はただの人アイドレスを着用している為に、臨時雇用として建設業者を雇って作業を行っている。
「状況的には、環境破壊なしでよい温泉宿ができそうです。一応、離れとして要人用の個人温泉も用意しました。」
「ひろきん、真面目すぎー。おねーちゃーん、拠点防衛用に対戦車ライフルつけようーよー」
「まて駄犬(ゲシゲシ)」
まるでトリオのコントのようなことを話しつつも、プレハブの中では作業は進んでいる。温泉宿が出来上がったら多くの人が人狼領地に足を運ぶであろう。なにせ、共和国において北国を楽しめるのは唯一世界忍者国だけなのだから。
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大観光地のHQ用
お疲れ様です。リワマヒ国です。
もちろん許可です。人狼領地傭兵団の皆さんには大変お世話になりました。
リワマヒ国は協力を惜しみません。
回収は是非手伝わせて下さい。
法要の際はぜひ出席させて下さい。(設定だけでも結構です)
リワマヒ国は狙われまくりの国なので、人狼領地傭兵団の皆様には
今後も色々お世話になるとおもいます。
どうぞよろしくお願いします。
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